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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第737話 儀式もうっかり忘れてた

「……誕生日のこともだが、ケント。君は『成人の儀』もしてなかったのでは?」

「……成人式、は向こうでもまだでしたしね」



 ちょうどお風呂に来てくれたお師匠さんを引っ張って、エディと三人で話し合うことにした。エディはこっちでいう5月だから、まだ数か月先。エリーは去年デートで祝ってあげたけど……僕はと言うとど忘れしていた。


 それと、こっちで成人式ぽいこともしていないので『一応成人している青年』扱いになっている。だから、仕事に必要な年齢制限とかも問題ないだろうと勝手に思っていたくらいだ。


 その『勝手さ』がいけないのはわかっていたが、もうひとつの『成人の儀』とやらもしてないのは少し体裁が悪いらしい。



「んじゃ。今晩の夕餉でやるか? ケントの成人の儀」

「大袈裟にするよりも、内々でやる方がいいでしょう。ケントの事情を知らないレイアとサーラはいるが……成人の儀くらいはきちんとしておくべきです」

「お師匠さん。成人式の参加有無とかのように、フランクなものじゃないんですか?」

「その通りだ。身分証明書にも深く関係する。……ロイズも、実年齢の方で身分証明書は発行しただろうが。ひとつの店を任せた人間が『未成年』状態であるのを見落としていたら、色々とやかく言われるだろう」

「……そんなにも?」

「儀式と言っても、簡単だぜ? 薄めた酒が入ったゴブレットを軽く舐めるくらいでいい。ケントは酒強いし、全部飲んでも問題ないだろ」

「……前に、お酒飲んだときは。ラティストにアルコール抜いてもらったんだ」

「……じゃあ。普通に飲めるかわからん?」

「うん」

「んじゃ。酒精はさらに軽めのを用意しねぇとな? 初心者向けに果実酒くらいか」

「是非、そうしていただきたい。自覚無しのアルコール依存症は恐ろしいですからな」

「りょーかい。んで? ケントの誕生日はいつくらいだ? そっちはまだ聞いてる途中だったし」



 たしかに、本題はそっちだったけど。僕の誕生日の日にちはこっちで言うと……。



「冬生まれだから、14日で。月が2月……えーっと、たしか『キサーギの月』?」

「おいおい!? 今月じゃねぇか!!?」

「しかも、ネタでいうようなバレンタイン生まれとは……」

「バレンタイン? なんだそれ?」

「異世界の風習のひとつですな。日頃の感謝を込め、菓子や花束などを贈り合う日です。私とケントの出身では意味合いが少し違いますが」

「ほーぉ? で、今日が11だから」

「帰省した翌日ですな」

「前祝いに今日やろうぜ、今日!! 成人の儀も合わせて!!」

「え? 誕生日パーティー??」

「おう! 身内だけだが、盛大に祝おう!!」



 と言って、お夕飯のメニューを変更しにいくのかで、エディはお風呂から出ていってしまった。ほかにも、僕の『成人式』についても用意とかしにいくために。



「……無理なこと、させてませんよね?」

「大丈夫だろう。むしろ、マブダチの祝い事には準備に携わることを喜んでいるかもしれない」

「そんな大事なこと?」

「スラムはともかく。市民くらいなら、身分証明書としてきちんとないとまずいからな? それを無視していた国王としての責任もいくらかあるだろう」

「……ロイズさんとも、そこ確認しとかなきゃいけなかったですね」

「一年近くもそのままで、誰も気づかないように君がうまく生活に溶け込んでいたからだ。誰が悪いとかはこの際無視でいいだろう」

「ですか……」



 とりあえず、今晩はご馳走プラス僕へのちょっと早い誕生日パーティーが決定したのだった。


次回は水曜日〜

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