23 2年次生4(魔界のカマキリ)
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
なろう投稿する第2作目です。
丸太の杭の上で行う、最強の騎士ホークの訓練がしばらく続いた。
とても単調だったが、ランスロは真剣に取り組んだ。
そして、彼はだんだん心と体を完全に制御して、高い杭の上から全く落ちなくなった。
さらに次の段階では、たくさんの杭の上を、地面を歩くように自然に移動できるようになった。
2~3か月後には、杭の上を走っているかのように動くことができた。
その様子を見て、ホークは彼に大切なことを教えた。
「ランスロ君は自分の回りの空間を、超感覚的につかむことができるようになったね。戦士の意識は常に敵に集中しなければならない。だから戦場においては、回りの広い空間を無意識の超感覚に任せて確実につかむことができなければならない。」
「はい、マスター。わかりました。まだまだですが、僕の回りの狭い空間だけなら確実につかむことができるようになりました。」
「その年で、こんなに短い期間でそこまでになるとは、たいしたものだ。でも、国を守ろうする者は早く強くならなければならない。敵は戦士が成長するのを待ってくれないからね。特に魔族は人間界を常に見張っていて、少しでも隙があれば侵攻を開始する。」
「魔族はほんとうに人間界を見張っているのですか? 」
「そのとおりです。人間達が平和に慣れきって、強くなろうとする人々が少なくなった時、それは彼らにとって絶好のチャンスだ。人間の世界は魔族に、情け容赦なく蹂躙されるだろう。」
ある日の昼間のことだった。
士官学校の真上、太陽が最も高く昇っていた青空に黒い穴が開いた。
そしてそこから、恐るべき数の大群が湧きだした。
魔界のカマキリであるキラーマンティスだった。
士官学校のそばの大通りに止めた馬車の中でそれを眺めていたのは、ロスチャイルド家の執事であるアスタルトだった。
「キラーマンティスが人間の未来を占うだろう。士官学校の学生達が国を守りためにどれくらいの決意をもって戦うことができるのか、興味深く見ることにしましょう。」
キラーマンティスの大群は、士官学校の広い訓練場の上に滝のように落ちた。
大群は大きな黒い固まりになったが、それは次第に巨大になりつつあった。
その頃、士官学校の中では大きな騒ぎと混乱が起きていた。
校長室に急報が入った。
「校長、この学校の上に時空を連結する穴が作られ、魔界から虫の大群が侵入してきました。専門家の教授が鑑定したところ、魔界のカマキリであるキラーマンティスだそうです。」
「私もよく知っています。その鎌は良く切れるナイフのように鋭く、一撃で人間に深手を負わせることができる中級魔族です。極めて知能が高く、最初は自分達の体で城を作り守りの体勢を整えて様子を見ます。しかし、たいした敵がいないことがわかると広大な範囲に飛び拡散し餌を探します。」
「餌とは何を食べるのでしょうか。」
「動物全てです。もちろん、人間も入りますよ。この学校は多くの人々が暮らすアベロン市の中にあります。キラーマンティスが広大な範囲に飛び拡散すると、信じられないほどの犠牲者がでるでしょう。」
「既に戦闘や魔法担当の教授達が、キラーマンティスの大群の固まりを囲んでいます。しかし、それだけではとても足りません。上級生の学生も動員しましょうか。」
「はい、ただちにお願いしてください。ただし、甲冑をしっかり着込んで、キラーマンティスの鎌の攻撃に十分に備えるのですよ。」
学校から上級生の学生に通達が出され、キラーマンティスの駆除に加わるよう連絡があった。
ところが、約500人いる学生の中で甲冑を着込んで訓練場に出てきたのは、100人にも満たなかった。
既にキラーマンティスの大群を囲んでいた戦闘や魔法担当の教授達がなげいた。
「わずかこれだけなのか。」
「士官学校の学生なのに、勇気が無いんだ。」
「住民を守る指命を果たさないんだ。」
その後、さらに驚くべきことが起きた。
訓練場に出てきた上級生の学生が、こそこそと消え始めた。
キラーマンティス達は、自分達を囲んでいた人間の士気がほとんど上がらないことに気づいた。
そして、攻撃が開始された。
大きな固まりから、密集した固まりがすさまじい勢いで何個も打ち出された。
そして、彼らを囲んでいる人間達に襲いかかった。
戦闘や魔法担当の教授達は勇敢に戦ったが、キラーマンティスの大群の数に少しずつ押され、ナイフのように鋭い鎌に切られ深手を負い倒れる者が多くなった。
そして、組織的に有効な戦いが不可能になってしまった。
キラーマンティスの大群は自分達が初戦に勝利したことを認識し、再び大きな固まりに戻り、広大な範囲に飛び拡散するため上昇し始めた。
アベロン市に、最大の危機が訪れようとしていた。
その時だった。
光のように早くキラーマンティスの大群のそばまで走り、前進した学生がいた。
ランスロだった。
走りながらランスロは詠唱していた。
彼は、自分の覇気を限界に高めていた。
そして、木剣を振った。
強い神聖の力が形になった覇気が、キラーマンティスの大群を燃やし尽くそうとしていた。
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