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第51話 火山地帯と精霊の裏道

 あいなとの話し終えた後、さっそくブランに火山のある地域について相談することになった。


「ブラン、火山のある地域ってターレスからだと遠いのか?」


 目的は温泉のある施設の確保だけど硫黄も手に入るなら手に入れたい。

 ちょうどターレスの店舗で整理をしていたブランに話しかけてみる。


「火山? ターレスからだと普通に歩くと50日くらいかかるかな? この国の端の方にあるのよね~。ちなみに王都からでも徒歩で30日くらいよ」

「そんなにかかるのかぁ……。事前に予定を考えないとだめっぽいなぁ」


 1か月くらいはかかるかと思ったけどそれ以上だった。

 とはいえ、一か月の旅も面倒といえば面倒ではあるんだけど……。

 そんなことを考えていると、ブランが奇妙な提案をしてきた。


「それなら【裏道】使う? 精霊とそれに連なるものしか使えないことになってるんだけど、イリスちゃんなら大丈夫だし」

「【裏道】?」


【裏道】とはなんだろうか。

 ブランの口ぶりからするとおそらく精霊が通れる道なんだろうけど……。


「この世界のある地点とある地点を結ぶショートカットみたいなものね。精霊の国を経由する道を使うのよ」

「へぇ~」


 どうやらこの世界と精霊の国を繋ぐルートがこっそり存在しているらしい。

 精霊の国ってのは行ったことがないからわからないけど、大抵の職業精霊はそこからこっちに来ていることは知っていた。

 だから職業精霊はすぐにあっちこっちにいけるのか。


「そういえば火山地帯にはアリオス様の妹君が住んでいらっしゃる国と共同管理している街があるんだけど、ちょうどそこに1つ裏道があるのよね」

「ほう?」

 

 国のことはわからないけど、ちょうどいい場所にちょうどいい街があるらしい。


「【武蔵国むさしこく】から技術者を招いて街全体で温泉経営をしているそうよ。さしずめ温泉の街ね」

「へぇ~」


 あいなが聞いたら喜びそうな話題があった。

 ということは、その裏道を使えばかなりの日数を短縮してその街にいけることになるのか。

 これなら硫黄の採掘もどうにかなりそうかな?


「裏道ってすぐに使えるの?」

「すぐ使えるわよ? 一応部外者が使う場合、大精霊級の許可を複数貰う必要があるんだけど、もうイリスちゃんは大精霊級の許可も複数あるし文句を言われることはないわね」

「そういうもんかねぇ?」


 その辺りの規則関係は俺にはわからないけどブランが問題ないというなら問題ないのだろう。


「じゃあ、ちょっと申請してくるわね〜」

「うん」


 ブランはそう口にするとドレアへの転移陣を使いドレアへと向かっていってしまった。

 ドレアから一番ありそうな場所といえば聖域の森だけど、そっちなんだろうか?

 それから暫くの間、店舗の整理をしているとエイリスさんがやってきた。

 いつも拠点では見かけるけど普段はどこにいるかわからない筆頭だ。


「イリス様。お邪魔しますわね」

「エイリスさんいらっしゃい。こっちに来るなんて珍しいね」


 エイリスさんは銀髪の小柄な美少女である。

 美しい髪は長く、お尻までの長さがある。

 意思の強そうな目をしているのでなんとなく学校だったら生徒会長とかやってそうな雰囲気を感じる。


「えぇ。ブランさんが突然やってきて裏道を使わせてほしいって言ってきたものですから。わたくしはそっちの管理もしているんですよ。精霊組合の関係で……」

「あぁ、そうなんですね。ということは結構大変な仕事だったり?」

「えぇ、まぁ……」


 俺の質問に答えるエイリスさんは遠い目をしていた。

 どうやらストレスが溜まっているようだ。


「それで、裏道の使用は問題ないとお伝えに来たというわけです」

「あれ? となるとブランは?」


 ブランは出ていったきりだ。

 エイリスさんが伝えに来るなら一緒に戻ってきてもおかしくはないんだけど。


「ブランは少し向こうの仕事をサボってましたから向こうでやることをやってもらっています。わたくしの方は仕事が一段落したので変わりにと」

「お、お疲れ様です……」

「いいえ。ちなみに今回はわたくしも一緒に同行しますので、よろしいでしょうか? 主に向こう側での拠点確保とそれに伴う業務となる予定ですが」


 どうやら今回はエイリスさんが同行してくれるらしい。

 俺としては問題ないのだけど、ブランは大丈夫なんだろうか。


「全然問題ないです。よろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします。あ、それとわたくしのことは呼び捨てでお願い致します。わたくしにとってイリス様は上司でありますので」

「上司ねぇ……。どうだろう? まぁとりあえずわかりました。改めてよろしくお願いします。エイリス」

「はい」


 呼び捨てで名前を呼ぶとエイリスは嬉しそうに微笑む。


「そういえばこちらの店舗に出張所を開設しなければいけませんでしたね。さっそくやってしまいます。1階搬入口と逆側に専用の入り口を設置致しますわね」

「うん、それで大丈夫です」


 現在店舗には左側に倉庫兼搬入出口、真ん中に店舗、右側の部屋が空きの状態だ。

 入り口は左側と真ん中の2か所なので、入居する仮称精霊組合は店内から入る形になる。


「では少しお時間を頂きますわ」


 さっそくエイリスはそう口にすると入居予定の場所に向かっていくのだった。


「そういえばターレスに建築関係の精霊がいるって聞いてたっけ。まだ探してなかったな」


 拠点となる領域の建築担当者はまだ空席の状態であった。

 うーん、どうしようか。


「お待たせ致しましたわ。内装をそのまま移しましたのでもう今日からでも受け付け開始できますわ」

「あ、お帰りなさい。早かったですね」


 建築担当者について考えているとエイリスさんが隣の部屋を調整し終えたようでこちらに戻ってくる。

 

「えぇ。ちょっと空間を繋ぎまして扉を取り付けただけですので。このあたりはアルテミシアと共同でやってましたの」

「なるほど」


 それなら表に精霊組合の看板も取り付ける必要があるかもしれない。

 デザインは後々聞いておこう。


「さてと。色々確認したいこともございますので、ご一緒にお茶でもいかがでしょう?」

「お茶ですか? いいですよ?」


 どうやらこれからエイリスと打合せになるようだ。

 とりあえず人員についての確認もしたいので、その辺りの話もしておこうかな。

 そういえば最初にあった時水の精霊だと思い込んでたけど、エイリスって光の精霊だったんだね。

 髪の色も間違えていたよ……。

よろしければポイントなど入れていただけると大変励みになります!


ちょっと設定と違っていたのでエイリスの件修正しました。

後半はちょっとした報告。

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