第47話 属性鉄を作る
いい感じに精霊石が集まってきたのでもうすぐ属性鉄で新しい錬金釜が作れそうだ。
さっそく無限図書館を後にしてドレアへと向かい、ミューズさんから精霊石を貰う。
「イリスちゃんがお姉ちゃんを頼ってくれて嬉しい! 何万個必要??」
「だから単位がおかしいって!!」
俺を甘やかしたい組はそれぞれ与えてくる個数がおかしい。
100でもおかしいけど万単位もおかしいだろ!? あ、いや50個でもおかしいのか……。
「ん、私もあげる」
今日はドレアにいたアルテミシアがついでとばかりに俺にも精霊石をくれる。
100個の精霊石とやたらと大きい精霊結晶をだ。
この精霊結晶、街が買えるんじゃないか?
「気持ちは大きさ」
「そ、そうか。あ、ありがとな……」
ちなみに大きすぎて使えそうにもないのでまた別の用途を考えることにしよう。
だって俺の身長くらいあるんだもん……。
「さてと、これで7種類の精霊石が集まったわけだけど、これを加工しなきゃいけないのか……」
加工自体は手間がかかるもののそう難しいものでもない。
手順は単純で、2つの方法があると推測している。
1つは木炭と鉄鉱石で鉄の延べ棒を作成し、精霊石の粉を追加する方法。
もう1つは試していないが木炭と鉄鉱石のほかに精霊石の粉を追加する方法だ。
懸念点として、2つ目の方法では精霊石の影響が強く出た精霊鉄のようなものに変化しそうな気がしている。
1つ目の普通の方法でまずやってみるか……。
「さて、出は早速始めてみますか」
まだ明るい時間帯で室内にはたくさんの精霊たちがいるが、俺は錬金術室の錬金釜に向かって1人で作業を始めた。
ちなみに錬金釜以外の場所なら他の人も出入り自由な上、買い物も自由にしていいことになっている。
今日も精霊商人のミーシャさんの前にはたくさんの人がいるというわけだ。
「まずは魔法液を釜に追加して火にかけて沸騰させるっと」
魔法液は魔法液そのものを入れてもいいし、水に魔石などの魔力物質を追加することでも作ることができる。
塩水みたいなものだと思っていいと思う。
しばらくすると魔法液は沸騰するのでそのまま木炭と鉄鉱石を追加。
錬金が成功すると魔法液は蒸発し、釜の底に成果物が残る。
「まずは鉄っと。次は魔法液を追加して鉄と火の精霊石の粉を投入」
同じ工程で今度は鉄の延べ棒と火の精霊石の粉を追加する。
なお精霊石を粉にする場合石臼のほうが楽だ。
薬研でもいいんだけど。
しばらくすると鉄の時と同じように魔法液が蒸発し、釜の底に赤味を帯びた鉄が残っているのを確認。
鑑定用のスクロールで調べてみると【火の属性鉄】であることが確認できた。
「完璧だな。っと、おわっ!?」
一仕事を終えて満足していると周囲に人が集まっているのを確認。
入れる範囲までで何をしているのか確認している様子だった。
「おー、イリスはこうやって属性鉄作るのか。でも使ってる材料は同じようなものなんだな」
その中でも興味深そうに見ていたのはルビーだった。
どうやら自分で作るときの方法との違いを確認している様子だ。
「ルビー、自分の仕事はいいの?」
「そう忙しい訳じゃねえしな。自分と違う仕事を見学するのも仕事のうちだよ」
「ふぅん? まぁいいけど」
ルビーはセクハラしてくるが一応職人なのでこっちのやることに興味があるのだろう。
できればセクハラはやめてほしいけど。
「ルビー? イリスちゃんの仕事見るのはいいけど、どうしてイリスちゃんのお尻見てるのかしら?」
「ちょ!? シャーリーそれ言うなって!」
外野がめちゃくちゃうるさい。
というかルビーのやつ、やっぱりセクハラ目的じゃないか。
追い出してやろうか……。
多少うんざりしつつも次々と作業を進めていく。
火、水、風、土、光、闇、空間の7枚の属性鉄を作ることには無事成功した。
火は赤味を帯びており熱を持っているように感じるし水は青みを帯びておりなんとなくひんやりしている。
風や土は黄緑色や茶色実を帯びているが特に手触りに変化はない。
光闇は見た目そのものが他より分かりやすく、やはり手触りに変化はなかった。
そして空間だけど、うん。ただの鉄だ。
「空間だけよくわからないけど、なんとなく用途は思いつくな……」
おそらく空間の属性鉄はこのまま使用したところで意味はない。
それこそ武器を作った時に呼び出せたり、空間収納系に作用させたり、転移関係にしようしたりとかなり限定的かつ補助的な使い方になると思う。
つまりメインとしては効果がないと思われる。
「それぞれの属性の鉄って扱ったことなかったな。火はまだ扱いやすいんだけど、水は熱の問題が起きそうだな」
成果物を眺めているとルビーが声を掛けてきた。
どうやらセクハラは終わったらしい。
「まぁこれに関しては使えないならあいなのスキルで作っちゃえばいいかなと思ってるけど」
あいなの今のスキルでは一品物や職人の業物のようなものは作れない。
お試しで渡して量産品を作らせるくらいでちょうどいいのかもしれない。
練習にもなるし。
「アタシもちょっと扱えるようにしてみるか。イリス、あとでアタシにも一通り作ってくれ」
あいなに触発されたのか、ルビーがそんなことを言い出した。
「今作ったのをあげるよ。まだ数作らなきゃいけないし。勝手に持ってって」
「ん、せんきゅー」
ルビーは嬉しそうに笑いながら俺が作った7種の素材を持って行ったのだった。
さぁ夜に向けて量産したら、いよいよ最後の属性鉄をつくるぞ。
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次回更新予定は明日予定です。




