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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第734話 痛かったです

 結局、エリーとのキスは……出来たは出来たんだけど。



「……大丈夫?」

「……ケントも大丈夫?」



 トラヴィスがエディを連れてってくれたあとだけど。少しだけ時間を置いてから……再チャレンジしてみたんだけどね?


 見事に初心者失敗で多かった、『歯をぶつける』結果になってお互いに口内炎を作るくらい痛いファーストキスになってしまったんです。


 あんまりにも痛すぎて、しばらく悶えていたんだけど。そこは、僕の特権ってことで軽傷で治るくらいのポーションパンを食べることにした。傷薬より痛くないから、すぐに効果が出るのがいいよね? ちなみに、食べたのはハーフサイズのフィッシュバーガー。最近、女性サイズが求められるようになってきたから、まだ試作段階だけど作っていますとも~。



「……なんか。恋愛って大変だね?」

「だね……。お互い、慎重になり過ぎ?」

「……もう一回、する?」

「へ?」



 この流れこそ!と大事にしながら……軽く唇の表面だけに注意しつつ。すると、小さなリップノイズが聞こえてきた。ああ、ふわふわでやわらかいの……ちゃんと出来ちゃった!!



「……出来ちゃったね」

「……可愛い顔して、ケントも男なのね?」

「……元から男だけど? あと、可愛いのはエリー」

「……そう?」

「そうなの」



 と、ここで彼氏っぽい行動をするなら……っと、ジェフさんの真似をしてみようと肩を掴んで軽く引き寄せてみた。ぽすっと、僕の薄い胸板にやわらかいエリーの体が当たる。ここの温泉の匂いがまだ残っているのか、軽い硫黄の匂いに混じって女の子特有の甘い匂いが……クセになりそう。


 とりあえず、急いで恋愛行動を起こすのは大変でしかない。あと、周りが調子に乗るからね。エディとかエディとか。



「……なんだかんだで、同い年って言っても。考え方とかは、ケントの方がずっと大人に見えるわ」



 エリーがこっちに力を預けてきたので、歩くよりは座ろうとその場に腰かけた。ここで抱きしめるのを忘れないようにしようと僕はあぐらをつくってスペースを用意してあげたよ。



「そうかな? 転生したからって、お師匠さんのように赤ちゃんからスタートじゃないし?」

「そのヴィンクスさんは、羽目外したら子どもみたいじゃない? 食いしん坊の気持ちはわからなくもないけど」

「はは。美味しいものに目がないからね? 出会い頭から、びっくりしたけど」

「物臭で有名だったのが、今じゃ奥さんもらうくらいに改心したし?」

「レイアさんのためなら……って、気持ちはわかるよ。僕もエリーに何かあったら嫌だし」

「ふふ。あたし、そろそろA級の試験受けようと思っているの」

「え? 難しいんじゃ」

「『シリウスの風』は永久保証じゃないし。またソロに戻ってもいいように、ランク昇格くらいは頑張りたいのよ」

「そっか。……僕は応援するよ」

「ありがとう」



 お互い、ハグをしているのが心地よくて……さっきのように、キスとかはしなかったけれど。誰も来なかったから、しばらくはたくさんおしゃべりをしようとお互いの知らないこととかをいっぱいいっぱい打ち明けることになった。


 さすがに、お昼ご飯くらいのタイミングになったらお腹が鳴ったけどね?

次回は水曜日〜

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