34/38
03. 小さな赤鬼
若葉に不信がられながらも一人で下校中。俯きながら歩いていると何か視界に入った。
ーーん?
それは赤い色の体をした小さい物体。
首を傾げ、まじまじと見つめるとそれはわたしの視線に気づいたかのようにゆっくりとこちらに振り返った。
「…………」
とんでもなく重い沈黙が続いた。どちらとも動かず、目もパチクリすることもない。
最初に口を開いたのは赤鬼のようなモノだった。
「お前オレが見えるのか?」
「あ……あ……」
体の小ささと反比例して顔の恐さに驚愕する。声が震え、最初に見た妖怪の時よりも心臓がバクバクと鳴ってくる。
「おい」
「ご、ごめんなさいっ」
怖さから逃れようと意味もなくペコっと頭を下げ、その場から逃げようと彼を横切り全速力で走る。それは無我夢中で。
「あ、待てオマエ」
後ろから聞こえてきたのは恐い声ではなくて可愛い声。だけどありえないほどの小ささと恐い顔が掛け合わされ、怖さを倍増させている。
若葉と一緒に下校しなくて良かったと、恐怖の中で思った。




