01. 幼馴染と友達
「はあー……」
ネコミミくんの件でルカとの間にこれまで以上の亀裂が入しまったと落ち込んでいる。
朝に「おはよう」と言っても返されないのは知ってるけど、あんなに拒絶されるとは思ってなかった。
『ルカーーあの時はごめんなさい』
『なぜ謝る?
お前は何に対して頭を下げているんだ』
いつも通り椅子に座っているルカに投げかけられた冷たい声に心臓がひやりとした。
ただ謝っただけ、そう思われたんだろう。だから目も合わせてくれなかったんだ。
違う、と弁解したかったけど何も言えずあとになってから後悔をしている。
わたしがルカに頭を下げた理由はルカを巻き込んでしまったからだ。
おじいにわたしを守るように言われ面倒な事をやらなくてはいけなくなった。
昨日、そんな発言をされたからそれに対して謝っただけ。ネコミミくんを守ったから、ルカの邪魔をしたからではない。ちゃんとした切実な理由がある。
「どうした? 」
現実とかけ離れた経験をしても学校はあるもので、こうして自分の席に座りうつ伏せになりながら窓の外を眺めている。
窓側の席の特権というか……これが一番後ろの席だったらもっと良いのに。
「莉桜」
「あ……斗真」
外の景色が見えなくなったと思い見上げてみるとそこにはわたしの幼馴染である斗真がいた。
「何か悩み事? 」
「うーん、悩み事というか……悩み事か」
斗真は一言で言えば優しい。年齢は同じだけど、お兄さん気質があると思う。いつも気遣ってくれるんだ。だから小さい頃は頼りっぱなしで……。斗真、精神年齢が高いのかな。
「この頃元気ないと思ってたんだよね。やっぱり当たってた」
周りの人からは碓氷くんと名字で呼ばれていて、なぜか名前で呼ばれていることが少ない。
「わたし……いつ頃から元気無かった? 」
「3日くらい前からかな」
ジャスト、斗真はよく分かってる。分かりすぎていて怖い。
妖怪が見えるようになってから五日。斗真と会うのは休みを挟んでからだから、その日がぴったり。
「斗真ってよくわかってるよね、わたしのこと」
「まあ、よく見てるからね」
目が細められ、射止めるように意味ありげな視線が向けられた。
いつもこんな感じだから気にしないけど、たまにある沈黙の間にハテナを浮かべときがある。
「はーいストップ。そこまで」
何かを遮るようにした声の正体は__。
「若葉、おはよう」
だるそうにしながらもやって来た若葉を見上げ、垂れ下がる頬を無理やり上げる。
「おはようじゃないわよ、そんな顔して」
「はにゃ? 」
急に両方の頬をぎゅにゅっと摘ままれ変な声を出してしまった。
「あんたがいつまでもそういう顔してるから斗真だって心配してるんじゃない」
若葉には三日前から元気ないわたしを見せている。話しかけてくれてもぼーっとしていて、誘ってもらっても曖昧に断って。
「ごめんにゃはい」
「謝ってもらおうとして言った訳じゃないの」




