50 邪悪妖精
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
なろう投稿する第2作目です。
いたずら好き妖精がエスカレートして、邪悪のことを行う快楽におぼれ魔族になった者がいた。
上級魔族序列第6位のノイだった。
内務大臣のアスタルトが、ノイに勇者の候補の弱点と作戦を教えていた。
「アスタルト様、良い作戦ですね。全く気がつきませんでした。直ちに取りかかります。」
「十分に注意してください。勇者の候補はあの方のことをよく御存知です。わずかのことから作戦が失敗になる恐れがあります。」
「大丈夫です。私は邪悪妖精と呼ばれているように、これまでも何万人もの人間を完全にだまして、ひどい目に合わせてやりました。」
ゴード王国の辺境デザートにはほとんど人が住んでいなかったが、辺境デザートをはさんで国境を接する他国との交易のために街道がつくられていた。
その街道沿いに点々とある物流拠点の町に雪が降り出した。
「おい雪だ。南部地方の辺境デザートにこんなことがあるか。」
「だんだん温度が下がってきたぞ、おーっ寒いな。」
「積もってきたぞ。なんか変だ。」
温度が最大限に下がった後、今度は氷のひょうが空から降ってきた。
それはこぶしほどの大きな物で、だんだん数が多くなってきた。
住民達の中には、それに当たって大けがをする者が多くなってきた。
この地域は国の直轄地域で、施政官からヘンリー国王に報告があった。
「陛下、辺境デザート周辺の異常気象は数日で終わると思っていましたが、もう2週間以上続いています。大雪が積もり全てを押しつぶし、それ以上に大変なのが空から落ちてくる大きなひょうです。周辺の町は極めて危険になりましたので、住民を北方に避難させています。」
「そうか。話を聞いていると、これは自然現象ではないな。何か魔術的な要素を感じる。」
「はい、そのことに関して有力な情報があります。今回の異常気象が始まり、数人の住民が避難する時、空の上に飛んでいる魔族を見たそうなんです。背が高くスラッとした女性のようで、完璧に美しい顔だったそうです。」
「完璧に美しい魔族……」
「はい、たぶん上級魔族でその後にたくさんの下級魔族を引き連れていたそうです。」
「上級魔族が出てきたとなると、勇者の候補である騎士ランスロに調査してもらうしかないだろう。すぐにトランスファー城に赴任しているランスロに命令を出すのだ。」
ランスロは、辺境デザート周辺を調査する王宮からの命令を、トランスファー城の司令官室でホークから受け取っていた。
「背が高くスラッとした女性のようで、完璧に美しい顔の魔族………………」
「まさかとは思うけれどザラさんではないよね。」
「辺境デザート周辺の町の建物は、壊滅的な被害を受けているそうです。人間界への攻撃をザラさんがするはずがありません。僕が確かめます。」
「それとランスロ、辺境デザートの砦に行かなければならないのだけど。」
「大丈夫です。『勇者になりたくない』と思ったのは、今では意味があった良い思い出です。」
「うん。それから砦についたら司令官のフランによろしくお伝えください。」
数日後、ランスルは辺境デザートの砦の前に立っていた。
砂嵐が吹きすさび気温も高く、異常気象の影響はそこにはなかった。
(周辺の町からそんなに離れていないのに、ここは普通の気象なんだ。)
年中、強い日光と風の影響を受けて砦は損傷が進んでいるが、全く修繕されていなかった。
修繕費の国家予算が全くつかないようだった。
砦の中には簡単に入ることができ、兵士や騎士は全くいなかった。
砦の司令官室を見つけ出し扉をノックした。
「どうぞ。」
彼は扉を開け一礼して中に入った。
「トランスファー城所属、騎士ランスロ、ただ今任務に着任しました。」
「ランスロ君か。遠いところお疲れ様、良く来たね。君の活躍はここにも伝わっているよ。もう上級魔族との戦いをしたそうだね。」、
「はい。運良く、上級魔族は魔界に帰ってくれました。」
「ところで、もう当地の状況はわかっていると思うが、この砦から馬を駆けてほんの少し南に下るだけで、回りの状況は一変してしまう。まるで、はるか北にある地のはて、氷雪の大地のようだ。」
「司令官、数人の住民が避難する時、空の上に飛んでいる魔族を見たそうですね。背が高くスラッとした女性のようで、完璧に美しい顔だったとか。」
「避難中だった住民達がうっとりしてしまって、その場で見とれてしまったくらいだそうだ。勇者の候補として手加減せず魔族を駆逐してくれ。」
「はい。司令官、今から異常気象が発生している地域に向かってよろしいでしょうか。」
「勇者の候補はがんばり屋だな。ところでランスロ君、少しぐらいはここで私と話しをして時間を使っても問題ないだろう。」
「わかりました。」
「トランスファー城のホーク司令官、かっての最強の騎士ホークと私は士官学校の同期なんだ。」
「あっ、ホーク司令官が『よろしくお伝えください』と。」
「そうですか。剣技はもちろん、戦術指揮など全ての科目は彼の方が成績が良くてね。僕はずっと負けていた。でも彼は僕を見下さず、大切な友人だと言ってくれたし、それは今に至るまでずっと続いている。ランスロ君にも士官学校で大切な友人が数人いたそうだね。」
「はい。幸せなことに友人達に囲まれた楽しい学校生活でした。」
「士官学校を卒業する時、最初の任地希望をこの砦にしてくれたそうだね。その後、トランスファー城に任地希望を変更したのだけど、私はホークからいろいろ事情を聞いている。悩んだ君はとても強くなっているはずだ。それを忘れないでほしい。」
「お言葉、心から感謝致します。」
お読みいただき心から感謝致します。
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