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魔力キャリア会社――携帯電話回線としての魔法、通信プランとしての魔力。

魔法というものを、まず定義しよう。


「指示した目標に対して再現性のある効果をもたらし、かつそれが観測者の科学水準によって説明されないもの」


このようにとることができる。

指示した目標に対して、というのは、たとえば「私が念じると宇宙のどこかに雷が落ちる魔法」などというものは検証不能であり(もしかしたら私も超常の力によって普段から雷を落としているのかもしれないが、少なくともそれが魔法と観測者が認識することができない)、もしくは「ブチ切れると校庭のどこかに雷が落ちる」にしたって、それは魔法といっていいものなのか――むしろ、校庭に雷が落ちるほどの気象条件においてイライラが溜まるからと考えたほうがよさそうだ。


そして、むろん私が銃を撃って、相手から血が出たのを魔法とは言わない。

しかし――ビームだったら?

ぎりぎり、アリか。

では、反物質が射出されたら?

うーん、アリ。

では、おぞましい名状しがたいエネルギーが…

それが魔法である。

アバダケ●ブラが中性子ビームだったら、もはやハリ●・ポッ●ーはスタ●ウォーズとそう変わらない。クィデ●ッチがスピーダーバイク競技になる。


では、である。

銃弾の場合、説明できないエネルギーなら魔法だ、となった。

では、私がメッセージをうったとき、メッセージが相手の画面に映る。

あたりまえだ。

私がメッセージをうったとき、フクロウが手紙を持ってくる。

これは――凄くフクロウの頭がいいだけ。

私がメッセージをうったとき、頭上からふらふらと手紙が落ちてくる。

――これは流石に魔法だ。

テレポート系は魔法になる素質がすごく高い。

光を!でも、焼き尽くせ!でもなんでもいいが、火の玉(高温のプラズマなんだろうな)があるところに出現したら、それは魔法としか言いようがない。

テレポートはどうも私たちの科学水準において、了解不能なようだ。


でも、携帯電話にメッセージが映るのは、魔法とは言わない。

では、だ。スマホから手紙を送れるようになったら?

送る、といっても、どこかに手紙をテレポートさせるシステムである。

スマホが見慣れた形なだけで、かなり魔法チックだ。


テレポートが了解不能なくせに、超空間ゲート、超時空ゲート、さらにはワームホールなんて言い出すとかなりそれっぽい。ええいなんでもいい。

とにかく、物質を瞬時に飛ばす通信回線があったとき、それはほとんど魔法としか言いようがなく、21世紀の我々には見えることだろう。(チャ●リーのチョコ工場になんとチョコのパケット通信⁉があるが、あれはまさにその境界にある。)


で、だ。

通信回線網を使いこなす私たちの生活が、もし物質テレポート回線網になったとき、それは魔術回線網とよんでも割と差し支えないだろう。

「魔術結社ソフトパンク」「魔力公社AU」「MTT(Magical Telegraph and Telephone)ドコゾ」

さて、魔力切れは魔法モノにあまりにもつきものだが、これは私たちも日常的に経験しているではないか。通信制限!

通信制限と通信速度は通信プランによって規定される――通信プラン=魔力量。


では課金すればいいのか?

それは魔力社会の様相にもよるが、物質転送ネットワークがあるほどの社会において、日々の行動が魔力会社に送信されていないほうが考えにくい。つまり、日々の善行や、魔力会社や社会への貢献度に応じて魔力量が決定される、と考えたほうがよさそうだ。


つまり、ゴミ拾いをすると魔力が溜まるので街がきれいになったりしているかもしれない。

かなり社会として成立しやすい。


さらにいえば、そうした社会に街が必要か?といわれると、あまりいらないかもしれない。

物質転送ネットワークがあればかなりのことが事足りてしまうし、必要なものだけあればいいのではなかろうか、などと。

端末については、ウェアラブルだったり血糖で駆動したり、網膜との連携があったり、実は寄生生物だったりするとさらに魔法にしか見えない。

魔法を使えるようになるためにかなりの制約や苦しみがあったほうがむしろそれっぽいし。


わりと汎用性がある。

古代遺跡にスターリングとか、MTTドコゾとか書いておくだけでいい。

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