貰い火 嘆き・17
とりあえず、上のボタンを押してみた。
緑色のレーザー光が、虫眼鏡から発射される。
どうやら、これで選択できるようだ。
木箱に当たると、近くに情報が表示される。
ゲームのステータス画面みたいだが。
木箱と書いてあるだけだ。
直樹:
「ユミル。
木箱の近くに、何か見えるか?
情報が書いたヤツ」
ユミル:
「いいえ。
僕には見えません。
何かあるんですか?」
直樹:
「鑑定魔術の結果が見える。
ありがとう。
俺だけに見えるようだ」
剣や鎧も選択してみる。
次々と画面が表示されていく。
一度選択すれば、表示はされたままだ。
真ん中のボタンを押してみた。
表示されていた画面が解除される。
離れている下のボタンはなんだろ?
下のボタンを押すと押し込まれた。
声:
「ナオキ。
何か用か?」
直樹:
「キモチ悪い!」
ワトソン君が話し出したのだ。
直樹:
「お前。
魔導書ドラクエか?」
魔導書ドラクエ:
「そうだ。
今は、ワトソン君と呼んでくれ」
直樹:
「ワトソン君?
設定が細かいな……
武器と防具の相性というか、ダメージを知りたいんだが」
魔導書ドラクエ:
「それなら、武器と防具を選択。
その後。
ワトソン君に聞け!」
ソフトレザーと剣を、探して地面に並べる
選択後に、ワトソン君に「切られるとどうなる?」と聞いてみた。
魔導書ドラクエ:
「購入ポイントが2、必要です」
直樹:
「ポイントを取るのか?」
魔導書ドラクエ:
「初めて鑑定する商品だからな。
必要だ!」
直樹:
「この展開。
何処かで聞いたような。
魔導書ドラクエ、もしかして……
もしかして、なんだが。
この鑑定魔術。
俺が知らないことは、分からない。
とかいう、オチは無いよな?」
魔導書ドラクエ:
「鋭いな。
その通りだ」
直樹:
「オイ!
意味ないだろ!?」
魔導書ドラクエ:
「そんなことはない。
一度、認識すれば。
ナオキが、忘れても大丈夫だ。
<質問と回答>が冒険の書の内容だけに限定なのに対し。
七色迷探偵は、この世界が対象だ。
全てに答えることは、できないが。
どうする。
購入ポイント2、必要だ」
直樹:
「めんどくさい。
いちいち確認を取るな。
購入ポイントを使え」
魔導書ドラクエ:
「わかった。
ざっくり切れる。
簡単に突き刺さるぞ。
極まれに軽症で済むこともある。
無いよりは、遙かにましだ」
直樹:
「見たまんまだな……」
魔導書ドラクエ:
「回答は正しいが……
駄目か?」
会話で結果が聞けるのはありがたい。
情報が表記された画面は、何の役に立つんだろう?
倉庫にある武器と防具を地面に並べる。
冒険の書から、持っている防具も取り出した。
並べてある装備品を見ながら、ユミルに説明を受けた。
プレートアーマーとプレートメイルの違いが分からないので詳しく聞いた。
アーマーの方は、関節部分も金属板で作られる。
基本的にオーダーメイド。
プレートメイルは、兜、首当て、肩当て、胸当て、背当、籠手、脛当て、足甲。
といったパーツ単位の防具を組み合わせる。
その他の部分は、チェーンメイルで補う。
サイズも品質バラバラのことが多い。
この中では全身のプレートメイルにキルトを着けるのが良いらしい。
だが、自分では重さに耐えきれない。
暑いし、窒息しそうだ。
重さの軽減に魔術を使う方法もあるが。
短時間での使用が前提なので、役に立たなそうだ。
軽量化をはかる。
フリストも参加して、組み合わせを考えていく。
首当て、背当は外してもいいかもしれない。
チェーンメイルに、兜、肩当て、胸当て、籠手、腿甲。
背中側は外した。
武器との相性をワトソン君と会話しながら確認していく。
着けてみると、思ったより動ける。
直樹:
「あっはははは。
上手くできた。
コレ、いいじゃないか。
上出来だ」
フリスト:
「ナオキちゃん。
でも、コレ。
借りものだよね。
返すんでしょ?」
直樹:
「そうだよな。
今後のことを考えると。
あった方がいいよな。
ボロイ装備なら。
貰っても良いんじゃないか?」
隅の方に壊れた防具が、積んであったので漁った。
チェーンメイルの腕の部分だけが、いくつかあった。
使えそうな物を両腕を貰う。
壊れたリングメイルも貰う。
武器庫の外の兵士に相談したら、壊れた防具のも価値があるらしく。
20万で買い取る事にした。
フリストが時折、焼肉定食、チチバンド、ゲッツ、ごっつぁんです。
とか訳の分からないことを言っていたのが気にかかった。
隠れ家に戻る。
買い取った装備を渡して修復の指示を出した。
やっと1日が終わる。
朝早くから隠れ家に顔を出し、頼んだものを確認した。
キルトのベストに、チェーンメイルの腕が付いている。
チェーンメイルの腕の内側は、布で保護されていた。
キルトの背中とスカートの部分には、リングメイルが張り付いている。
これで7kgぐらいだと思う。
チェーンメイル15kgよりは遥かにましだ。
全身プレートメイルは、30kg近い。
45kgか?
兜2、肩当て2.5、胸当て5、籠手1、脛当て1、足甲3で14.5kg。
防具フル装備で、21.5kg。
武器を持てばさらに、重くなる。
俺は、動けるのだろうか?
午前中は物資の供給作業だ。
範囲取り込みを使用した物資の輸送はない。
魔術を使っておく。
絨毯から出入口を回収した。
午後からは、兵士たちの物資を隠れ家に輸送する作業だ。
戦闘に参加しない隷属者は、作業に参加する。
48番武器庫と首都で少将に用意された物資だ。
終わると夜に備えて陣地で眠りにつく。
夕方になると兵士に起こされる。
正直よく眠れなかったが、疲れは幾分かましになった。
中将に呼び出され、話し合いをする。
地図を渡され進行ルートを説明された。
敵陣地を迂回して背後に回り込むだけなのだが。
酷く緊張する。
ほとんど遮蔽物が無いのだ。
なだらかな下り。
鎧を着て行くと思っていたのだが。
音がするため、平服での移動らしい。
ソフトレザーと竹のベスト、キルトの重ね着なら問題ないようだ。
小さな盾も持っていく。
ユミルとフリストが詳細を聞いて、物資を受け取る。
俺は、移動ルートを頭に入れるだけで精一杯だ。
背後を取れなかった場合は、側面でもいいので陽動する事になる。
日が落ちて暗くなると、開始の時刻が近づく。
始める前に、魔導書ドラクエにどうしても聞きたいことがあった。
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