表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの妻  作者: M38
第2章
22/25

第21話

「アレックス! シェリー!」

「ルイ! ルイじゃないか!」

「ルイ……!」


 翌日、思いがけずルイがやってきた。レイラ同様、彼と会うのは結婚式以来はじめてだ。


「レイラが来なかったかい? 急にシェリーに会いに行くと言って、帝都へ出掛けたきりなんだ。心配で、来てしまったんだが……」


 思わずアレックスと目を見合わせてしまった。ギャツビーとレイラのことをどう説明すればいいのだろう。


「ルイ、長旅で疲れたろ? とりあえず入れよ。レイラは今日、我が家に来る予定だ。うちで待つといい」

「ほんとかい? それは助かる。アレックス、ありがとう!」


 ルイは相変わらずの好青年で誠実そうな瞳をしていた。レイラってば、こんな良い人を裏切るだなんて。




「ハハハハッ……マッキントッシュ教授も相変わらずだな」

「レイラに会いに行くと、教授とよく話すんだよ。アレックスとシェリーのことはいつも心配してる。特にシェリーのことをね……シェリー、幸せかい?」


 ルイもアレックスの帝都での噂を知っているのだろう。心配そうな目でわたしを見つめていた。そのことには気づかないフリをしながら軽く笑った。


「ルイ……ありがとう。帝都の生活にもだいぶ慣れたわ。マッキントッシュ教授によろしく言ってね。彼は孤児院にもよく視察に行ってくれていて、ときどき手紙で報告してくれるのよ。マッキントッシュ教授には、助けられてばかりだわ……」

「マッキントッシュ教授か……シェリーもぼくも彼には本当にお世話になった。たくさん、助けてもらったよ。感謝してる。手紙の中で、いまだにぼくに嫌味を言ってくるけどね」

「アレックス、そういう人こそ自分にとって大事なんだぜ。ところで、バーナビー教授はどうしてる? 会いたいな。彼ほど優秀な教師は王立魔法大学校のどこにもいないよ。また魔法の実験をしてもらいたいもんだよ」

「バーナビー教授は……表向きは離宮で魔法の研究中だよ。実際は幽閉の身だ。平和な世の中になったら、また戻ってくるだろう」

「そうか……帝都も大変なんだな。魔法の法律もますます厳しくなる一方だよ。レイラのために花束を出すだけの小さな魔法も、規制されてるんだからな」

「ルイ、レイラとは……」

「ぼくってバカな男だろ? あんなに袖にされてたレイラと結局、付き合うんだからな。結婚を申し込んだ途端、レイラに帝都へ逃げられて……それをまた追いかけてきて……」

「ルイ……どうしてレイラと? 前の彼女との仲も、故意に裂かれたって言ってなかったか?」

「キャロルか……彼女はもう、新しい彼氏と婚約したよ。君たちの結婚式の帰りに、レイラに謝られたんだ。本当はぼくのことが好きだと気づき、それでキャロルと別れさせたって……。それを聞いてぼくは舞い上がり……バカだろ?」

「……レイラの取り巻きたちは? どうしたんだ?」

「ぼくと付き合いはじめてからいなくなったよ。レイラが追い払ったんだ」

「そうか……恋に関してはぼくは何も言えない。恋する気持は十分、ぼくもわかっているからな……」


 アレックスがわたしの瞳を覗き込んだ。彼の目は相変わらず青空のように澄んでいた。





 その後、故郷の大学の近況など懐かしい話を聞きながら、ルイとアレックスと3人で楽しく過ごした。まるで学生時代に戻ったかのようにたのしいときが流れた。だが、お目当てのレイラは夕方になっても現れなかった。


「おかしいな……知り合いのところを当たってくるよ。シェリー、レイラの取り巻きは帝都の出身なのか?」

「さあ……でも、彼の婚約者は帝都の人間だと聞いたことがあるわ」

「なんだって? シェリー……もしやレイラはギャツビーといるのか?」

「ルイ……それは……」

「待てよ、ルイ! いずれわかることだからハッキリ言おう。昨夜、レイラはそのギャツビーとかいう男と一緒に観劇に来ていた。ぼくらは偶然、桟敷で出会ったんだ」

「そんな……」

「ルイ……レイラは昔の知り合いの家に滞在していると言ったわ。決してギャツビーの家では……」


――コンコンッ! カチャッ!


「アレックスさま! 緊急で弁護士が会って欲しいとみえております!」


 突然、エヴァが部屋に入ってきた。何事だろうか。あわてている。


「弁護士だと? カーライル家のか?」

「いいえ。奥様のお友達の件で至急、警察に同行していただきたいと……」

「ぼくに警察が? シェリーの親友って……まさか!」

「アレックス……レイラに何か……?」

「なにがなんだか……とにかく警察に行ってくるよ」

「アレックス、ぼくも連れていってくれ!」

「わたしも行くわ!」

「わかった。2人も一緒に行こう」


 レイラが警察に連行された。わたしたちは不安を胸に、迎えに来た弁護士と共に警察へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ