オーラス0本場:死出への旅路
「……白夜様、ルールを確認致しましょう。採用するルールは公式麻雀ルールのFルールでよろしいですね」
「よろしくねぇよ。Aルールでしか受けない」
一転して不気味なほど冷静になった一色字美。
その提案は「Fルール」での対局。
要するに何でもありのルール。
通常の麻雀では採用されない「東北自動車道」や「百万石」、「金門橋」と言った手役の採用。
果てはイカサマさえも認められる。
裏社会では当然のように採用されているルールである。
「Aルール? 白夜様、嘗めていらっしゃるのですか? 裏社会の人間はFルール以外は無能ですよ?」
「……俺はもう、裏社会の人間ではない。お前が、お前たちが舞を殺したあの日以来、俺は足を洗った。そもそも、俺にこの戦いを受ける理由なんてない。受けてやっただけでもありがたいと思え」
対して白夜が提案したのはAルール。
ごく一般的な書店で買える麻雀入門書に掲載されている手役のみを認める。当然イカサマは認められない。
言ってみれば「普通の麻雀」のルールである。
「それに良いのか? お前、俺が早和了得意なのは知ってるだろ? 『十二落抬』にお前は何度泣かされた?」
強者が行う煽りは覿面に効く。
……通常であれば。
「白夜様。残念ですが、Aルールでは白夜様に万の一つも勝ち目はありませんよ。 ……それに、白夜様。あなた清美さんに似てきましたね。その他人を舐めてかかる様子、そっくりですよ」
強者が行う煽りは覿面に効く。
そして、他人を煽るときは一番言われていやなことを言うのが良い。
「……字美、お前は地獄に落とす」
「あはは、白夜クンごときが私に勝てると思ってるの? 舞ごときに一度も勝てなかったキミが」
「……舞の名前を気安く呼ぶな」
ただし、怒りによって目が曇らない人間には逆効果になることも多い。
故に白夜は……。
「……わかった。しゃーないからFルールで受けてやる。中原、お前できるな?」
「……わかりました。Fルールですね」
「あはは、じゃあ、始めましょうか……。殺し合いを」
そして、戦いは始まった。
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