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第13話 アルテミシアの贈り物と負けヒロインたち

 突然現れた職業精霊の幼女。

 その正体は管理職級の大精霊である空間の精霊だった。

 とりあえずここまでは何とか飲み込んだ。

 で、なぜ俺のところに来たのかといえば契約したいかららしい。


「それでなぜ俺と契約がしたいということに?」


 そもそも俺と契約するということは絆を結ぶということ。

 そうすることで俺にも精霊にも恩恵がある。

 でもある程度力のある精霊なら契約するメリットはないんじゃなかろうか?


「いい質問。私がイリスお姉ちゃんと契約したい理由。仕事が楽になるのと甘やかされたいから。構ってほしい」

「寂しがりか!」

「うん、そう」

「肯定はやっ」


 どうやら寂しがりの職業精霊だったらしい。

 あれ? でも引きこもりって……。


「てめぇ、図書館で引きこもってるじゃねえか! どこが寂しがりだ!」

「他興味ない。イリスお姉ちゃん興味ある。だから構ってほしいと思った」

「バリバリ下心満載じゃないか!」

「セクハラルビーよりマシ」

「それはそう」


 これには俺も同意だ。

 男時代にはなかったが、女時代になってからよく触られるので不快だったのだ。


「なっ!? イリス!?」

「反省しろ」


 おっと、また素が出てしまった。


「イリスの男口調もなかなかいいな……。矯正しだした奴らを呪いたい気分だぜ……」


 ド変態がここに爆誕していた。

 こいつやっぱりやばいやつか。


「ルビー無視。イリスお姉ちゃん、私と契約結ぶメリット説明する」

「う、うん」

「まず【空間収納】スキルが使える。おすすめ」

「よし契約しよう」

「即答、歓迎」


 俺とアルテミシアさんの利害が一致した瞬間だった。

 俺はアルテミシアを構う、アルテミシアは俺にスキルを使わせる。

 素晴らしい関係だ。


『空間の自称見習い精霊アルテミシアと絆を結びました』


「な!?」

「勝った」


 愕然とするルビーと勝ち誇るアルテミシアさん。

 ルビー、まるで負けヒロインのようだよ。


「なっ、なんでだよおおおお!!」

「泣いた」


 なんだかよくわからないけど、ルビーの中の何かが決壊したのか泣き出してしまった。

 とはいえ、まだ契約できないしなぁ……。


「多分タイミングだと思うけど、まぁ焦っても良いことないからできることからやればいいですよ」

「うぐぅ……」

「はいはい。ルビーもアルテミシアさんも店に行きますよ」

「アルテミシアって呼んで」

「はい、アルテミシア」


 ちょっとしたドタバタはあったものの、そのまま何事もなく俺たちは店へと帰って行ったのだった。

 そして店に入った瞬間、金髪の白いじゅうたんが店の床に敷かれていた。

 ブランだった。


「あ、イリスちゃんお帰りなさい。ごめんなさい、ブランの心が突然折れたみたいなの」

「粗大ごみに捨てるなら今しかないけどどうする?」

「ルビーの心も折れてるから2人まとめて奥にでも連れて行っておいてください」

「「はーい」」


 今日は心折れてる人だらけのようだ。

 で、これをあとで俺が解決するんでしょ? マジ?


「新入り。よろしくお願いします」


 早速何も気にすることなく挨拶をするアルテミシア。

 その姿をみたミューズさんとウィルさんは困惑の表情を浮かべてしまう。


「あ、アルテミシアさん……」

「図書館の引きこもりのラスボスがなぜここに……」


 どうやらアルテミシアさんの引きこもりの話は精霊の間では有名らしい。


「その図書館ってなんなんです?」


 話には聞くけど俺は実態を知らないんだよね。


「ええっと、【無限図書館】といわれている図書館で、いくつもの本や情報が格納されている場所です。正直私たちでも最果てについては全く把握していません」

「噂によると神代からあるらしいよ~?」

「へ、へぇ~……」


 人類が迷い込んだら一瞬で寿命が尽きそうな話だ……。


「イリスお姉ちゃん。さっそく私の力の一端を見せる。来て」

「いいけど、どこに?」

「手、握って」


 ちょこんと差し出されたアルテミシアの小さな手を軽く握る。


「これでいい?」

「うん。行く」


 アルテミシアがそう口にした瞬間、自分の周囲の景色がゆがみ始めていく。

 そしてだんだんと景色が変わり、見知らぬ草原に俺は立っていた。

 アルテミシアの手を握って。


「こ、ここは?」

「ここは私たちとイリスお姉ちゃんだけの世界。小さいけど何でもできる」

「ほ、ほぅ……」


 周囲を見渡す限り、草原、森、山、そして空だけがずっと広がっているように見える。

 ここが俺たちだけの世界?


「ここで俺はどうすればいいんだ」

「ここは自由。海も川もある。火山もあるし職業精霊と契約していけば資源山盛り錬金し放題」

「なるほどなぁ」


 アルテミシアは俺のためにこの世界を用意したらしい。

 どでかいプレゼントだな。


「ここに工房作るかぁ」

「うん。それにここなら精霊集めて力を使ってもあっちに被害でない。お得」

「だな」


 んじゃまぁ、まずはここに工房でも建てていくとしますかね。

 でも誰に依頼すべきだろうか。


「ん。森の職業精霊、土の職業精霊、岩の職業精霊集めるといい。それと私の力の使用権限あげる【空間収納】【空間転移】【空間拡張】【空間結界】。まずはこの4つ」

「おぉ……」


 俺、もしかしてすごいもの貰っちゃった感じ!?

 特に空間収納はいいかもしれない。


「よーし、とりあえず知り合いの知り合いに聞いて工房作ってみますか」

「手伝う」


 こうして俺は新しい土地と新しいスキルを手に入れたのだった。

 目指せ最強錬金術師!!

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