貰い火 嘆き・16
場所が分からなかったので、兵士を捕まえて案内してもらった。
武器庫で宝探し、と考えていたんだが。
直樹:
「さっぱり、わからん。
ユミル。
これは、どういう状態なんだ?
いいのか?
悪いのか?」
ユミル:
「軍としては一般的です。
品質としては、中の下ぐらいでしょうか」
木箱に雑然と積み込まれている。
武器と防具、武器は接近用と長距離に分かれていた。
武器は、剣と槍、クロスボウ、ロングボウ。
防具は、兜、籠手、肩当て、脛当て、胴鎧。
兜以外は、前面?だけのものが多い。
コレは、なんだろう?
ソフトレザーに金属の板がついているものがある。
黒いシミが付いているモノが多い。
血痕だろうか?
1番と17番に連絡を取る。
3人を呼び出して、数が沢山あるものを数種類。
何個か持って帰らせる。
戦闘がある事を伝えて、準備の指示をした。
使用できるかどうかを判断してもらおう。
いつもの作業へと戻る。
ユミルを、少将の所へ使いに出した。
中将は避難しても構わないと言っていたが。
今回は、中将たちに敵が集中する。
背後からの攻撃。
比較的、安全じゃないのか?
逃げても良い、とも言われている。
条件はいい。
戦闘は早いうちに経験しておくべきだろう。
速いか遅いか。
異世界人を探すのなら。
いつかは戦場へと行かなくてはならない。
防具、防具。
死にたくない……
作業を行いながらも、考え事をしていると。
魔導書ドラクエ:
「ナオキ。
戦いに出るのか?」
デブ猫が突如現れ、話しかけてきた。
直樹:
「あぁ、そうだ。
困っている」
魔導書ドラクエ:
「どうした?」
直樹:
「戦闘には出るが、死にたくはない。
どんな防具を使えば良いのか、分からないんだ」
魔導書ドラクエ:
「全身プレートアーマーは、どうだ?
熱中症や窒息で死ぬこともあるが」
直樹:
「攻撃を受けなくても、死ぬのか?
それは一番ダメじゃないのか?」
魔導書ドラクエ:
「でも、防御力は高くて安心だぞ。
訓練なしの素人では、置物同然だがな」
直樹:
「なんか無いかな。
軽くて、動けて、熱くなくて。
防御力がピカ一の装備」
魔導書ドラクエ:
「我侭だな、現実を見ろ!
鑑定魔術で、探せばあきらめもつくか?
本来は、技術と経験でカバーするべきだ」
直樹:
「お前、今。
鑑定魔術とか言ったか?」
魔導書ドラクエ:
「ん?
言ったが……何か?
そういえば、出来たぞ。
昨日!」
直樹:
「早く言え!
鑑定魔術は、どんな感じだ?」
魔導書ドラクエ:
「鑑定できる!」
直樹:
「いやいや、そうじゃない。
例えば、遠くの物を鑑定できるとか。
手に持たないと駄目だとか。
条件とか色々とあるだろ?」
魔導書ドラクエ:
「目に見える距離が、基本的な鑑定可能範囲だ。
指定すれば長距離も可能。
存在検知ができて超便利!」
直樹:
「存在検知って何?」
魔導書ドラクエ:
「例えば、欲しい威力のナイフがあったとする。
店で見ていても、気づかない事ってあるだろ?
範囲にあった場合、音と色で存在を教えてくれる。
超便利だろ?」
直樹:
「おお、魔導書ドラクエ!
さすがだな!」
魔導書ドラクエ:
「もちろんだ!
僕も頑張った!
ナオキが、自分好みの女性を探せるようにな。
時間も、購入ポイントも倍以上使ったからな!!」
直樹:
「は?
購入ポイントを、倍以上だと!」
魔導書ドラクエ:
「ナオキも喜んだろ?
たった今!」
直樹:
「もしかして。
回復魔術。
作れたんじゃないか?」
魔導書ドラクエ:
「いや、いや。
それは、さすがに無理だった。
ポイントが500足りなかったからな」
直樹:
「いやいや。
500ポイントぐらいあったぞ」
魔導書ドラクエ:
「ナオキ、怒るな!
便利な機能も付いている!」
直樹:
「あるなら。
言ってみろ!」
デブ猫の目が泳ぎだす。
右へ左へ。
しばらく沈黙が続き。
はっ!
と、何かに気が付いたように話し出した。
魔導書ドラクエ:
「使用ポイント以外に、購入ポイントも使えるぞ!」
直樹:
「それて便利なのか?」
魔導書ドラクエ:
「回復魔法に、必要な機能だ!!
例えば、1km先に回復が必要な人物がいたとする!
あぁ、なんという事だろう!
使用ポイントを使い切ってしまった。
そんな事もある。
あるよな!?
そこで、購入ポイント!
あら不思議!
4km先の要救護者の、およその距離と方角が判明!」
直樹:
「1km先を探すのに、4km先を発見か?」
魔導書ドラクエ:
「まぁ、それぐらい。
遠くの距離を探せるという事だ!」
直樹:
「他には、無いのか?
武器同士を比べたり。
武器と防具で比べたり」
魔導書ドラクエ:
「無論、できるぞ!!
アァハハハハハ!」
直樹:
「ありがとう」
とりあえず、感謝はしておく。
魔導書ドラクエ:
「じゃあな」
この後、ユミルも帰って来た。
作業も16時で終わる。
一緒に48番武器庫に向かった。
鑑定魔術を使うために冒険の書を開く。
ペラペラとめくり、新たな魔術を探した。
これか?
<七色迷探偵>
超特級魔術スキル 一括スキル
直樹:
「七色迷探偵」
呪文を詠唱すると。
右手には大きな虫眼鏡、左手には片手遣い人形、白いマントが現れる。
特に変な動きやポーズ、セリフはない。
なんだろう、これは?
虫眼鏡。
メガネの部分は空色で覗いても何も見えない。
ガラスではない。
カチ、カチ、カチ。
指で弾くと軽い音がする。
触るとツルツルとしていた。
プラスチック?
違うな。
木材を空色で塗った感じだ。
柄にはボタンのようなものが、3つ付いている。
□□ □な感じだ。
人形?
ハンドパペットか?
古典的な探偵風の男で、名札が付いていてワトソン君と書いてある。
直樹:
「これは……
どうなんだろう。
今の俺、不審人物じゃないか?
しかし。
どうやって使うんだ?」
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