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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第三章 異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う。
108/124

貰い火 嘆き・15

メグスラシル中将:

「ナオキ殿。

 追加の報告をお願いしたい」


全員の目は真剣で、人数は居るのに酷く静かだ。

緊張するな。

この緊迫感は何とかならないか。

頭が真っ白になる。


直樹:

「俺は。

 何を話せばいい?

 聞きたいことはあるか?」


メグスラシル中将:

「ナオキ殿。

 もう少し、肩の力を抜くと良い。

 大雑把でもいいんだ。

 君が賢人たちから聞いた話を、聞かせてほしい」


直樹:

「はぁ。

 そうだった。


 中将の陣地から、3kmほど先に敵の陣地がある。

 ここの連中と戦っていたんだろ?

 これが、5万人いた陣地らしい。

 お前たちの方が詳しいと思う。


 援軍5万人の援軍の話なんだが。

 当初から予定されていたものだったらしい。


 3km先の陣地では10万人の収容は無理。

 そこで今ある陣地から、20km近く先に陣地を敷く計画のようだ。

 中将の戦っている場所は、先発部隊用の仮設だったらしいぞ。

 仮設として作っていたら、敵が発見された。

 そこで急遽。

 兵の増員と陣地の作り直したとのことだ。


 今は、増援との合流。

 再編成が最重要命令になっているはずだ。

 陣地の設営、通路の警護などに、敵の兵士が駆り出される可能性が高い。

 何割かが20km先の陣地へと移動していると予想される。


 新たな地図がコレ。

 およその位置が書いてある」



メグスラシルはこぶしを握りしめ、顔が険しくなる。

周りの者たちも、改めて背筋を伸ばし、息を飲んだ。



メグスラシル中将:

「最悪だな。

 こちらの状況も伝えよう。


 おおよそ3日前。

 上層部から周囲を警戒するよう、命令が来ている。

 君の情報が、ノルナゲストを通して上層部へ伝わったのだろう。


 偵察を周囲に出したが。

 いくつかの部隊が帰還していない。

 既存の敵に殺されたのか。

 新たな増援なのか。

 判断が付かない状況だ。


 地図をしばらく貸してほしい。

 後でこちらから届けよう。

 あと次回の物資輸送の際、少将へ手紙を持って行ってくれ。


 敵のおおよその位置が分かるのなら、やり方はいくらでもある。

 今回の偵察では、有益な結果が得られるだろう。


 ナオキ殿。

 情報提供、感謝する」


直樹:

「中将、がんばれよ。

 皆もな!」



ユミルに丸投げすればよかった。

大した時間ではないのに、ひどく疲れる。

俺たちは仕事に戻った。

次の日、中将からは連絡だけ届く。

千人の兵士の交代は、一時中断するという連絡だ。


4日が経過する。

その間に軍医がやってきて、重体の兵士に案内された。

26人の兵士を取り込む。

兵士たちの動きが、活発になった気がするな。


俺たちが、いつものように作業していると。



兵士:

「ナオキ様。

 中将がお呼びです」



いつものように中将の居るテントへと案内されるが。

様子がおかしい。

異様な威圧感、兵士の数が今までよりも多かった。

出入口を地面に張り付ける。


直樹:

「ユミルは、このまま一緒に俺を守れ。

 フリスト。

 一度、隠れ家に戻ってフル装備で戻ってきてくれ」


フリストが転移した後、出入口を回収する。

テントの中に入ると。

10人の兵士、全員が剣を抜いていた。

軽装に見えるが、体を守る鎧は頑丈そうに見える。

剣の種類も短刀、剣も通常よりも短い気がした。

ここで振り回すためか……


こんなのを見せびらかして良いのか?

意図が俺にばれるだろ。

本気で殺るのなら、隠しておくはず。

外の様子も騒がしいな。

何かの警告か?



直樹:

”追加、超回復ラブリービューティー

 1時間、精神の鎮静化、呼吸を整えろ”


念話操作で魔術を行使する。

中将の前には、椅子が3つ。

真ん中の椅子に腰をかけると、足元に出入口を張り付ける。


ユミルは椅子を退かして、横に立った。

剣に手をかけて、腰を少し落とす。

いつでも対応できるように準備する。



メグスラシル中将:

「ナオキ殿。

 ご足労感謝する」


直樹:

「あぁ、でも兵士の様子は。

 感謝の感じではないが?」


メグスラシル中将:

「テントの周りにも200人ほど。

 兵士を待機させている」


直樹:

「200人?

 俺の4千人には、数が少ない気がするが?

 それに。

 俺はいつでも逃げられる。

 異世界人の力を過小評価しているのか?」


メグスラシル中将:

「自分の決意表明みたいなものだ」


直樹:

「わかった。

 話を始めてくれ」


メグスラシル中将:

「君にはどうしても、やってほしいことがある。


 まずは現状を説明しよう。

 我々は、君からもらった情報を精査した。


 1、隠蔽された敵拠点。

 我が軍の後方、2カ所を調査した。

 拠点と思われる周囲を巡回し、敵を数人を見つけた。

 その後、追跡するが見失う。

 見失う場所は、おおよそ君が印をつけた場所だ。

 我々の持つ装備、魔法では拠点を特定できない。

 

 2、敵陣地の確認。

 200人の兵士を探索に出したが、半分近くが帰ってこない。

 無事だった者たちの報告によれば、ここから18km先に陣地が作られていた。

 多くの兵が作業をしていた様だ。

 君からの情報通りだ。


 

 結論を伝える。

 援軍の話は事実だと考えて行動する。

 我々は、明日の夜。

 闇に紛れて前面の敵陣地、約3万を襲撃する。


 わが軍は正規兵約2万人、準兵士約1万人を動員。

 準兵士は練度も低く、士気も低い。

 正規兵に換算すれば5千人程度だ。

 2万5千人での戦闘と考えてもらえば、差し支えない。


 君への頼み事は。

 兵士3千人以上を敵の背後に展開し。

 連携して、敵を攻撃してほしい。


 我々には!

 後がない。

 時間もない。

 どんなことをしてでも。

 君には協力してもらう!」



大丈夫だ。

精神状態は問題ない。

魔術は機能しているようだ。


いつかは、こうなると思っていた。

異世界人は戦場にいる。

戦場にいない俺は、いつか駆り出される。



直樹:

「報酬はあるんだろ?

 条件は?」


メグスラシル中将:

「金を1000万だ」


直樹:

「そんな、はした金でやると思うか?」


メグスラシル中将:

「わからない。

 だから聞いている」



出入口から、フリストが突如現れる。

瞬時に周囲を見回し。

俺をかばうように立つと、剣を抜いた。

マジか!

脱出用に張り付けておいたんだが。



フリスト:

「大丈夫?

 殺していいの?」


直樹:

「駄目だ」


このタイミングで……

失敗だ。

待ってから一緒に来るべきだった。

フリストの不穏な言動を聞き、周りの兵が中将を庇う。

多少ピリピリした空気にはなるが。

中将が手を上げて、制止した。



メグスラシル中将:

「申し訳ない。

 こちらは、現段階では戦う意思はない。

 剣を引いてもらいたいな」


直樹:

「フリスト。

 横に来い。

 そこで俺を守れ。

 現在、交渉中だ」



フリストは椅子を蹴り飛ばす。

剣を抜いたまま、俺の脇に付いた。

向こうも剣を抜いているんだから、問題はないだろう。

馬鹿はやる気満々だな。

対照的に、ユミルの方は顔色が悪い。



直樹:

「協力の件だったな。

 はっきり、言おう。

 無理だ!」


メグスラシル中将:

「仕方がない……。

 君は。

 異世界人に会いたくはないか?」


直樹:

「会えるのか?」


メグスラシル中将:

「可能だ。

 自分が1人、管理している」


直樹:

「会うだけで、戦闘か?

 うーーーん。

 それは。

 無理と言うモノだろ?」


メグスラシル中将:

「くれてやるぞ!」


直樹:

「え!?

 俺に、くれるのか?」


メグスラシル中将:

「ああ。

 自分に協力すればな」


直樹:

「本当か?


 しかし……

 本人の意思は?」


メグスラシル中将:

「拷問をしてでも、君にやろう。

 必ず従わせる。

 必要であれば、骨の2・3本はへし折る。

 腕を切り飛ばしてでも従わせる。

 必ずだ。

 確約する。

 自分の命を賭けて、約束しよう」


直樹:

「異世界人がいるのなら……

 そいつを戦闘に参加させれば、いいんじゃないか?」


メグスラシル中将:

「無理だ。

 戦闘の役には、立ちそうにない」


直樹:

「うーん。

 どんな奴だ?」


メグスラシル中将:

「説明しづらい。

 君に、直接見てもらうべきだと思う。


 我々には今、戦える戦力が必要なんだ。

 君の持つ、我々の兵士の協力が!

 兵士を呼び出してくれれば。

 君自身は安全な場所へと避難してくれて構わない。


 詳しい事は後で伝えるが。

 我々がまず、敵と衝突する。

 その後、牽制してくれれば、敵も混乱するだろう。

 背後から攻撃してもらえれば、ありがたい」



異世界人を貰えるのはいいな。

簡単に貰えるところを見ると、あまり役には立たないのだろう。

何か情報を持っているといいんだが。

報酬としては十分か。

でも。

もう少しは、いけそうだ。



直樹:

「参加してもいいが。

 もう少し……

 欲しいな」



俺の方を見て、プルプルとしている奴がいる。

准将か……

足元を見ている俺のことが、腹立たしいのだろう。

こっちも命懸けだ。

この国を守りたいお前とは訳が違う。

俺は、この国とは無関係だ。



メグスラシル中将:

「何が欲しい?」


直樹:

「俺の言う事を聞いてほしい」


メグスラシル中将:

「何を聞けばいい?」


直樹:

「今は、まだない」


メグスラシル中将:

「どういう事だ?」


直樹:

「中将に命令というか、頼み事というか。

 そういう権利が欲しいな。

 どこかで役に立つだろ?」


メグスラシル中将:

「しかしな……

 軍規に違反はできないし。

 余分な金も出せないぞ」


直樹:

「協力できる範囲でいい」


メグスラシル中将:

「それは。

 内容によっては拒否できるのか?」


直樹:

「もちろんだ。

 話し合いで内容を決める」


メグスラシル中将:

「わかった。

 それでは頼みたい。

 メグスラシルの名において、約束しよう」


直樹:

「武器は、どうすればいい?」


メグスラシル中将:

「そうだな……

 48番、武器庫を使ってくれ。

 ノルナゲスト少将への手紙も持たせよう。

 そちらで調達してもかまわない」


直樹:

「じゃあ。

 よろしく頼む」


中将からは、48番武器庫を使用するための命令書。

少将への手紙を貰った。

1590万も受け取り、握手して別れる。


内訳は。

兵士の貸し出し90万。

食料の販売500万。

先ほどの戦闘協力への1000万だ。

中将はノルナゲストと違い、払いがいい。

乗り換えるか?


48番武器庫へ行き、中のものを確認しよう。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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