13. 在り処
家に着くといつも通り兎の姿でイスに包まっているルカがいた。どうしてかは分からないけど安堵した自分がいる。
「あの、レオ……」
レオが兎の姿になろうとしたところを止め、疑問に思っていることを言ってみた。
ネコミミくんは氷力石がどこにあるのか知らないようだった、と。
-*-
「ーーってことは、妖怪は氷力石の在り処を知らないってこと? 」
妖怪は微かな力でも感じ取ることができる。氷力石は強力な力だけど、わたしの右目に入ってからその存在は薄くなったらしい。
前に説明してくれた時と同じく、ベッドに隣同士で座っている。
「うん。そう」
「でも、最初にわたしを襲ってきた妖怪は知っていたようだったけど……」
軽く答えられるようだが納得いかない。
初めて会った妖怪がわたしの目に氷力石があることを確信していた。だからそれがきっかけで、妖怪全てが氷力石のある場所が簡単に解るものだと思っていたんだ。でもネコミミくんはなんとなくでしか解っていなかった。
そこで矛盾が生じて訊いてみたんだがーー。
「もしかしたら、莉桜ちゃんの目に氷力石が入ったところを見ていたのかもしれない」
「そう、なのかな」
あの妖怪は井戸の中から飛んできた氷力石がわたしの目に入るのを見てたってことだよね。じゃあその時から狙われていたってことなのかな。そう思うと怖い。レオたちがいなければ、わたしはもう……。
「ハウラの力の欠片……氷力石が森の奥の井戸へと入った、妖怪の間では結構有名なんだよ。それで確かめに来ていたんだと思う」
物思いにふけってしまい、なんだかレオの声が遠くに感じる。
「氷力石、わたしの目に入るまでよく無事だったね」
「まあ、ルカが追い払ってたからね。怖くて木の影から覗いてたんだよ。たぶん莉桜ちゃんが来た時からも、ずっと」
思ったことをそのまま言ったことに後悔した。レオの意地悪な笑みにゾッと寒気が走る。
あの妖怪はわたしをずっと見ていたってことだよね、そう思うと怖い。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。僕たちがいるから」
俯いていた顔を上げるとレオの優しい笑み。とても心強い。
わたしの目に氷力石があるって事を知らないなら、そんなに危険な目に会わないかも。そう安心も生まれた。




