16. 縁のある神社
翌日。目が覚めた時にはもうルカが起きていた。人間の姿で昨日と同じ勉強机のイスに座っているのがボヤけて見える。
わたしは上半身を起き上がらせ、まだ眠い目をこする。とその時、まだ兎の姿のままのレオが横を通りすぎ、ベッドからピョンっと飛ぶ。
「それじゃあ行こうか」
ポンッと煙が包み、すぐに人間の姿になったレオがこちらを向く。
「行くってどこに? 」
「とある人の場所」
あ……そっか、教えてもらうんだった。
-*-
今日は土曜日。学校が休みでちょうど良かった。
横にはレオとルカ。二人とも歩幅を合わせてくれている。
周りには木々、下は砂利。ザクザクと不規則な音を鳴らせ、並木道を歩く。
こぼれ日が眩しく。輝いていて綺麗。
この道には見覚えがある。おじいの神社へと続く道だ。この長い道のりを歩いて毎日のように行っていた。
いつからか行かなくなっちゃったんだけど、どうしてだろう。……一人暮らしに慣れて、寂しくなくなったからかな。
そんな事を考えながら歩いていると、左側にいるレオが話しかけてきた。
「この道、見覚えない? 」
何を思って訊いてきたんだろうか。
いちよう答える。
「小さい頃、お世話になったおじいちゃんのいる神社へと続く道なんだ」
-*-
「おじいとレオたちって知り合いだったんだ」
「だから小さい頃に話したじゃろ。昔に兎を助けたと。それは人に化けれる妖怪だってことも」
「それって作り物の話じゃないんだ」
『とある人』はおじいの事だった。
神社の中に入ると、部屋に待っていたおじいの前には三枚の座布団が引かれていた。莉桜がおじいと向かい合うように真ん中に座ると、左側にレオ、右側にルカが座った。
「だからそれも言ったじゃないか。これはわしの体験した事実の話じゃと」
「小さい頃の話とかされても、あまり憶えてないし……」
神社へと来ていた月日は、幼稚園の頃から小学三年生の時まで。その間に大事な話をされていたとしても、大体は忘れてしまっている。莉桜はもう中学生なのだから。




