~めでたしめでたし~
あれから、私達はほどよい街でカフェを開いた。
開業資金は星月さんのお金。店長兼ドリンクを作るのはちおちゃん。フードを作るのは真央さん。一荷と私が給仕をする。
争奪戦はどうなったかって? まあ、みんなで分かち合うという結論に収まった。殺し合い寸前までいったけど、私がそんな事するなら私が消える! と言ったらあわあわしてた。私は強かなのだ。
星月さんはいつもの様に店のカウンター席でコーヒーを飲んで店内の様子を見る。資金源と年齢からいって「働け」とは誰も言えない様子。
ちおちゃんの作るドリンクは皆に好評だ。特にミックスジュースは店の看板メニュー。
真央さんはカフェに似合うメニューを初めは作れなかったが、元々料理のポテンシャルはあるので、教えたら美味しい料理を作ってくれる様になった。味見係は私と一荷。一荷は味にうるさくて、度々喧嘩になりそうになるのを私が止めるまでが一連の流れ。
一荷は無愛想に給仕をするが、一部の客から「ツンデレ可愛い」等と言われるのが不満らしい。
私は今日もほどほどに忙しく給仕をする。店の評判も広がりお客さんも増えてきた。たまにお客さんに言い寄られるけど、その時は店員(と星月さん)総出で圧をかける。その人達は二度と店に訪れる事はなかった。
「季行、千織が呼んどる」
星月さんは私を手招く。
「あっ、休憩かな?」
「給仕は俺がやるからゆっくり休めよー」
「うん! 一荷ありがとう!」
私はスタッフルームに行く。そこにはちおちゃんと真央さんがいて。
「きゆちゃ~ん! まかないなんだけど、新作メニューの味見して~!」
ちおちゃんは拝む様に手を合わせる。
「いいよ! 楽しみ! 何々?」
「ありがと~! 最近手に入る様になったマンゴージュースと」
ちおちゃんの後に真央さんが言う。
「レアチーズケーキ」
「わ~! 美味しそ~!」
私はあの空間でのリーリアとの会話を思い出す。
『この国では四は死を表すみたいだな』
『違うよ』
『?』
『四は幸せの『し』だよ』
リーリアは目を丸くした後、微笑んだ。
『そうだな』
ねえ、リーリア、ブランシェ。私は……私達は今、とっても。
幸せだよ。




