第727話 お風呂上がりのコーヒー牛乳
到着してすぐの入浴は、ちょっと早めに上がることになった。移動が長かったから、もうすぐ夕ご飯を食べるためらしい。
だったら、と僕は亜空間収納より取り出したのは!!
「自家製コーヒー牛乳です!!」
今回のメンバーだと、飲んだことない人もいるから改めて説明しなくちゃと思って。キャップはないけど、小振りな牛乳瓶に詰めた飲み物を見てはしゃぐメンバーとそうじゃないメンバーがいるからさ?
「これ! 美味いんだよな!!」
エディは前にも飲んだことがあるから、いっきに飲もうとしていたけれど。ここはまだリリアちゃんとかが初回なので、待ってもらった。
「コーヒーと牛乳に、砂糖をたっぷり入れた飲み物なんです。冷たくしてあるので、お風呂上りには最高に美味しく感じます」
「まあ、苦いのでしょうか?」
「甘苦い感じかな? 無理なら飲まなくても」
「いいえ。エリシオン様の好物を無碍には出来ません」
ということで、飲み始めることになった。いっきに煽る人もいれば、ひと口ずつくぴくぴと飲む人も。僕はちょっとくぃーっと傾けて多めに飲む。味見はしてきたが、冷え冷えで美味しいコーヒー牛乳の味がちゃんと出来ていた。
満足していると、リリアちゃんたちの方から『まあ』と声が上がった。
「ほんのり苦くて、けど甘い……口の中がすっきりする気も」
「私もよ。主人に教えてはもらっていたけれど」
「ふふ。ご主人はひと息に飲まれているわ」
「ぷはぁ~!!」
レイアさんはルカリアちゃんたちと結構打ち解けているみたい? 女性だと一番年上だから、ちょっと心配してたけど……馬車の中でたくさん話せて会話とか弾んだのかな。それならよかったよかった。
そして、お師匠さんは僕のところに来て『二本目』がほしいと駆け寄ってきた。
「……次のお風呂分までしかないですよ?」
「くっ……では、自分で作るしか」
「お師匠さんのも美味しいんですから、調合レシピを共有すればいいのでは?」
「む。陛下側に渡せば、ここにいる間いくらでも」
「太りますよ」
「温泉で発汗するのだから問題ない!!」
人間側じゃ一番年上なのに、なんで僕とかより年下みたいなはしゃぎ方をしているんだろう……。旅行だからって、もうちょっとこう……引率している保護者意識は持ってほしいなぁ。
いや、楽しんで悪いとか言いたいわけじゃないんだけどね??
「ははは!! たしかに、コーヒー牛乳は美味いからな? 在籍してる料理人にレシピを教えてくれないか? それなら、ここではいつでも飲める」
「……エディ、ありがと」
「俺も飲みたいから問題ない!!」
「素直だね!?」
お代わり分は一旦お預けにしたから、脱衣所にそれぞれ移動。着替えてからエディにはレシピを伝えたんだけど、材料がシンプルだからびっくりしてた。
「……これだけ?」
「味の調整を大事にする以外、そこまで難しくないしね?」
「ふーん。王都の温泉施設でも導入していいかもしれないな?」
「そんなに?」
「おう。火照った身体を落ち着かせるのに、少し甘いものも欲しくなるが大抵果実水だったしな? 試験的に取り入れていいかい?」
「僕はいいよ?」
ポーションじゃないし、そこは普通の飲み物だからね。
まさか、魔法蝶で王都に伝えたそのレシピが名物ドリンクになるとは、この時思いもしなかったけど……。
次回は月曜日〜




