表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

第16話 ちびっ子悪魔の行商人と錬金術の勉強

 次の日、朝から師匠の手伝いと魔法錬金の勉強をする。


 魔法薬のうち精神や魔力に関連する薬草は【クリネ】で体力や傷の治癒に関連する薬草は【アルム】という名前である。

 クリネとアルムは割とどこにでも生えてはいるものの、土地の状態や日当たり水はけなどの影響で効果が増減するらしい。

 薬草をそのまま魔法液に投げ入れても魔法薬にはなるが大抵は一律低級のものができてしまう。

 効果をよくするには干して砕いて煮込んで抽出して、その抽出液を魔法液に加えることで効果の高い魔法薬ができるそうだ。


「これは低級の上級から中級までの作り方だよ。まぁちょっと手を加えただけとも言えるね」


 薬草丸のままでは雑多な草の成分が邪魔してしまうらしい。


「さらに効果をあげたいなら【魔法石】や【精霊石】を加えるんだ。【魔法石】は魔素が濃い場所に生成されるし、【精霊石】は精霊力の濃い場所に生成される。まぁ【精霊石】は精霊からも貰えるけどね。ところで悪魔族とは仲良くなったかい? あいつらは【魔法石】を作ってくれるから仲良くなっておいて損はないよ」

「ほほう……」


 素材の入手経路、なかなか多いね。

 それにしても悪魔族は盲点だった。


「まぁそれ以外にも悪魔族は行商もしてたりするから、運が良ければ遭遇することもできるだろうね。ただ職人街の悪魔族はやめておきな。あいつらは精霊鍛冶師と同じで気難しいからね」

「メモメモ。ということは悪魔族の行商人がベストと」

「そうだねぇ。それに悪魔族の行商人と仲良くなっておくと職人街の悪魔族にも話が通じるようになるからね」

「ほー」


 さすがは年の功といったところか。

 いろんなことを知っていて勉強になる。


「今、年の功って考えたかい?」

「滅相もない」

「ふん」


 年の話をすると怖いからやめておこう。

 言い換えるなら経験豊富ということだ。


「でも師匠って人間の弟子は取ったことないですよね」


 記憶にある限り人間の弟子はいなかったはずだ。


「当り前さね。イリスやティアナは別としてね。人間には人間の師がベストなのさ」

「なる、ほど?」


 師なんて誰でもいいだろうにってちょっと思わなくもなかったが、その疑問はすぐに解決することになった。


「例えば魔法薬の作り方1つでも工程や結果は同じでも、途中の素材が違ったりすることがあるんだよ。それぞれの種族が手に入れやすい素材で代用していたりしてね」

「なるほど」


 ということは考え方を変えれば俺はエルフ族の錬金術師に師事するのもありということになる。

 

「こんにちは〜。魔法石販売しに来ましたよ〜。シルビアちゃんですよ〜」

「お、よく来たね。適当に品物出していきな」

「はーい。今回もクズから良い物までよりどりみどりですよ〜」


 大きな声を出しながら突然店に入ってきたのはどうやら行商人のようだった。

 頭に黒い2本の角が生えた金髪低身長のツインテールという姿の褐色小悪魔少女だった

 属性てんこ盛りだな。


「イリス、こいつが悪魔族の行商人だよ。こんな見た目だけどなかなかの年齢だから騙されちゃあいけないよ」

「グレモリー様がそう言うのってなんか違わないですか〜?」

「そうかい? あたしは常に若いからねぇ」

「ババ臭い話し方するくせに〜」


 なんとなく喧嘩をしているようにも見えるのだけど、お互いそこまでという雰囲気ではないようだ。

 まぁ俺から見ればどっちもばばあなんだけど。


「「あんだって〜?」」

「まだ何にも言ってないですよ」


 口に出してないのになぁ。


「そういえばまだ紹介してなかったね。この子はイリス。あたしの孫だよ」

「イリスです。よろしくお願いします」

「よろしくね〜、かわい子ちゃん! 私はシルビア。なんでも売ってるから何でも買ってってね!」


 商魂たくましいちびっ子である。


「それにしてもグレモリー様といいイリスちゃんといい、小さいわね〜」

「シルビアさんも小さいですよね」

「私はまぁ仕方ないわよ。年齢的にはまだまだ成長の余地あるし? まぁ今139cmしかないんだけど」

「俺でも140ですよ」

「あら、お仲間」


 いやなお仲間である。


「あたしで150、ティアナで155だからねぇ。ルナも155か。あの子あたしよりでかいんだよね」

「ふぅん? ならイリスちゃんは伸びて145くらいかしら」

「変な呪い掛けないでください。170いってみせますよ」


 失礼な呪いをかけないでほしい。

 そう息巻いているとシルビアさんが俺の頭に小さな手を乗せて突然なでなでし始めた。


「小さくなれー小さくなれー」

「何してるんですか」


 よりにもよって小さくなる呪いをかけ始めてきたのだ。

 やめい!!


「えーっと、グレモリー様? 何を3人で不毛な争いをしてるんですか?」

「みんな小さくて可愛らしいですよ~」


 うっかりなのか故意なのか、要らぬことを口走るウィルさんとミューズさん。

 哀れ師匠に雷を落とされたのだった。


「さてと、いつもご利用ありがとうございます~。今後ともご贔屓に~」


 なんだかんだありつつも商売は無事終了したようだ。

 うちも結構な魔法石を買えたのでほくほくである。


「そういえばねぇ。この子、空間の精霊と契約して土地を手に入れたんだよ」

「ほぉ?」


 師匠が俺の話をした瞬間、シルビアさんの目がきらりと光る。


「まぁまだ開拓中らしくてねぇ。空間の精霊の許可も必要だけど、店がない状態らしくてねぇ」

「ほぅほぅ」


 師匠とシルビアさんがなんかこっちを見たぞ。

 絶対余計なこと考えてる顔してるし。


「つまりねぇ」

「私がお店を構えれば完璧ということですねぇ」


 何か2人で話して2人で完結してるんだけど。

 それから話のたびにこっち見るのやめて。


「あー。アルテミシアに相談してからですよ……」

「あざーす!」


 絶対引きそうにない気配を感じたのでとりあえずアルテミシアに相談することにして話を打ち切ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ