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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第一章 異世界転移したおっさんが、壊れた魔導書と旅に出る。
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壊れた異世界人 交渉・2

大きな両開きの扉がある。

木目も美しい。

この扉の向こうは、どうなっているのだろう?

まだ、黒い霧で満たされているのだろか?


行きたくない、行かなくてはならない。

ノブを掴んでは、また離す。

時間だけが無駄に過ぎていく。


ガチャリ。

内側からドアが空いた。



フリスト:

「ユミル、何してんの?

 早く入れ」



すぐに逃げ出そうとするが、彼女は早かった。

捕まると、ズルズルと引きずられる。



ユミル:

「この、馬鹿!

 離せ、離せよ!

 この馬鹿力が!」


フリスト:

「ほら、早くしろ」



異世界人のいるベッドのそばへと放り投げられた。

逃げ出そうとすると、声をかけられる。



異世界人:

「逃げるな!


 よかった。

 生きていたんだな……

 元気そうで何よりだ」


ユミル:

「……」


異世界人:

「どうした?

 こっちにに来ないのか?


 そこで構わない。

 フリスト、ユミルに椅子を」


ユミル:

「なぜ自分を……」


異世界人:

「ん。

 まぁな……


 一つは、お前が生きているかを知りたかった。

 もう一つは、お前がこの国の人間ではないと言ったからだ」


ユミル:

「自分の怪我を治したのは、あなたですか?」


異世界人:

「知らないぞ。

 俺はお前を助けるように指示を出したあと、寝てしまった。

 興奮してかなり疲れていたらしい」


ユミル:

「そうですか……

 では、一体誰が」


異世界人:

「それよりも。

 俺はお前のことが知りたい。

 すべてを話せ。


 どこで生まれたのか?

 どうしてこの国にいるのか?

 妹のこともだ」


ユミル:

「資料は届いてませんか?」


異世界人:

「資料なら読んでもらった。

 それとは別だ。

 お前の口から直接ききたい」



僕は話し始めた。

生まれ故郷のこと。

戦争によって、両親は死んだこと。

妹が大きな火傷を負ったこと。

何度も殺されかけたこと。

この国に助けられたこと。


異世界人は、ただ聞いていた。

相づちを打つわけでもなく、質問することもなく。



ユミル:

「……以上です」


異世界人:

「お前の妹は治るのか?

 あと何年生きられるんだ?」


この異世界人は一体、なにを言っている?

僕の妹に何の関係がある!


ユミル:

「わか……りません」


異世界人:

「お前は妹を助けたいと思わないのか?

 命を賭ける気はないか?」


ユミル:

「助けたいのは、当然だ!

 僕は、やっている。

 精一杯やっています!

 今だって、命がけでここに来ている!」



苛立て、睨みつけてしまう。



異世界人:

「今までの話じゃない。

 これからの話しだ」


ユミル:

「あなたは、何を言っているんだ!」


異世界人:

「そうか。

 では、質問を変えよう。


 もしお前が、こことは違う世界に来たら……

 どうする?

 何から手を付ける?」


ユミル:

「僕ですか……?


 まず……

 まずは、自分の世界との違いを調べます」


異世界人:

「では、どうやって調べる?

 どうすれば、効率よくできると思う?」


ユミル:

「現地の人間と接触して、情報を集めます」


異世界人:

「そのとおりだ。

 俺は異世界に来た人間で、お前は異世界の住人だ。

 そこのヤツだけでは、心細くてな……


 俺はここを出る。

 死ぬにせよ。

 家族を探すにしても、このままでは無理だ。

 ユミル、俺の仲間になれ」


ユミル:

「無理に決まってるでしょ!

 僕には妹がいる。

 離れる事はできない!」


異世界人:

「だからだ。

 俺がもらった資料によると、お前の妹の容態は変わっていない。

 むしろ悪化しているんじゃないか?」


ユミル:

「それと、あなたは関係ない!」


異世界人:

「妹を助ける方法を探したいとは思わないか?

 お前は今の環境で、それができるのか?」


ユミル:

「……」


異世界人:

「俺は異世界人だ。

 お前たちにとって……俺は貴重なんだろ?

 お前の妹の為に、口添えしてやろう」


ユミル:

「しかし……」


異世界人:

「異世界人には、不思議な力があるんだろ?

 もし俺に、助ける力があるなら、助けてやろう」


ユミル:

「あなたに、そんな力は無い!」


異世界人:

「だが、家族を探すうちに多くの異世界人に出会うだろう。

 お前の妹を助ける力を持つものに出会うはずだ。


 ユミル。

 お前は俺のために、毒と刃物を用意すると言ったな?

 それは、軍に対する裏切りではないのか?

 それが軍に伝わった時……


 お前の妹は無事でいられるのか?

 俺の不興をかったとき、それでも無事でいられるのか?

 お前は妹のために、どんな事でもするのだろ?


 ならわかるはずだ。

 俺は家族のために、何でもやる。

 お前の妹のハラワタを、引きずり出してでも俺は、家族を探しだす。

 俺が馬鹿だったんだ……

 馬鹿だったんだよ……

 他人を、頼ろうとしたことがな!!


 よく考えろ、ユミル。

 お前の妹の事を……

 人質をとっているのは、軍だけではない。


 ユミル。

 最後に一度だけ聞く。

 お前に拒否権は無い。

 ユミル、俺の仲間になれ」


ユミル:

「妹を……

 妹を助けて……ください」


異世界人:

「よろしく頼む。

 俺の名前は、直樹。

 天野直樹だ」

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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