24 2年次生5(魔界のカマキリ)
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
なろう投稿する第2作目です。
ランスロの覇気を受けて、魔界のカマキリ、キラーマンティスはほとんど燃やされた。
そして、残っているのは数百匹だった。
わずかに残った彼らは、ランスロを一斉に見て、自分達の仲間のほとんどを消滅させた人間が1人だけであることに気がついた。
そして、1人の人間に多くの仲間が殺されたことに彼らは驚いた。
さらに怒って、最後の反撃を決意した。
訓練場に1人立っているランスロの回りを、キラーマンティスは囲んだ。
「取り囲まれてしまった。360度から攻撃が来る。」
ランスロはそう言うと、心の中で戦い方を決めた。
(10度ずつ相手にしよう――)
やがて、周囲のキラーマンティスが一斉に襲いかかってきた。
彼は10度から来るキラーマンティスを、自分の正面にして意識的に木剣を振り、その他の回りの広い空間を無意識の超感覚に任せて確実につかみ、体を動かして逃げ切った。
それぞれ10度ごとの戦いを100分の1秒の間に済まして、全てのキラーマンティスを切断した。
それは36回続き、最後には飛んでいるキラーマンティスは無くなり、地面の上は切断された多くの死骸が転がっていた。
「よかった! アベロン市の広大な範囲にキラーマンティスが拡散して、多くの住民に被害が出ることを防ぐことができた! 」
ランスロがキラーマンティスを全て退治したことを確認して、士官学校の校舎から救護担当の多くの職員が飛び出し、戦いで多くの切り傷を受けて倒れている教授達を治癒魔法で治療した。
「ありがとう。ランスロ君、君のおかげで最悪の事態を回避できた。」
校長のロダンが彼に近づいてきた。
「無我夢中でしたが、マスターの指導で戦い方は学んでわかっていました。」
「マスターとは? 」
「ホーク様のことです。」
「彼の弟子ということですね。」
「はい。これからもっともっとマスターから吸収しようと思います。」
「は――――――っ」
校長はとても深いため息をついた。
「校長先生、何か心配事があるのでしょうか。」
ランスロがたずねた。
「君達より年長者である上級生のことだ。今日は戦いに出てもらおうとしたが、500人のうち訓練場に出て来たのがわずか100人。そして、その100人も戦いの場に立ってすぐに恐怖を感じて逃げ出してしまった。結局、最後まで戦った人はいなかった。」
「校長先生、心配されることはありません。マスターが言っていました。『勇気の炎はすぐに燃えさかるものではない。毎日少しずつ少しずつ努力して、大切な時に勢いよく燃やすことができるようにするしかない。』」
「そうですか。ホークは良いことを言いますね。」
ロスチャイルド家では、父親のゲールとザラがお茶を飲んでいた。
その前の空間には特別な魔術で映像が映し出されていた。
執事のアスタロトがお菓子を持ってきた。
「旦那様、お嬢様、ご覧になりましたか。今見られたことが、今日の昼間、士官学校で起こったすべてです。予想どおり、ランスロ様がキラーマンティスを全て殲滅させました。」
「うん。私にとっては予想をはるかに超えた。ランスロ君は既に恐るべき実力を開花させている。相当な教師が指導しているに違いない。」
今日は休みをとって学校を休んでいたザラが言った。
「最強の騎士ホークがランスロに教えているぞ。」
「なるほど――ランスロ君がいったいどれくらいまで上り詰めるのか楽しみだ。反対に彼の上級生達はひどいな。士官学校を卒業して騎士になっても何の役にもたたないだろう。王族や貴族の出身者は全くだめだな。国や国民を守る義務感を全くもっていない。」
「だんな様、ランスロ様をどうしましょうか。これから成長していくに連れてもっともっと強くなるはずです。私には、あの方は最強の勇者になるという確信さえ感じられてきました。」
「アスタルトよ。彼は最強にはなるが、真の意味での最強になることはできないのだ。おまえが前に言っていたとおり、彼には最も大切なものをつかむチャンスが全く無いように感じられる。それに比べて我が娘ザラには、我が妻であり最高位の魔女である母親のサバトがいる。」
ロスチルド家の広大な邸宅の地下をはるかに下った所に、魔女の工房があった。
それは、最高位の魔女サバトの工房だった。
魔女は特殊な金属にさまざまな魔法をかけて、何かを作っていた。
「ふふふ――我が愛する夫、そして私達夫婦の命より大切な娘のために最高の宝物が少しずつできているわ。まあ、後10年くらいかかるかしら。でも、確実にできているのはわかっているのよ! 」
キラーマンティスの大群の襲撃があった後、数日間が過ぎた。
戦いの中でほとんどの教授が傷ついたが、不幸中の幸いで命を落した人はいなかった。
教授達は治癒魔法で回復に向かっているとはいえ、大事をとって休講が続いていた。
校庭の片隅でランスロは木剣を振っていると、話しかけてきた学生がいた。
「ランスロさん。練習中に話しかけていいですか。」
「コンラート君、かまいませんよ。今、調度切りが良いので休もうとしていたところです。」
2人は近くのベンチに腰かけた。
コンラートが木剣をじーっと見た。
「ランスロさんの木剣のことです。」
「これですか、入学試験の剣術大会の前にマスターからいただいたものです。しかし、この間の戦いでだいぶ負荷をかけたのでひどく痛んでしまいました。」
コンラートは、決意を込めた顔で言った。
「士官学校の学生は、真剣を持ち歩いても良いとされいます。それなのにランスロさんは木剣を持ち歩いていていますね。最強の騎士ホーク様からいただいた物ですから当然だと思いますが――僕にあなたの真剣を打たせてください! 」
「ゴード王国最高の鍛冶屋、ゾイゼンの一族にお願いできれば大変うれしいです。コンラート君、是非お願いします。」
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