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幕間:救護訓練襲撃事件の余波

第81話まで毎日一話ずつ更新します。

 王血館の敷地内で行われていた乙種部隊の救護訓練――。

 その最中に発生した“救護訓練襲撃事件”は、教師を含む十名もの死者を出す大惨事となった。


 この大胆かつ凶悪な攻撃は、乙種の生徒だけでなく、

 警護にあたっていた甲種部隊、さらには王家の威信そのものを揺るがす一撃となった。


 ここ数ヶ月、王国を覆う不穏は加速度的に広がっていた。


 ダイタ殺人事件。

 ミロ襲撃事件。

 魔女の使徒出現。


 そして――今回の大惨事。


 連鎖する異変は、もはや偶然とは呼べなかった。

 民衆の間では「もはや王都は呪われている」との噂が広がり、治安への不安は頂点に達した。


「ヒヨリを解放せよ!」


 街中で響き渡る声は一層勢いを増し、

 デモや抗議集会は日に日に規模を拡大していった。


 現場には多くの証拠が残されていた。

 それらは、犯行が綿密な計画によるものではなく、焦燥と混乱の中で強行されたことを示していた。


 つまり、犯人たちは“何かに追い立てられていた”のだ。


 王家は直ちに大規模な捜査を命じた。


 間もなくして、実行犯の多くが貴族崩れの無法者たちであることが判明する。

 だが、彼らは決して“誰の命令で動いたのか”を口にしなかった。

 唯一の生存者であるヒカルもまた、幾度となく事情聴取を受けることとなった。


 それでも首謀者の影は掴めない。

 王家の威信は揺らぎ、民衆の不安は拡大の一途をたどった。

 同様の悲劇が再び起こる可能性を誰も否定できず、

 王国は今――限界の縁に立たされていた。


 そんな折、王都を震撼させる新たな報せが届く。


 第二貴族、ゼーマン家当主ヴィルヘルムが――

 自らの領内にある本邸で、自害したというのだ。


 この非常事態を受け、王家は再び“御前会議”の開催を決定した。


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