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02. 言えない悩み
「で、何に悩んでるわけ? 」
「なにって……」
離された頬を触りながら、慎重な趣で訊いてくる若葉からさりげなく視線を外す。
「言えないこと? 」
斗真も追い打ちをかけるように訊いてきた。
普通の人に見えないモノの話をしたって、信じてくれない。それどころか若葉には「どこか頭打った? 」なんて言われるのは目に見えている。
考えているうちに予鈴が鳴り、そのまま二人は自分の席へと戻ってしまった。
「言えないこと、だよね……」
-*-
帰る支度をし、鞄を肩に掛けたところで若葉が現れた。
「莉桜、もしかして今日も一人で帰る気? 」
「うん……ごめんね」
妖怪が見えるようになってから若葉と一緒に下校していない。道の途中でわたしを狙う妖怪がいたりして若葉にまで被害が及んでしまったらと考えた結果、決めたこと。
それに……まだ妖怪を見慣れていないから変な声を上げて驚いてしまうんだ。
だから、わたしの目から氷力石が取れて妖怪が見えなくなるまでは一緒に登校したり下校したりはできない。




