貰い火 嘆き・18
直樹:
「魔導書ドラクエ!
お前にどうしても、聞きたいことがある」
魔導書ドラクエ:
「なんだ?」
直樹:
「お前、鑑定魔法で。
好みの女が探せるって言ったな?」
魔導書ドラクエ:
「言ったぞ、今から探すのか?
戦闘の前だろ?
いい根性だ!」
直樹:
「もしかして。
敵兵とか探せないか?」
魔導書ドラクエ:
「無理だぞ、ナオキ」
直樹:
「は?
じゃあ、どうやって。
好みの女を探すんだ?」
魔導書ドラクエ:
「は?
ナオキのイメージを使うに決まっているだろ?
お前は敵兵の特徴とか、知らないだろ?」
直樹:
「ん?
つまり俺が。
正しい敵をイメージできないから、役に立たないのか?」
魔導書ドラクエ:
「そうだ。
正しいイメージがないと認識しない。
近くにいても反応しない。
そんなモノに頼るのか?
逆に危ないぞ」
直樹:
「じゃあ。
すべての人間のようなモノを、探知することは可能か?」
魔導書ドラクエ:
「それは可能だ。
可能だが……
敵味方の区別ができないぞ」
直樹:
「それでいい。
やり方を教えろ」
魔導書ドラクエ:
「別に構わないがな。
追加、七色迷探偵、人間の姿を常時検索。
あと、時間と範囲だ」
直樹:
「購入ポイントが使えるといったな?」
魔導書ドラクエ:
「あぁ。
ポイントを使うと宣言すればいい」
直樹:
「適正な購入ポイントいくつなのか?
見当がつかない。
いい方法は無いか?」
魔導書ドラクエ:
「ポイント数を指定しなければ、自動でいける」
日が落ちた。
真っ暗だ。
伝令兵から作戦開始の連絡が来る。
ユミルとフリストには、隠蔽と消音の加護を与えたが。
2人には、隠れ家で待機してもらう。
人数は少なければ、少ないほどいい。
行動開始だ。
直樹:
「冒険の書。
七色迷探偵」
虫眼鏡とマント、ワトソン君が現れた。
直樹:
「追加、七色迷探偵。
購入ポイントを使え。
人間の姿を常時検索、時間は1時間。
範囲は球体、半径500mだ。
追加、超絶操作マッスルマリオネット。
姿を隠蔽せよ、音を立てるな。
速度を1.5倍に加速、時間は10分だ」
静かに走り出した。
後ろを振り返ると、大量の情報画面が見える。
虫眼鏡のスイッチで、オン、オフが可能だ。
距離によって大きさが違う。
こういう事か……
この状況は俺にしか見えない。
単独行動で正解だ。
進行方向に情報画面の表示がないか?
確認しながら進んで行く。
数分ごとに出入口を地面に設置し、隠れ家に逃げ込む。
短時間、ユミルがこちらへと転移し、現在地と進行方向を確認した。
地面に進行方向を書いてもらう。
安全な隠れ家で、呼吸を整えて外へと戻った。
肉体的には大したことはない。
精神的な負担が大きい。
出口を回収。
魔術を使用して再スタートだ。
小さな情報画面を発見しては後退した。
アレが本当に敵なのか?
確証が持てない。
隠れ家に逃げ込み、進路修正した。
何度も、何度も、繰り返す。
空には雲が多く。
星が少しだけ見えて、辺りは真っ暗。
音もほとんど聞こえない。
単独での行動は、心細いな。
なんとか敵陣地の後ろに回り込むことが出来た。
ユミルとフリストもこちらへと呼ぶ。
穴を掘って、隠れる場所を作った。
出入口も設置する。
敵陣地は、浅い堀と木の柵の2重構造。
柵の高さは2m弱。
物見櫓が一つ見える。
これなら大丈夫だ。
首都の軍事施設の方が、障害も警備も上だった。
中将の攻撃に合わせて侵入する。
魔術を使えば、見つからずに中へと入れるはずだ。
周囲を警戒しながら、合図を待つ。
俺の体感では、3時間を超える時間が、経過したような気がする。
迂回しても5km程度の距離、実際の時間はもっと短いはずだ。
ユミルとフリストは一旦、隠れ家へと戻り戦闘の準備させた。
もうすぐ、殺し合いが始まる。
そうだ、殺すんだ。
誰かの命を、俺が奪う。
前方にあるの敵陣地で、爆音が響く。
燃え上がった。
色々な場所が燃えている。
俺は奇麗だと思った。
そして安堵する。
自分の姿は、敵から見えづらくなっているはずだ。
明順応。
明るい方から、暗い場所は見ることが出来ない。
始まった。
殺し合いが、始まった。
中将のロングボウの4中隊が、発火魔法を付けた弓矢を放つ。
閃光爆音魔法を付けた弓矢も混じっていた。
唐突な爆音は敵の耳を奪う。
閃光を目にすれば、視力を奪う。
どちらも時間がたてば元に戻るが、戦闘では致命的な結果になる。
視覚と聴覚で、情報の9割を得ているためだ。
方向感覚を失い、正常な判断が出来なくなる。
その間にも次々と矢が放たれ、敵を殺していく。
時々、放たれる魔法が。
敵へと向かっていき、確実に命を奪った。
意識は中将の方へと集中し、俺の存在を隠す。
敵もすぐに行動に移った。
良く訓練されている。
上空へと光の魔法が放たれ、弓矢の軌道が確認できるようになる。
魔法の盾が空に展開されて、弓矢を弾く。
だがすべてを防げるわけではない。
敵陣地前方よりさらに奥の方に、光の線が数本現れた。
敵が閃光魔法を放ったのだ。
中将の兵士が一部、捕捉される。
捕捉箇所から横方向、垂直に光が放たれた。
そのまま前後へと光がさらに広がる。
光は面上に展開し、中将の部隊が闇夜に映し出された。
敵軍から弓矢と魔法が、中将の部隊へと放たれる。
始まったな。
七色迷探偵で、敵の数を確認する。
敵が減った。
出入口を回収して、魔術を行使する。
陣地へと侵入した。
周囲を確認するが近くに人間はいない。
出入口を張り付けた。
すぐに隠れ家に戻る。
全身プレートメイルで、はしゃぐ馬鹿がいた。
戦斧と大盾を持ち、背中に武器をいくつか背負っている。
直樹:
「お前。
フリストなのか?」
フリスト:
「ナオキちゃん。
始まった?」
直樹:
「あぁ。
始まったぞ」
フリスト:
「ちょっと。
行ってくるね!」
フリストが、一人で出入口から出ていった。
直樹:
「おい、待て!」
ユミル:
「ナオキ様、早く!
武装を!」
急いで防具を着せてもらう。
冒険の書で、映像を確認した。
出入口の安全を確認して外へと出る。
ユミルと2人で、外に看板の様な大きな盾を設置した。
フリストが単独、敵陣地で暴れている。
彼女の周りだけ、空白地帯ができていく。
突撃しては、なぎ倒す。
直樹:
「なんで……
あんなに動けるんだ?」
魔導書ドラクエ:
「あれか?
ナオキの加護を受けてるのと。
自分で魔術を追加してるんだろう」
直樹:
「馬鹿猫。
お前、なんでいる?
それに。
筋力強化の加護を与えた覚えはないが?」
魔導書ドラクエ:
「命の絆の力は、その程度のモノではない。
今、必要な力を彼女に与える。
それよりも。
兵を出さなくていいのか?」
直樹:
「出す!
冒険の書」
感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。
おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。
よろしくお願いします。
地図はランキング?の所に、リンクを貼ってあります。




