04. 天の邪鬼な気持ち
「レオっ……ルカ! 」
勢いよくドアを開け自分の部屋へと飛び込む。はあはあと息を切らせ二人がいるかを確認すると、ベッドに座っているレオがいた。良かったと安堵して隣へ座ると、ガバッとレオにしがみつくように腕を掴む。
「どうしたの?」
「あ、あの、あのね、道端に鬼が……鬼がいたの。それも体が小さくて、赤くて、なんかもう怖くて……追いかけられたから全速力で走って逃げて。家にレオたちがいなかったらどうしようって」
息を切らせながらレオを見上げる。震えが止まらず抑えようと自分の気持ちと格闘していると、頭がポンポンとされた。
レオの手。自然と撫でられるだけで安心感が広がり心が暖かくなってくる。
「たぶんそれ、天邪鬼だよ」
「あまのじゃく?」
天の邪鬼って、ひねくれ者のことを言うよね。
「鬼の姿をしていて、よく悪戯をするんだ」
「……じゃあわたし、イタズラされそうだったんだ」
「そういうことになるね」
赤鬼の存在情報を知って少しホッとした。好き好んで悪戯をするなんて特殊な妖怪だな。落ち着いてくるとさっきまでレオの腕を掴んでいたことについて謝罪したくなる。
「ごめん、なんか動揺しちゃって」
「いいよ。あの体の小ささに対して鬼の顔のギャップは怖かっただろうから」
わたしの思っていた怖さと同じ。気持ちを分かってくれているようでなんだか不思議。
「そういえばルカは?」
部屋を見渡し、いつもの椅子に座っていないことを確認する。
「ルカは偵察中。ハウラの居場所を突き止めるためにね」
ハウラを見つけ出せば、わたしの目にある氷力石が取れる。
『これだけは勘違いするな。お前はあいつに頼まれたから守ってやってるだけだ。氷力石が無くなればお前の価値なんてない』
わたしのため……じゃないんだよね。おじいに頼まれたから、早く問題解決するため。だから勘違いはしてはいけない。
ルカの冷たい態度を思い出し、顔を落とした。




