第736話 ちょっと反省していた?
「……ケント、悪かった」
お昼ご飯を食べたあとに、またお風呂に入ろうとしたとき。
なかなか戻ってこないでいたエディが僕に謝罪をしてきたんだ。理由はさっきの覗き見だろうけど……リリアさんにお叱りでも受けたのか、右のほっぺが赤くなっていた。たしか、リリアさんって強いんだっけ?
エディはその場で土下座でもしようとするくらいの態度を見せてきたので、いくら友達でも国王様にさせてはいけないだろうと立たせた。
「まあ……反省しているなら、いいけど」
「……興味本位で覗き見した自覚はある」
「あるんだ」
「……だが、茶々入れしたのは悪かった」
「じゃ、もういいよ」
「おう。ありがと」
ある程度こっちも譲歩しないと、エディの場合いくらでも謝罪を続けるだろうからね? 僕もあのあと、キスの仕切り直しは出来たし満足はしている。……失敗したとかは、エディになら言えても恥ずかしさはなくならないけどね。
「エディもお風呂行く?」
「そうだな」
何度浸かっても温まるし、癒される温泉は最高だ。湯着だけは仕方ないけど、今回のメンバーの半分以上は女性もいるので素っ裸になるわけにはいかない。
エディと温泉に向かえば、既に利用している影がいくつか見えたので、誰だろうと見渡せば『シリウスの風』勢ぞろいだった。つまり、エリーもいたんだよね?
大事な話し合いかな?と、今回は近寄るのは遠慮してエディとゆっくり浸かることにした。
「明後日で終わりかぁ……」
「また来ようと思えばいつでも来れるさ。なんなら、エリーとだけで来てもいいようにしとくぞ?」
「それは……僕たちだけじゃもったいないよ」
「気にはしないが……んで? あのあと、出来たのか? キス」
「……出来たけど。最初は失敗してケガしちゃった」
「おいおい」
ポーションパンを使ったことも伝えれば、『初心者同士のせいか?』と苦笑いされてしまった。エディとリリアさんのときはどうだったかと聞けば……羽目を外さない程度にするのが大変なくらい熱々のものだったそう。
エディの性格上、積極的にしそうだから……ちょっと凄いと思いつつも、彼らしいと思いました、マル。
「そのあとは仕切り直ししたよ?」
「ならよし。エリーにもいい思い出が出来たんじゃね?」
「……外野が邪魔したのに」
「悪かったって!」
とは言え、今回こっきりの行為にしてはいけなくとも……海外の風習のように、挨拶のキスとかが簡単に出来るような性格じゃないしね、僕。エリーも似た感じだけど……ね?
「スマートにキスできるのって、エディ以外だとジェフさんとかかな? あれ? トラヴィスもしたって」
「レイザーは遠距離恋愛だけど、会うたびにしてるって聞いたことあるぜ? ラティストとルカも家じゃ積極的らしいぞ?」
「……僕とかだけ?」
「奥手が悪いわけじゃねぇが、親愛の表現としてはわかりやすいしな?」
「……ほっぺにちゅーが限界」
「……成人してんのに、可愛らしい挨拶だぞ?」
「そうだけど~……」
お酒も飲めるし、結婚しても問題ない年齢で異世界生活をして……多分、もうすぐ二十歳になる諏訪賢斗。まだまだ恋愛事情についてはレベルが底辺な模様です。
「そういや。ケントの誕生日ってだいたいいつだ?」
「へ?」
ちょっと年齢のことを考えていた矢先に聞かれたけど。こっちの暦だと、僕誕生日いつなんだろう?? エリーとエディの誕生日は覚えているけど……あとで、お師匠さんにでも聞かないとこっちの曜日感覚とか違うからわかんないぞぉ。




