01. ダークネス
レオたちが見えるようになってから三日を過ぎ。妖怪は食べなくとも生きていけるとレオに教えてもらい。もっと妖怪の事を知りたくなった莉桜は放課後、図書室に来ていた。
妖怪について書かれている本を見つけようと本棚を隅から隅まで探し、妖怪という単語が題名に入っている本を見つけ出すと、手を伸ばす。
そこで気配を感じた。
薄暗くなり始めた図書室。動作を止め、振り返る。と、そこには男の子。小柄で、わたしと同じか一つ年下のような気がする。
黒いフードを被っていて、顔があまり見えない。
「誰? 」
「逆に何だと思う? 」
悪戯の笑みを浮かべる彼から、嫌な空気が漂っているように見える。
あの日を境に臆病になっているだけかもしれないけど、何故だか身体が強ばる。
「妖怪が存在すると信じてるんだ? 」
わたしの手元には先程取った妖怪について書かれている本。
信じるもなにも信じざるを得ない体験をした。その上、現在家に妖怪が住んでいます。
……なんて言える訳がなく。
「うん、少しは」
目の前まで来た彼をできるだけ視界に入れようとせず、俯きながらに答えた。
「少しはって……オレが見えるくせにそういう事言う? 」
ーートンッ
肩を押され、本棚に押し付けられる。
その手を見ると鋭い爪。自然に生えている物ではなく、拳に付けている武器。
「力の石、どこ? 誰が持ってるの? 」
力の石って……氷力石のこと?
じゃあこのヒトは妖怪?
氷力石がわたしの目にあること、知らないんだ。だからあの時の妖怪と違って何も危害を与えてこない。
ん? まって。だったらその妖怪はどうしてわたしの目に氷力石がある事を知っていたんだ。それも右目にあると分かっていた様子。
もし本当にこの妖怪が知らないのなら、余計な事は言わない方がいい。
「……知らない」
そんな気持ちで頭を振る。
「知らないはないでしょ。よく見ればあの時井戸にいた人間だし」
確信めいた言い方に体がびくつく。
ーーこの妖怪、あそこにいたんだ
わたしの表情から読み取ろうとする奥深い瞳。心を読まれるんじゃないかと怖くなる。




