東2局6本場:白崎
艦これのイベントやってて止まってました。
おかげさまで、今回の新艦は全員揃いました。
「へー、キミが茂索社長が見つけてきたっていうネト麻最強雀士『和了超特急』クンか~」
「すみません、白崎先輩。その名前ダサくて嫌いなんで、もう一個のあだ名の『白夜』にしてもらえませんか?」
俺はもともと麻雀が好きなだけの大学生だった。
高校の情報科教員を目指して入学した大学。
その時に先輩から麻雀を教えてもらってドはまり。
当時は未成年者が雀荘に入ることはできなかったので、ネット麻雀ばかりやっていた。
「決して沈まない麻雀を打つから、気象現象の白夜になぞらえてそう呼ばれてるんだっけ?」
「そうです。そっちの方が格好いいから気に入ってるんですよ」
「舐めんな」
女性に、いや、人にビンタをされたのはこの時が初めてだった。
「何するんですかっ!!」
「格好いいとか格好悪いとかじゃないでしょっ! ネト麻最強決定戦決勝でのあの鮮やかな和了りを見せられて、魅せられない雀士はいないんだから自信を持ちなさい。ちなみに私が振り込んだんだけどねっ! 今のでその時のイライラをチャラにしてあげるから!!」
「理不尽じゃないですか」
「知らないの? 人間って理不尽の塊なんだよ? 和了超特急クンも分かるでしょ。両面待ち8枚が地獄単騎に和了られる理不尽さ。人生なんて理不尽なモノなんだよ!」
絶対、この人とは反りが合わない。
この時はそう思った。だけど、シゲさんが経営している麻雀の代打ち会社で最強だった白崎舞と、その舞にたった一度だけ土をつけた俺はよくコンビで対局に出された。
そして、麻雀の対局という濃密なコミュニケーションを繰り返していくうちにお互いにひかれあっていった。そして、男女の関係になるまでに時間はかからなかった。
「で、どうする? 軍星? 今、西の一色とかいうのが揉めてるみたいだけど?」
「どうするもこうするもないですよ。俺は依頼が来たら闘うだけです。俺と、舞。それと、これから生まれてくるだろう、俺たちの子どものためにも」
「いやん、軍星ったら気が早いんだから~。そういえば、軍星の名前って『軍星』って読んだら『北斗七星』のことを指すんだってね。で、春のほうが見やすいらしいからさ、今度春が来たら桜見に行って、そのまま北斗七星を見に行かない?」
こういう馬鹿なことを言い合えるような。恋人ではある。だけど、どこか悪友のようなそんな気軽さ。
一緒に居て楽しいし、気の置けない関係。この関係がずっと続いていくと信じていた。
……その時までは。
(点数は俺たち「東側代表」が圧倒的に勝っていて、たとえダブル役満が出ても「西側代表」は勝てない。意外と楽な仕事だったな。まぁ、『勝負は下駄を履くまでわからない』って言うから、決着つくまで気は抜かないけどな)
この国では、戦争が終わった後に持ち込まれた競技である「麻雀」。そのルールが各地で微妙に異なっている。そのままでもいいような気はするが、全国で統一したルールをつくろうという機運が高まった。
そして、シゲさんをはじめとした麻雀の世界で有名な人間たちが集まって会議を行った。
あと少しでルールが円満に統一できる。そのタイミングで、一色たちがすべてをひっくり返そうとした。
わざわざシゲさんの元から離れて、西側の代表として出てきて舞と一緒に驚いたものだった。
何度か一緒に仕事をしたことがあるから、その異常さは知ってはいたがそんな異常行動に出る理由は分からない。でも、特に何もしかけてくる様子が無い。それがかえって不気味ではあるんだが。
「字美姉さん。どうしますか?」
「清美さん。やりなさい」
「字美姉さん。わかりました」
一色たちは元来口が上手い。
それに言いくるめられる形で、特定の点数以上の失点をした場合にはロシアンルーレットをすることになってしまった。
まぁ、勝てばいいし1/6の確率なんてそうそう出るものではない。
そう気楽に考えていた。
それが間違いだった……。
「ロン。清一色のみ。食い下がりで満貫」
順位が一切変動しない和了。
ただただ、ロシアンルーレットをさせるためだけの和了。
「おい、今の和了りに何の意味も無いだろ。わざわざ『負けるための和了』をなんでしたっ!!」
「白夜。やめなさい。麻雀は理不尽なモノ。ある意味で人生よりも理不尽。でも、ここで私が1回引き金をひけば終わり。それでいいじゃない」
そして、弾丸は発射された。
「……はっ? ……えっ? ……なんで? ……発射? ……約16%だろ? ……なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!? あ゛っぁぁぁぁぁぁっぁぁぁあっぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
発狂しそうになる俺。
その耳に届いた声が俺を辛うじて「正気」という名の「狂気」に踏みとどまらせる。
「あはははははははははははははは! 邪魔な白崎センパイが死んだ死んだ死んだー!!」
その一色清美の声が俺の心を怒りと絶望に染め上げる。
「……六道さん。ルールに従っている以上、私たちに何らおかしなところはありません。和了れるから和了っただけです。それに対して、異議を唱えられるのは心外です。ここまでのすべての戦いを侮辱する行為です。わかっていただけますか?」
その一色字美の声が俺の心を虚無と諦観に塗り潰す。
「あぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
□■□■
「……まぁ、そんな感じで舞は死んだ。後でシゲさんに調べてもらったんだけど、銃がすり替えられていたらしい。そのせいで、絶対に弾丸が出るようになっていた。つまり、あいつらは舞を殺すためだけに、あんな意味のない和了りをしたんだっ!! ただただ、そのためだけにっ!!」
俺はマージャン卓のヘリに思いっきり拳を叩きつける。
「……あの時、俺は一色清美からロンできたんだ。でも、順位が一切変わらないからスルーした。それが間違えだった。ダサくて嫌だった和了超特急の名前の通り和了ってればっていう後悔しかない」
体が後ろから抱きすくめられる。
中原に後ろから抱きしめられる。
俺は、泣いた。
舞、見ていてくれ。俺はお前を助けられなかった。
だから、今いるこの娘くらいは守って見せる。
今回新艦だと、宗谷ちゃんが好みです。
……ちょっとまて、迅鯨。はなしあ




