表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/16

13話 追放

13話 追放

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……久しぶりね、フローラ」


 覚悟は決まりました。


 当初の目的はもう果たせそうにないですけれど、私もカローイ様もお父様もこの国を愛しよくしたいという一心で生きてきたのです。

 帝国に敗れ併合されるなど、王国という国がなくなるなんてこと許せるはずがありません。


「あれ? 怒っていないのね」


 ……


「そんな場合じゃないってだけです、別に許すつもりはないわ」


 そう私は別に魔女のことを許すつもりはないのです。

 私は全てを許せない、その上で魔女に協力すると決めたのですから。


 それにしても、なんでこの子はこんなことを平気な顔して言えるのでしょうね。

 昔からでしたけど。

 貴族の学校に庶民が入るってだけでも悪目立ちするのに、そんなんだから貴女は虐められたんですよ。


 でも、あれは素だったのですね。

 ちょっと驚きました。

 でも、偉い貴族と近づこうって思っているにしては明らかに言動があれでしたし、そもそも初めから演技をする気も必要も感じていなかったのかもしれません。

 常に演技続けるのは大変ですし、王族ですら洗脳できてしまう魔女ならあまりその必要性も感じないですし演技力とかコミュ力とか鍛える気もなく当然かもしれませんが。


「さすがマルシア、冷静なのね。なんでもお見通しってわけ?」


「何がさすがよ、私のことなんてなんとも思ってないくせに」


「なんとも思っていなかったら、わざわざこんなことしないよ?」


 フローラのナチュラル煽り、受ける側になると本当に腹立たしいですね。

 よく貴族の令嬢たちが地団駄を踏んでいましたけど、それも当然ですね。

 言葉遣いだけでも腹が立つのに、それを優位に立っている分野でやってくるので反論するだけ惨めになるのです。


 何が、さすがなのでしょう。

 貴方の手のひらの上で転がされ、今度は帝国の作戦に転がされ、

 良いように利用されてばかりじゃないですか。


 私は何も知らなかった。

 何でも分かった気になって行動していましたし、私のことです今もきっと色々と見落としてしまっているまま行動しているのでしょう。

 でも、私は自分の中では最善な行動を選択して来たつもりです。

 少なくともその努力はしてきました。

 努力はあまり報われてはくれなかったみたいですけど。


 でも、フローラがわざわざ私に会いにきたってことは、メーンベルトを利用して魔女を弱体化させよう作戦は報われたのでしょうか?

 結果的には王国を追い込んだって意味ですし、悪い方向で報われてしまったわけですが。


 いつでも洗脳できた相手を洗脳せずに放置して、結果敵に渡ってから会いにきたんですからその認識であってますよね?


「確認したんだけど、フローラは別に帝国の仲間ではないのよね」


「? ええ、もちろん」


 なぜそんなことを聞くのかって顔ですね。

 そんな顔できるほど潔癖ではないと思いますよ。

 少なくとも私はまだ帝国との繋がりを否定はできないと思ってます。

 もちろんその可能性は低いと感じているからフローラに協力しようと思っているんですけど。


 わざわざ会いにきたってことは、私に利用価値を感じているはずです。

 でないとわざわざ来ないでしょうし。

 私を洗脳しないのは、私をそのまま使いとたいのかそれとも洗脳したい相手が多くて魔力にそれほど余裕がないのか。

 私を利用したい彼女に抵抗すれば多少なりとも魔女の力を削ぐのは簡単でしょうけど、そんなこと思いついたところで特に意味なんてありませんね。

 いまは王国が圧倒的劣勢なのですから。

 魔女には少しでも力をのこして、帝国と戦ってほしいのですから。


「だとしたら、あなたに協力させてほしいの!」

「知っていると思うけど帝国が王国の支配に動いていて、今は水面下からの動きでも戦場でもかなり劣勢に立たされてしまっていると思うの」


 でも、魔女の力があれば……


「それは無理ね」


 どうして?


「なんで、フローラは帝国に王国が支配されては困る理由があるんじゃないの?」


 だって、そうじゃないとこれまでの行動に理屈が合わない!



 私が生かされていたことも、

 まだ王国が国として残っていることも、

 魔女が帝国側に回るのなら一瞬で片がつくことばかりなのですから。


「? そりゃもちろん困るけど、でもマルシアと協力はできない」


「……」


 信用できないってこと?

 利用価値がないってこと?


 やっぱり、あなたにとっての私はそうなのですね。


 とっても小さな存在。

 敵にするにしても、味方にするにしても、

 興味なしってわけですか。


 でも、ならどうして今あなたはここにいるの?


 私に利用価値なんて感じていなくて、

 私に執着なんて持っていなくて、

 とってもどうでも良い存在のためになぜわざわざ


「マルシアにはこのまま国外に出てもらう予定だから」


「どういう、こと?」


 国外に出す?

 私を?

 なんのために?


 私を国外に出す予定だから、協力なんて出来ないってこと?


 意味がわからない。


「ええ、気づいてなかった?」

「ここは船の中よ、もうすぐ港を出て数日かけて法国に向かう予定」


「え? メーンベルトの施設の中じゃないのですか……」


「敵の施設に長居する理由なんてないし、貴方を取り返したらあんなところにようはないもの」


 メーンベルトの施設に潜入して捉えられてた私を連れ出したってことですか。


 メーンベルトは私の体だけは必要なはずです。

 かなりの警備がついていたと思うのですが、さすがは魔女です。

 でも、


「なんで国外になんて」


「……」


「邪魔ってこと? 私の協力なんていらない、無能な味方ならいない方がマシってわけ?」


 私が味方になるメリットよりも、再び帝国側に利用されるデメリットの方が大きいという判断ですか。

 殺さないのは、殺されたらされたで象徴になっていまうかもしれないからですか。

 生きてる方が便利ですが、もし象徴になったら死んでる分厄介です。


 そういうことなのでしょう。


「……ええ、そうよ」


「えっ、ちょっと待ってくださいそれ」


 私がくいかかってきたのが面倒だったのでしょう。

 フローラの手には怪しい液体の入ったグラスが……


「大丈夫、ちょっと眠くなるだけだから」


 サクラに気絶させられてからずっと寝ていた私が、フローラから逃れるはずもなく……


「すでに手筈は整っているから、向こうに着くまでゆっくり寝ていなさい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あれが最後の別れでよかったのか?」


「もともと、前のパーティーが最後になる予定でしたから」

「あなたこそ……」


「僕にその資格はないよ。彼女を一番裏切ったのは僕だし、悪者を君に押し付けたのだから」


「……カローイ様」

感想、評価、なんでもいいので反応もらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 12話と内容が同じでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ