最終話 ~私達の行く末は~
「何故じゃ!! 何故じゃ何故じゃ何故じゃ!!! 何故全ての時空で上手くいかん!!!」
「ブランシェ」
私は彼女の家の扉を開けた。
「貴様ら……」
貴様『ら』。私、リーリア、そして星月さん、ちおちゃん、真央さん、一荷。
「五人が全ての記憶を持ち集まる世界線。これを待っていたよ」
リーリアは言う。
「愛の力か……」
ブランシェは憎らしそうに私達を睨み付ける。
「そうだね」
リーリアの言葉にブランシェは諦めたかの様に手を広げた。
「殺すなら殺せばいい。妾は死のうが、いつか、あの世もこの世も壊してやる」
私はブランシェに近づく。そして……。
「!」
優しく抱き締めた。
「何を……!」
驚くブランシェに私は言う。
「ブランシェ、あなたは私と同じ。世界に嫌われ、地獄を見て。だから何もかも滅ぼしたかった。でも……」
私はブランシェから離れる。
「誰よりも幸せになりたかった」
「妾は……妾は……」
「だから危険地帯を崩壊させなかった。世界に一人になって幸せになりたかったんだ。一人で冒険して、一人で美味しいご飯を食べて、一人で綺麗な物を見て、一人で心置き無く遊びたかった。でも、あなたは知ってた。隣で笑ってくれる人を求めてた。ずっと知ってたはず」
私はブランシェのベールを取った。
「あなたは……あなた達は魔女じゃない。どうしようもなく人間なんだ」
私はリーリアを見る。リーリアはコツコツとブランシェに近づく。
「ブランシェ……一人にさせてごめんなさい。私、ブランシェに世界は素敵だよって教えたかった。でも、言葉じゃどうしようもなくて、すれ違って、こんなに時間がかかっちゃった」
リーリアはブランシェを抱き締める。
「ずっと一緒だよ」
「リー……リア……」
ブランシェの目から涙が零れる。
「『私』は……ずっとリーリアと笑い合っていたかった」
「うん、もういこう」
リーリア達の体が塵になってゆく。私が取ったブランシェのベールも。
完全に消える、その前に、こう聞こえた。
『ありがとう。幸せになってね』
リーリア達は消えて、そして景色が変わる。どこかの森の中だ。
「これで世界から魔物は消えてめでたしめでたし、か?」
星月さんが言う。
「そうだね」
私は笑って答える。
「じゃあやる事は一つだな」
一荷が拳をパアン! ともう片方の手のひらに打つ。
「何かあったっけ?」
「季行争奪戦」
私が首をかしげていると、真央さんが槍を構える。
「ちょちょちょちょちょっと待って!!」
私は慌てて二人の間に入る。
「わからんでもない」
「星月さんまで!」
「あらあら、みんな余裕が無いのねえ~」
「ちおちゃん! それむしろ煽ってる!」
なんだかまた一波乱起きそうな気はするけど、魔女の呪いの行く末は、幸せになって終わった。




