事件7-7『発進!ゴレンカシオペアシップ!』
〈前回までのあらすじ〉
キングドラゴカイザーによってノア王国は滅亡の危機に瀕している。果たして、ゴールドファイブはこの王国を守れるのか。
拘束された旺成以外のみんなは、私とともにベランダから巨大なドラゴン型の兵器を観察する。
キングドラゴーカイザー、略してキングドラゴカイザーがあちらこちらに火球を吐いて攻撃する。近くを飛ぶ帆船に火球が着弾するたびにその帆船は落下し、次々と海に沈んでいく。
完全に誰も制御できない暴走状態。私たちの居るこの大陸船が沈むのも時間の問題だろう。
「そうだ! 次元の穴からキンピカオーを呼び出そう! キミならできるだろ?」
いつきはそういって、近くにいた暴人の肩を揺する。
「できるか! 俺のシルバーブレスについた装置はモグラヒドーダ用のやつより更に小型化されている。その分開けられる次元の穴も小さいんだ! あんな巨大ロボ呼び出せない!」
暴人が大きく舌打ちする。
「じゃあ、操るのはどうでござる?」
今度はいとしが提案する。すると、暴人はブレスのついた腕をドラゴンに向けた。
「無理だな……、こちらのコントロールを受け付けない。なんらかの妨害装置が仕込まれてやがる」
それを聞いて、めぐむがボソリと呟いた。
「役に立たないなぁ」
「んだと! てめぇ!」
嫌味にキレた暴人が、めぐむの胸ぐらを掴んでその怒りを露わにする。
「やめろ! 今は喧嘩してるときではないはずだ!」
りゅうま隊長が叱責したことで、みな一斉に落ち着いて黙った。暴人も胸ぐらを掴むのを止めて、きまりが悪そうに俯く。
そのときだった。
「あれ……鍵が……」
九さんの首にかかっていた鍵が突然光り出し、ふわふわと宙に浮かび出したのだ。
鍵は九さんの首にかかったまま、方角を指し示すかのように、王の間の外の階段の方へその先端を向ける。
鍵に通された糸がピンと張り、まるで九さんを引っ張っているかのようだ。
「何? どういうこと? 怖い……」
すあまちゃんが怯えて私の足にしがみつく。
「これは、国王から貰った鍵……、何か意味が……」
そういって九さんは鍵を不思議そうに見つめる。
「ねぇ、もしかして、どこかへ案内しようとしてるんじゃない? 鍵の指す方へ行ってみようよ」
私がそういうとみんなはコクリと頷いた。どのみちこの場にいたらいつ王城があのドラゴンに崩されるか分からない。
するといとしさんが外を指差して叫んだ。
「まずい、ドラゴカイザーが!」
見ると、外のドラゴンが大口をこちらに向けている。口の中ではゆっくりと巨大な火球が作られていく。おそらくこちらに発射するつもりだ。
「よし、だったら彼も避難させねばな……」
りゅうま隊長がそういうと、一人で素早く拘束された旺成の元へ駆け寄る。そして、その身体を担ぎ上げた。
「そんなクズを助けてどうするんですか?」
私が尋ねると、りゅうま隊長が力強く答えた。
「たとえどんな悪人でも、異世界の人間でも、同じ人間であるなら見捨てず、差別せず、助けることを諦めない。それが正義というものだ」
流石はりゅうま隊長だ。清らかで揺るぎない正義の心を持っている。私たちの隊長がこういう人で心から良かったと思う。
「さぁ早く行くぞ! ドラゴンの火球がどんどん大きくなっている。おそらく時間は無い!」
りゅうま隊長に促され、私たちは一目散に走り出した。
「あれ?」
私たちが王の間を出ようとすると、前を走っていたすあまちゃんが、近くに転がっていたギンガさんの遺体を見て足を止めた。
「何やってるの!? 止まってる時間ないよ!」
私も立ち止まってすあまちゃんに避難を促す。ここで止まってしまったら本当にドラゴンの炎の餌食になるか、ドラゴンの炎によって破壊された城の下敷きになってしまう。
「う、うん! すぐ行く! ……だから、先に行ってて!」
「で、でも……」
私が困っていると、階段下の方からいつきの声が聞こえた。
「あずきちゃん! どうしたの? 早く!」
「う、うん! 分かった!」
私はすあまちゃんの言葉を信じて、王の間を後にした。
◇ ◆ ◇
私たちは階段を降りていき、王城の地下へとやってきた。ここ自体が一つの船なのだから、そういう意味では地下という表現より、船内という表現の方が適切だろうか。
地下はまるで洞窟のように岩の壁で囲まれており、地面からはいくつかの光るキノコが生え、それがこの真っ暗な空間を照らしている。
私たちがここに到着してすぐ、地上で激しく何かが崩れる音がした。きっと王城に火球が直撃し崩壊したのだと思う。間一髪だった。
……すあまちゃんは無事だろうか。
「にしても親切な鍵だったね。僕らを案内するなら真下を指してもいいようなものを、ちゃんと階段の方向とか、廊下の方向とかを指して、道なりに進ませてくれたんだもん」
たしかにめぐむの言うとおり、私たちは鍵に導かれるようにここまで来たが、とても親切で一切迷うことはなかった。
「けっ、だが無駄だ! どうせこの大陸船はやがて沈む! キングドラゴカイザーによってな!!」
ゴールドワッパーによって拘束された旺成がそういってこちらを睨む。せっかくりゅうま隊長に助けてもらったのにお礼の一つも無いとは、本当にどうしようもない男だ。
「おーい! みんなー!」
私たちが話していると、後ろからすあまちゃんの声が聞こえた。遅れてちゃんとやってきたのだ。私は安堵して振り返る。
「すあまちゃん……心配し……、ってええ!?」
見るとすあまちゃんはホワイトに変身して、一人の遺体を担ぎ上げている。さんごさんに銃殺されたはずのギンガさんだ。
「なんでわざわざ……」
私がそういいかけると、ホワイトが小さく呟いた。
「あのね、さっき、ピクッてしたの! この人……まだ……生きてる!」
ギンガさんの身体が重かったのか、ホワイトは息が上がっている。
「分かりました。いったんそこに寝かせてください」
すあまちゃんは九さんの指示通り床に優しくギンガさんを寝かせた。
すると九さんはすぐに脈を測り、呼吸を確認する。
「たしかに生きてます! これなら止血して安静にしておけば回復するかもしれません!」
九さんはそういうと、自分の服の袖や裾をちぎって結び長い布にする。そして、ギンガさんが撃たれた場所にそれ巻きつけ縛って止血した。
この手際の速さ、流石は元国王のかかりつけ医である。
「でかしたぞ、ホワイト! よく気づいたな……! 俺一人では救えなかった命だ。本当に偉い」
りゅうま隊長がそういってホワイトの頭を撫でる。ホワイトは嬉しそうに「えへへ……」と声を漏らす。
「そんなこと言ってる場合かよ。早くなんとかしないと……、またか!」
暴人がそういった最中、ふたたび地面が激しく揺れた。おそらくまたドラゴンの吐いた火球が地上に直撃したのだ。早くしないとマズい。
すると、九さんの首にかかった鍵がふたたび光を放つ。
「これは……!」
すると、鍵がふわりと宙に浮いて、先端が奥の壁を指した。私はその鍵が指す方を見る。
「見て! あの壁、よく見たら鍵穴がある」
私は壁を指さして叫んだ。
壁の真ん中に鍵穴があり、差し込めるようになっている。私は確信した。この鍵はきっと私たちを、壁の向こうにある何かに案内しているに違いない。
私が壁を見ていると、後ろから誰かが私の肩をポンポンと叩いた。
私が振り返ると、真面目な顔をした九さんが、自分の首にかかった鍵を手に取り、それを外してこちらに手渡してきた。
「これを、その鍵穴に」
「でも、これは、あなたが国王から手渡された……」
私の返事も無視して、九さんは私の手を取ると、無理やりその鍵を握らせる。
「私は医者だ。重症の患者を放ってはおけません。それにあの竜を倒せるのは、きっと異世界から来た五人の勇者とその仲間のあなただけです」
私はその鍵を握りしめると小さく頷いて、鍵穴がある奥の壁に駆け寄った。
そして、鍵穴に鍵を差し込む。
「これは……!」
すると、岩がパックリと二つに割れてスライドしていき、その向こうに新たな部屋が現れた。
「船……、帆船……」
その部屋の中央には、見たこともない綺麗な見た目の帆船が不思議な力で浮かんでいた。赤、黄色、白、青、緑の五色に塗り分けらている。
船についた錨は地面に刺さり、プカプカ浮かぶ船と地上を繋げている。
「なんだあれ……」
旺成も驚いて声を上げる。どうやらこの世界の人も知らないものらしい。帆船の姿をよく見ようと、他のゴールドファイブのメンバー五人も私の背後に寄ってきた。
「船の中に船……、もうなんでもアリでござるな……」
「ボクにもサッパリ、この世界はどういう世界観なんだい?」
「大丈夫、ぼくも分かってないから」
「わー! おっきい船だー!」
「この船は……」
みんなが口々に反応を示す。すると、船から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「聞こえるか、次代の王となる者よ」
「国王!」
声を聞いた九さんが思わず声を上げた。
なんと船から聞こえたのは、死んだはずの国王、吾王蓮の声だったのだ。
「この船は先祖代々、我が王家に伝わってきた古代兵器。神話の時代、五人の勇者はこの船に乗って移動していたとされている」
私たちは思わず息を飲んだ。神話に伝わる船が、実際に今目の前にある。よくは分からないが、とてもすごいことなんだろう。
「我々が陸を捨てるとき、この船も捨てるつもりだったが、私が竹匡やギンガにも内緒でこっそり持ってきて、この船の中に隠したのだ」
「この船」がどの船を指しているのかすごく分かりづらくなっているが、つまりこの古代兵器の船を、この大陸船の地下に隠したということだろう。
もうちょっといい表現は無かったのか。
「この船、ゴレンカシオペアシップはいつか世界を救う切り札となる。次代の王となる者よ、どうかこの力を、来たるべきときのために……」
そうして、国王の声は聞こえなくなった。
「ま、さか……、国王が……」
とても掠れた声で誰かが呟く。
「ギンガさん! まだ安静にしていてください!」
九さんがそう叫ぶ。国王の声を聞いて、気を失っていたギンガさんが目を覚ましたようだ。
「俺は……、愛する人を……、守れなかった……」
「ギンガさん! 今は喋っちゃダメです!」
九さんが、必死に止めるがギンガさんはなおも続ける。
「俺からも……、頼む……、せめて……、この国を……」
りゅうま隊長はそれを聞いて力強く答えた。
「あぁ……、守ってみせるさ」
ゴールドファイブの五人は顔を見合わせる。
「待って! アイツは! アイツ野放しにしたら危険だよ!」
ホワイトはそういって暴人を指差す。
「大丈夫だよ、分かってる。ゴールドチェンジ!」
そういうといつきはブルーになり、ゴールドワッパーで暴人の身柄を拘束した。
「なんだよ、信用ねぇな……」
動けなくなった暴人はため息をついてボソリと呟いた。
「俺たちもいくぞ……ゴールドチェンジ!」
「「ゴールドチェンジ!!」」
こうしてゴールドファイブのメンバー全員が変身すると五人はゴレンカシオペアシップに乗り込んだ。
その際、レッドは拘束された旺成の身体を、ブルーは拘束された暴人の身体を背負って乗り込む。もし見てない隙に何かされたら大変だ。
念のために監視下において変な気を起こさせないようにしておくということらしい。
全員がゴレンカシオペアシップに乗り込んでしばらくすると、船の真上、天井がパックリと開いて空が見えた。
ゴレンカシオペアシップはゆっくりと浮上し、その開いた穴から洞窟を抜ける。地面に刺さっていた錨が抜け、砂煙が巻き起こる。
「こちらレッド、目の前にキングドラゴカイザーを確認。まもなく戦闘を開始する」
ブレスからの通信を受けた私はすぐに地上へと向かう。
「どこに行くんです?」
九さんが尋ねる。
「地上から戦いを観察して、弱点を探るんです。それも私の仕事ですから。九さんはギンガさんのそばにいてあげてください」
私はそういって、地下をあとにした。
◇ ◆ ◇
地上に出た私は、崩壊した王城の陰に隠れて上空を見上げる。
空の上では、既にゴレンカシオペアシップとキングドラゴカイザーの激しい戦闘が開始されていた。
キングドラゴカイザーは何度も火球を発射して周囲を無差別に攻撃する。
ゴレンカシオペアシップは空中を華麗に舞いながら、ヒラリヒラリとそれを躱す。
そして船についた大砲を発射し、キングドラゴカイザーめがけて攻撃する。
しかし、キングドラゴカイザーも負けじと空を舞ってそれを躱していく。
まさに一進一退の攻防だ。
「このままじゃ……、被害はどんどん広がる一方……、どうすれば……」
私は繰り広げられる空中戦を注意深く観察しながら、勝利の糸口を探す。
「そうだ!」
私はブレスの通信ボタンを押した。
「りゅうま隊長、やつは口から火球を吐いて攻撃します。つまり口を塞げばいいんです!」
「口を塞ぐ? どうすればいい?」
「錨です。船の錨を口にぶちこめば!」
「そうか! 分かった!」
レッドこと、りゅうま隊長からそう返事が聞こえると、ゴレンカシオペアシップはドラゴンの周りを猛スピードで回転し始めた。
遠心力で船にぶら下がっていた錨が、浮き上がっていく。
キングドラゴカイザーは首を三六〇度回転させ、ぐるぐる回るゴレンカシオペアシップから視線を逸らさずに口の中に大きな火球を作っていく。
先に攻撃を受けた方が負ける。ここで勝たなければ、このノア王国は滅んでしまうだろう。
「今です!」
私はブレスに向かって叫んだ。
ゴレンカシオペアシップが空中で急ブレーキをかけた。錨が遠心力で思いっきり引っ張られ、キングドラゴカイザーの口めがけて飛んでいく。
それに引っ張られゴレンカシオペアシップ自体も空中で大きく傾く。
錨がキングドラゴカイザーの口に直撃した。口の中に作られていた火球が暴発し、口自体が爆発の影響でグシャグシャに壊れる。
「やった!!」
攻撃手段を失ったキングドラゴカイザーは翼だけを動かして空中を飛び続ける。
「とどめだ! 行くぞ!」
りゅうま隊長の声が聞こえた。
すると、ゴレンカシオペアシップの外側に楕円形、つまりラグビーボール状のエネルギーの膜が張られる。そして、そのエネルギーの膜がドリルのように回転を始めた。
「「「「「超必殺!!!!! カシオペアハリケーンクラッシュ!!!!!」」」」」
ブレスからゴールドファイブ五人の叫び声が聞こえたかと思うと、ゴレンカシオペアシップがモノ凄い勢いでキングドラゴカイザーに向かって突っ込んでいった。
キングドラゴカイザーの身体はラグビーボール状のエネルギーの膜に貫かれ、そのまま空中で花火のように爆発した。
「やった……! 倒した!」
ゴレンカシオペアシップが空中で動きを止める。張られていたエネルギーの膜が消えると、りゅうま隊長の嬉しそうな声が聞こえた。
「やったぞ! 我々の勝利だ!」
◇ ◆ ◇
私たちは地下に戻ると九さんとギンガさんに勝利を報告した。
ギンガさんももうだいぶ回復したのか、身体を起こして剣を杖代わりにして立っている。
「というわけで、これを……」
私は九さんに借りた鍵を返す。九さんはそれを受け取ると握りしめて辛い表情をする。
「でも……、国王も側近も居なくなった今、この国はどうすれば……」
すると、横にいたギンガさんが九さんの肩に手をそっと置いた。
「お前が、この国を導けばいい。俺の愛する国王が、お前にその鍵を託した。それはきっと、お前ならこの国を良くしてくれると信じたからだ」
私もそれを聞いて頷く。
「九さん、あなたは私の小さなケガでも心配して手当てしてくれました。あなたのその優しさが、きっと王様にとって最も大事なモノ、王者の資格なんじゃないでしょうか」
ただ自分のために、他者から奪い取ることだけ、踏み躙ることだけを考えたって国は成立しない。人も、動物も、みんなで助け合い生きることで成立している。
国は、いや世界は、互いが互いを尊重し、ときに競い合い、ときに手を取り合い、未来へ繋いでいくものなのだ。
どんな命も大切に思う九さんの優しさがあれば、きっとこの国はもっと素晴らしい国へと生まれ変わるだろう。
どんな命も地球の未来なのだから。
「分かった! 私やってみます! ただの医者にできるか分からないけど、この国をきっといい国にしてみせます!」
九さんの力強い返事を聞いて、私も、ゴールドファイブのみんなも笑顔になった。これでこの国も安泰だ。
「おい、次元の扉を開いた。とっとと帰るぞ。こんな場所にいつまでも居られるか」
拘束から解放された暴人こと、シルバーキラーがそういって催促する。
「おい! 俺様も解放しろ! 俺様が世界を支配するんだ!!」
地下室の隅で拘束されたままの旺成が喚く。彼にはこの国の法に基づいた厳しい処罰が待っていることだろう。身勝手な理由で多くの命を奪った罪は重い。しっかり償って欲しいものだ。
私たちは九さんとギンガさんに別れを告げると、喚き立てる旺成を無視して、自分たちの世界へ帰っていった。
――余談だが、元の世界に戻ってきたタイミングで、ホワイトがシルバーキラーを倒そうと不意打ちをしかけたが、それはアッサリと躱されて逃げられてしまった。
シルバーキラーとゴールドファイブの対決はまだ続きそうだ。
◇ ◆ ◇
ノア王国との激闘が終わってから数週間、みんなが戦いで負ったケガもすっかり直って、元気になった頃のある日の昼下がり。
私とりゅうま隊長は、とある森に来ていた。太陽がキラキラと輝いて、吹き抜ける風がとても心地良い。
そして、私たちの前にはたくさんの親子の姿がある。親子たちはみんな小さなスコップと木の苗を持って、行儀よく並んで立っている。
その奥にはさらに大量の木の苗が入った籠が置かれている。
「それじゃあみんなー! りゅうま隊長の指示に従って、木を植えてみよーう!」
私がそう呼びかけると、子どもたちはお母さんやお父さんと一緒にスコップを使って木を植え始める。
りゅうま隊長は子どもたちに優しい声で木の植え方を教えていく。
みんなが木の植え方を理解すると、植え終わった子から次々と、自分たちで率先して奥にある籠から木の苗を手に取り、それをまた植えていく。
りゅうま隊長は私の隣でその光景を見て呟いた。
「お前の提案を聞いて正解だった。植林活動なんて我々のすることではないかと思ったが、こうしてみるとなかなか良いものだな」
りゅうま隊長がそういって微笑む。
「ただ敵を倒すだけが平和を守ることじゃありません。これだって立派な、未来を守る活動ですよ」
そのとき、どこからか心地の良い鳥のさえずりが聞こえた。私にはそれが、なんだか地球からの「ありがとう」に聞こえたのだった。
〈つづく〉




