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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第三章 異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う。
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貰い火 嘆き・13

俺たちは、首都へと物資を取りに行く。

受け渡しの物資を、確認するために来た少将に話しかける。

まとめてもらった話を相談するためだ。


当然、メグスラシル中将に話を持っていくべきだとは思う。

でも今は、目前の戦いの事だけで忙しいはずだ。

情報源は賢人と兵士たちの噂話。

本来であれば偵察などの手段で確認を取るべきなんだ。

確認手段も分からないし、時間もない。

俺の見当違いで迷惑をかけるのはまずいしな。

専門家の意見を聞くべきだろう。




直樹:

「少将。

 少し話をしたい」


ノルナゲスト:

「どうしたんだ?

 ナオキくん」


直樹:

「陸軍棟の私室があるだろ?

 そっちに行かないか?

 聞きたいことがある」


ノルナゲスト:

「うーん、今は忙しい。

 このままで聞こう」


直樹:

「そうか。

 聞きたいのは、現在の賢人との戦闘の事なんだ。

 俺は今、メグスラシル中将の所へ輸送しているだろ?

 陣地の背後に、隠蔽された敵拠点があるのは知っているか?

 殲滅される可能性がある。

 大丈夫か?


 あとスオラとかいう都市についても聞きたい。

 占領されているヤツだ。

 包囲作戦の進み具合はどうなんだ?

 崩壊する危険性がある。

 聞いた話では敵が50万人で、こちらが正規兵20万人……」



ヴゥッン ウーーーン!

少将が大きな声で、激しく咳ばらいを始めた



ノルナゲスト:

「ナオキくん。

 君は急に訳の分からない事を……

 ここは休むのに適当ではない。

 私の私室を貸そう。

 来てくれ!


 こっちだ!

 急げ!

 早く来い!」



ノルナゲストは鋭い目つきで兵士に目配せをした。

ものすごい勢いで走ってくる。

両脇を兵士にもたれると、ズルズルと引きずられた。

フリストとユミルが、呆れた顔で俺を見ている。



直樹:

「少将!

 何故か連行されているぞ?

 大事に扱ってくれ。

 お前がここで良いっていたじゃないか。

 話は何処でも構わないと思うぞ。

 俺も時間がない」



物資運搬用の荷車が目の前に止まる。

フリストが、バンバンと荷台を叩く。



ノルナゲスト:

「ナオキくん……

 本気で言ってるのか?

 違うよな?


 私を困らせないでくれ」


俺としては、手短に確認したかっただけなのだが。

少将の私室へと連行され、20分も待たされた。

ワラワラと25人も部屋に入ってくる。



ノルナゲスト:

「ナオキくん。

 待たせたね」


直樹:

「この部屋に、その人数は多くないか?

 部屋が狭いぞ。

 少将、お前。

 また俺を騙したのか?」


ノルナゲスト:

「なんの話だ?」


直樹:

「中将の陣地だ」


ノルナゲスト:

「中将の陣地?

 君が戦地を、見学したいと言ったのだろ?」


直樹:

「遺体を取りに行っていたのは、シエニの基地のはずだ。

 俺はその先に行きたいと言っただろ?

 中将の陣地は、キンックの近くだ。

 シエニの基地じゃない」


ノルナゲスト:

「死者を減らしたいのだろ?

 なら中将の陣地でも、いいはずだ。

 中将とキンックの補給線は、現在使えない。

 重傷者は迂回路を通って、シエニの基地へも行くはずだ。


 仲間を看取る軍医は、シエニの基地だけではない。

 総合的な判断では、中将の陣地が一番まずい状況だった。

 もっと死体が増えるぞ。

 君だって、見たんじゃないのか?

 あれを見捨てるのか?


 基地の先は、広域の戦場だ。

 無論、中将の陣地も含まれる。

 中将が撤退すれば、シエニの基地そのものが無くなっても不思議ではない。

 君のいう軍医だって殺されるだろう」


直樹:

「屁理屈だな」


ノルナゲスト:

「君は、まったく……

 そんなことより、先ほどの続きだ。

 賢人族との戦いについてだったな。

 話を聞こう」


直樹:

「敵は50万人で、こちらが20万人でいいのか?」


ノルナゲスト:

「その情報は間違っている。

 我が軍には、準兵士がいる」


直樹:

「敵は全部で50万人か?」


ノルナゲスト:

「いや、それは正確ではない。

 軍上層部の見積もりでは、30万人から50万人だ。

 準兵士は40万人以上が動員されている。

 我が軍の戦力は60万人を超えているはずだ」


直樹:

「少将は、敵を30万人と評価して行動すべきだと?」


ノルナゲスト:

「50万人と考え行動すべきかもしれないが。

 私の立場ではどうにもできない。

 権限がない。


 それよりも。

 隠蔽された敵拠点とはなんだ?」



ピラピラと地図を、振って見せる。


直樹:

「中将の拠点の周り。

 隠蔽された敵拠点は無いか?

 4カ所ある。

 報告は来ていないのか?

 この印のついた辺りだと思うんだが」


机の上に、広げて見せた。


ノルナゲスト:

「ナオキくん。

 この地図はどうした?

 かなり詳しい物に見える」


直樹:

「俺たちが作った」


ノルナゲスト:

「敵拠点とは、この印の事か?

 この情報は何処から?

 信憑性は?」


直樹:

「情報源は賢人族だ。

 わざわざ嘘をつくとは、思えないが。

 信憑性は、わからない。

 

 それを少将に確認しに来た。

 色々と情報は持っているんだろ?」


ノルナゲスト:

「賢人族が……なぜ?

 どうして君に、協力をする?」


直樹:

「命を助けた。

 お礼じゃないのか?

 俺は、異世界人だと言っておく」


ノルナゲスト:

「そうか。

 異世界人の力か……


 少し借りる」


ノルナゲストは真剣な表情で何度も確認する。

あー、とか。

クッソ、とか。

そうか、とか声を出し。

ブツブツと独り言を上げては悶えていた。

最終的には頭を抱え込む。


近くの者に地図を渡すと指示をした。

渡された人物が部屋の外へと出ていく。



ノルナゲスト:

「ナオキくん。

 地図は複製させてもらうよ。

 味方の陣地や前線の位置は、大雑把だが。

 大体こんな感じだ。


 問題は、敵勢力圏だ。

 スオラから海側へ勢力があるのは間違いないだろう。

 奴らはあの周辺で、物資の生産調達をしているはずだ。

 コレに関しては軍でも把握している。

 

 問題になるのは、キンック方面に広がっているヤツだ。

 もう一つの勢力圏は、本当にあるのか?

 この辺りは飛竜による偵察を何度も行っている。

 これほどの勢力圏ではなかったはずだが……」


直樹:

「しかし。

 賢人族は、そう言っていたが。

 偽の情報かな……?

 そうなると。

 隠蔽された拠点も違うのか?

 自身の兵士に、わざわざ欺瞞情報を流すものなのか?


 少将。

 俺の勘違いのようだ。

 すまないな。

 時間を取らせて」


ノルナゲスト:

「待ってくれ。

 違うんだよ。

 ナオキくん。

 あの地図の情報は、辻褄が合うんだよ」



カチャ。


扉が開いて、さっき出ていった人物が戻ってくる。

周りの連中に紙を配り、俺に地図を返してきた。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

地図はランキング?の所に、リンクを貼ってあります。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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