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伝説の始まりは現実の終わり  作者: 一ツ柳八重
第二章 奴隷都市ブロッサムプリズン
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チュートリアル終了

皆さんこんにちは!

今回は、やっとすべての状況が由紀に分かる事になります。

どうぞ楽しんでください。

 あんな顔されてら、話始めにくいと感じていた。

 ある時の記憶、そう、中学前の記憶が思い出せないのは確かだから、もしかしたら小学校の時に合っているのかもしれない。

 実際、何度か戦っている時に思い出す事がある。

 その人は女の子と言う事は分かっているのに、顔や名前を思い出せない。

 思い出せないと言ったら、変な感じがするから、たぶん思い出したくないのだろう。


「それで、向こうでの事や、少し前のことが聞きたいんじゃないの?」


 そう言ってきた。

 今は僕の様な年齢だと喜ぶようなシチュエーションなんだろうと感じはするけど、そんな事、今は何も感じない。

 彼女は今ベットに座っていて、僕はほぼ隣に座っている。


「うん」

「で、何聞きたい?」


 僕が話しやすいように、言葉を選んでくれているような、そんな優しさを感じる。

 まず、聞きたいのは七光鉱石の事。

 その次にパートナーの事。

 僕がしなければいけない事。

 奴隷都市に先週の事。

 大きなところだとこんな感じかな?

 余裕があればアリスの事も聞きたいと、今感じている。


「ええっと、七光鉱石について何か知ってる?」


 アリスは顔を上げて足を振る。

 何か考えている感じがするけど、その横顔には何か含んだ笑みが張り付いていた。


「由紀は、確か始まりの村を焼かれたんだよね。その時から、現実時間で一年。もっと言えば、正式サービスが開始されたと、公開された日まで。ある一定の範囲から出れなかった」


 そんなこと話した事無かったけど、何故か全て知っている気がする。

 そして、その上で何も知らないことが見透かされていて、クリス博士の時とはまるっきり違う。


「そして、チュートリアルを習わず、制限エリアで戦いだけをしていた。モンスター相手に」

「なんか、確認しているみたいで少し、ムカつく」

「そんな怒らないでよ。由紀の知りたいことは、そんな簡単なものじゃない」


 その話し方は結構きついけど、笑っていたので、厳しく言うつもりが無い事だけ分かった。


「じゃあ、聞くけど、由紀はその間どうして戦えた?」


 どうして?

 戦闘方法だけは知っていたから。

 そして、その力の動かし方を。

 え? 何で動かし方が分かってたんだ?

 確か、基本的な戦闘方法や、武器の出し方は教わった。

 それ以外の戦闘に関する方法は教えてもらってない。

 攻撃の当て方? 知らない。

 武器の振り方は知っていたけど、それ以外の事は実践してないのに。


「戦い方は知らなかった。モンスターを倒す事であらわれる物だけ知っていた」

「そうでしょうね。それなのにモンスターを普通に戦って倒してた」


 身体が動いた通りに行った、と言えば天才なのかもしれない。

 実際にアニメとかでも手探りで行える人がいるだろう。

 でもほとんどはご都合主義に近い。

 何かのサポートがあってこそだ。

 そうじゃ無いと、戦う事はおろか、死ぬかもしれないと思い研究を重ねるはずだ。

 それこそ異世界転生や転移した際に、システムを理解するように。


「七光鉱石とは、その経験を引き出す存在。現実で起こりうるだろうと言う事象に関し、必要な感覚をその世界、エンドワールド内でリンクさせる事。もっと言えばその世界の住人と同化し、力を行使できるデバイス」

「デバイス?」

「そう。七光鉱石はこの世界と向こうの世界を正確にリンクさせる特別な権限を持ち、向こうの住人との生活知識などを共有するための特別な鉱石の事」


 エメラルドの少女も言っていた。

 感覚的にはVRの様なそんな感覚に近いと。

 それを合わせて位置を統合していると。


「じゃあ、他の、アリスの様な鉱石の人は?」

「私達の鉱石や、錦戸の鉱石は、そこまでの力は無いわ。代わりに向こうの世界で生活できるように適合化されている変換器みたいなものよ。攻撃を食らえばその部分に疲労がたまる。その感覚は、全身に鉱石の粒子が巡って、動かしているからなのよ。アニメとかで言えばマナとか、魔力のようなものよ。それを借りてるのが私達。由紀はその魔力を独自で生成可能と言う違いよ」


 それって。

 世界の境界線がなくなっている、そんな感じなんじゃないか?

 こっちの世界では、魔力とかはない。

 その代わり、活力や、精神力みたいなのは実際に存在している。

 それが、向こうの世界だと鉱石を通して変換されているけど、七光鉱石はこの世界と同じ状態を維持されているという事になる。

 つまり、向こうでできる事はこの世界でもできる事に等しいと言う事だ。

 精神力と簡単に言うけど、つらいや激痛が起こった時の自動防衛が本来なら働く。所謂鎮静作用のある物質を分泌する事になっているのが人であって、人間だ。

 それを、デフォルトで向こうの世界でも備わっていると言う事だ。

 感情に反応するのも、そうゆう事だったんだ。


「その七光鉱石は、何か向こうの世界で意味があるんだよね?」


 この感覚は、たぶん警鐘を鳴らしているから聞いてしまったんだと思う。


「ええ。向こうの世界は一つのシステムを走らせてあるの。そのシステム端末にアクセスするには七光鉱石がそろう事が前提。そのシステムが位相同期統合システム。つまり、貴方のお爺さんが作った、世界の変換器よ」


 僕の持っているのが世界の変換器にアクセスする事が可能。

 それは。


「世界の創造と何が違うんだ」

「一人で出来ないのが違うけど、システムが数式で処理されていて、それを書き換えられるならほとんど同じよ」


 この事実は僕にとってすごい重い出来事だ。


「もし、僕が死んだら?」

「由紀のルビーは更に相応しい人に行くわ。七光鉱石には精霊が宿っている。それは、あの世界の原住民。彼らの世界を代償にしてる感じだろうから、救ってくれる人を探すだろうね」

「でも悪い人に行く可能性も」


 ヨシュアさんが言っていた。

 七光鉱石の原点の鉱石が存在していて、それから変異したものが七光鉱石であると。


「確かにその可能性はあるわ。生まれたばかりならね。だけど、由紀のも含めて、七光鉱石はきちんと初めは変えられる人を選んでいるわ。殺されたり、壊されてたりしなければね」


 この感じ。


「殺されたり、壊されてたりしたことがある?」

「ええ。向こうの世界のテストを行っている際に、始まりの村を襲撃した人によってね」


 アイツか。


「あの人も七光鉱石の所有者だった。でもその機能を一番早く理解した彼は、共鳴を利用して、居場所を特定して殺し回ったの」


 その声には、苦しみが滲んていた。


「今まともに動いてるのは?」


 安全な七光鉱石の所有者は?


「わかっているのは4人ね。残り二人は分からないわ」


 そこまで、知っているんだ。


「じゃあ、殺した人は少ないの?」


 この言葉を吐いた瞬間、吐き気が込み上げてきた。

 今何考えていった?

 半分は大丈夫で、一個は襲撃者。

 それで、殺されていったって聞いたのに。

 少数でどこか安堵した?

 この感覚は、向こうの世界で抱いていた感覚だ。

 どこかでゲームと感じているのか?


「その感覚が現実であり、七光鉱石の宿命。だからこそ歪まないそんな人を鉱石が選ぶのよ。それを肝に銘じて」


 その恐怖が身体を支配した。

 今、世界の見方が変わった完全に。

 そして、先週の公安の人の感覚。

 奴隷都市の存在。

 それは。

 仮想空間で行われている、本当の世界改革に近い。


「次聞きたいことはある?」


 余韻や自分の内面の怖さに気が付き、恐れから声が出ない。

 口が乾燥していて、心拍音がうるさい。


「ご、ごめん。待って。い、息が」


 ぽつぽつと言葉を漏らす。

 その言葉を聞いた彼女は、何を感じたんだろう?


「ふぁー。いいわよ。こんな事実、受け入れろなんて無理よ。だって、あなた今、殺人兵器を持ってるから、押していいと言われてる感覚でしょうしね」


 全然違う。

 だけど、人を殺しても何も感じない、でも殺しを行えるんだよ、いつでもと言い換えれば間違いはない。

 それだけ、大きな力なんだ。

 だめだ。怖い。怖い怖い怖い。

 それだけで吐きそうになる。


「ちょっと、私の話聞いてくれる?」


 そう切り出してきた。


「聞いてなくてもいいわ。私は過去に一人の男の子、いいえ。そう言ったら可哀そうね。こんな言い方しても駄目かな。憐れんでいる感じになっちゃうし。まぁ、一人の子供が居たのよ」


 うるさい。


「その子なんだけどね。本人は自覚してないし、周りは気持ち悪がったんだよね。出会ったのは噂が出始めたころだったかな」


 脚を組み始めて、俯きながら話してるのが、視界の隅に映った。


「その時の私って、こんなんじゃなかったんだ。もっと根暗でさ。今でいう地味女で、なのにおしゃれしたいって、勝手に思って、親に頼んで可愛い服買ってもらったんだよね」


 その声には、愁いが纏っていて、聞いてると気持ちが落ち着いてきた。


「その日にさ、私酷いいじめにあったんだ。カーストで最下位が、おしゃれしてきて、男子が初めて群がった。その時に付き合ってた子もいたんだろうね。服を汚されて、泣いたけど、何も、誰も助けてくれなかったわ。怖いなら、おしゃれするなって」


 そんなことない。


「自分で選んだんだから、他の人の迷惑を考えなさいって、先生にも言われたわ。でも。そんな時に一人だけ、こう言ってくれたんだ。君は君のままでも可愛いから。好きな物着れなくても、僕は見てたから。皆怖くても、僕は可愛いと思う。気持ち悪いと思ってるだろうけど、僕は良いと思う。って」


 頭に何かが走る。


「その後さ。好きなものを馬鹿にするな。そんなのがなんちゃらって。その時の言葉は覚えてないけどさ。その後、その子の秘密知って、その日から私虐められなくなったんだよ」


 この話、何処かで?


「でもさ、虐められなくなったのって、その子が代わりになったからなんだ。それを知った時とても辛かった。だから、ある時庇ったんだよね。でもその子転校したんだ」


 彼女の方を見る。

 その顔は暗い部屋だったから読み取れなかったけど、寂しそうな、話してる声音には苦痛を含んでいた。


「と、落ち着いたよね。じゃあ話し戻すわ。今度は何聞きたい?」


 この切り替えの早さは、凄い。


「ええっと、パートナーって?」

「パートナーね。簡単にいては、こっちの世界からの防衛機構と言おうかしら」


 防衛機構?

 つまり、守るための仕組み?


「人とと言うのは、互いに相互干渉してるの。言葉が強ければその分、気持ち、精神に影響を及ぼすわ。人によってはふさぎ込んでしまう。でも、強い言葉を掛けた人が、何も感じないって事は無いわ。どんな事でもね」


 その言葉は何か怒りを伴ってるように感じる。


「それは、向こうでも?」

「ええ。人はゲームやアニメの区別は出来るけど、経験と体験に関しては区別できないわ。その時、その時代で可能だった、その程度の経験なのに、それが世界の、社会の全てだと勘違いしてしまう。酷い言い方だけどね。それは向こうの世界でも同じ。向こうの世界で人を殺しても、捕まらなければ殺しても問題ない、そんな知識が付くのよ」


 その事は理解できる。

 実際さっきまでの自分が、ゲームなのだと思っていても問題なかったんだから。


「それとパートナーってどんな関係が?」


 現実とかの影響と、防衛機構が結び付かない。


「さっきも言ったけど、人は少なからず影響を与え合うわ。現実で言ったら結婚かしら? そんな大きな影響を相互で与える訳だけど、ただ与えられる人って言うのはめったにいないの。人生の転換期として機能する人は更に少ないわね」


 そこら辺は分かっているんだけど?


「はぁ。わかってるのを何で話すんだ? って顔してるわね? じゃあ聞くわ。人は生きてるだけでいいの。周りなんて関係ない。お金よりも大切な事がある。身だしなみ? それは誰が決めたの?」


 そう言って、ベッドから立ち上がり、クローゼットを開けて、女性ものの服を突き付けてきた。

 その瞬間、心の中に黒いものが沸き上がる。

 そんな事言ったって、出来る訳ないじゃないか。

 僕はそうありたい、それが普通だと思っている。

 そうありたいんだって、それでいいと信じてるけど!


「貴方は貴方。それ以外でもないでしょ? 着たいものを着たらいい。自分らしくいればいい。それの何がいけないの? 私は由紀君自身の気持ちを尊重する」


 そうありたいとか、そうじゃ無いとか。

 そんなの、気の迷いだって、そういわれてきた。

 精神科にも連れていかれたけど、女装癖として扱われた。

 それなのに、何が分かるんだよ。


「勝手な事言わないで」


 勝手だ。

 自分勝手だ。

 そんな、きれいごと。


「なんで? それが由紀、彼方なんでしょ? 本当の君なんでしょ? その話し方も」

「何も分からないくせに、勝手な事言わないでよ。向こうの世界で、そうなれたからと言って、こっちの世界では男なんだよ。それは変えられない。身体が男だってだけで」

「で?」


 目頭が熱くなり、顔を上げる。

 そして彼女につかみかかる。


「こうしてほしいの? 男だと分からないの?」

「は? 何言ってるの? 由紀がそうありたいんじゃないの?」


 その顔は不気味ににやけてる。そうさせることが目的のように。

 ふらふらと、後ろに下がって、ベッドに腰を掛ける。

 やられたと思った。

 何を言いたいのか、行動として示された。

 人は、名言や綺麗ごとでは影響されない。

 いくら偉人がした事だとしても、それが幾ら正しいとしても。

 影響は何があっても受けない。

 感銘を受けるなどあるが、それは知らなかったからだ。

 知れたその時、知識欲が満たされたからに過ぎない。

 人間は、誰に何を言われるか、それでしか影響を受けないんだ。


「どうしたの? 私に何かするんじゃないの?」

「いい。わかったから」


 そう。

 事実や正論は、環境によって否定してしまう。

 お金が無い人に、何でもさせてあげた方がいいと言っても、お金があるからそう言えるんだ、と切り捨てる。

 人は財産だ、投資すべきだと言っても、無能と判断されたら切り捨てられる。

 時と場合だろ? と感じるのもそうだろう。

 そう、誰が言い、その人の状況で許容できる発言以外は全て負の影響になる。

 仕事がしんどくて、パワハラ受けてる人にもっと頑張ろうなんて、生活するためには、とか言っても、応援しているのは言ってる本人だけ。言われる方は殺しに来てると感じる。

 受け止め方の問題とも言うだろう。

 でも、それは経験だ。

 その人がどんな人か経験しているから、そう受け止められるだけだ。

 そうじゃ無ければ。

 マイナスにしか受け止められない。


「わかったのなら何より。じゃあ話し進めるわね」


 アリスは隣に座りなおした。


「そんな中で、向こうの世界とこちらの世界で、影響を与えられる人たちがパートナーと言われるわ。簡単に言うと親和性が高いって言う事」

「それと防衛機構の繋がりは?」

「人には双方、善悪の概念が存在しているわ。現実世界にはグレーが多いけどね。そんな中、このパートナーは、相反して中立に持って行ける人の事。それこそ運命共同体ね。窃盗を犯す人を止めれるみたいな。それだけ響きあえるそんな存在。それがパートナー」


 つまり、相互にストッパーになるそんな存在の事?

 口元に手を当てて、少し考える。


「ゲームをゲームとして認識してるけど、現実に引き戻せる人、それが間違いなくて、間違えを間違えとして認識させることが出来るそんな存在?」

「そうね。片方の承認欲求を満たすだけじゃない、代わりになれる存在。それが幾ら悪い事でも、そう判断して理解しあえる存在に、鉱石が反応する。それがパートナー」


 つまり、この世界、現実だと分からなくても、向こうの世界なら双方の意識を反応できる可能性がある?


「パートナーはいわば、鏡みたいなもの。君が善であろうとしたら、私は君から見て悪そのもの。そういう人よ」

「じゃあ、ヨシュアさんと錦戸さんは?」


 あの二人にも何かあるのかな?


「ヨシュアは、シンは一つの王族よ。上に立つもの。でも助けたいと思ってしまう。誰でもいいから助けなければいけないと。前線に何度も行こうとしたわ。でも錦戸が止めたのよ。いざって時には悪役にもなったわね。それを止めるのが錦戸。反対に助けられないとあきらめた時、全力で助けられる人が錦戸だった。ありえないけど、それを可能にしてるのよ。彼らは」


 ヨシュアさんは。

 辛いとき逃げたとしても、逃げないと言う選択肢を与えてくれる。

 独断専行しても、それを受け止めて反対の道を進める。

 そんな傾向を出せる存在。


「それがパートナー」

「そうよ。で、あんたのパートナーが私」

「え? でも遠慮したいんだけど?」

「っは?」


 だって、とっても煽ってくるし、怖い。


「まぁいいわ。多分向こうで組むんだから」


 今顔が引きつっているのが、感覚的に分かる気がする。

 結構長い間話した気がするけど、未だに親が帰ってこない事に、気が付いた。


「と、今日はこれで帰るわね」


 時計を見ると21時を回っていた。

 何も出してないけど、失礼じゃなかったのだろうか? と今更考えるのは、それだけ余裕がなかったんだろう。


「あの! あと一つだけ」

「なに?」

「僕は、向こうの世界で、戦っていけるのかな? もし、無理なら君に」


 怖かったから手放そうとしたのだろうか。自然と口から漏れ出た。

 彼女は、ため息をついてから首を回す。

 そして。

「できるに決まってるでしょ! 私が認めたんだから! 自分の人生は、自分でやりなさい! 困難があっても、つらい事があっても、振り続けるの。指揮者のように」


 満面な笑顔で、尚且つ明るく。

 両手を広げた彼女は、美しく思えた。

 さっきまでの、冷たい感覚がなくなってた。


「まぁ、受け売りなんだけどね」


 そして、その言葉で気が付いた。


「君アイドルの?」

「それ以上は言ってはいけない。言われたら、八倒すわ」


 そう言って、玄関に向かった。

 彼女はアイドルだった。先日からテレビで出てたあの。

 それは驚きだったけど、だからこそ苦難や、恐怖を乗り越えるのが抵抗だったんだと、あの態度になってしまったのだと感じた。


「あの!僕応援」

「うるさいわね。同情は良いわ。数日後、システムの正常化と奴隷都市への潜入があるんだから、応援するなら信じなさい。私を。それだけで……」


 最後は聞こえなかったが、その言葉は多分僕にとっていい言葉なんだろう。

 帽子を目深に被りさっさと行ってしまった。

 僕はまだまだ甘い。

 今回はその事に気が付かされ、さらに自分の役目に気が付いた。

 この世界と向こうの世界を壊さない事。

 そして、存在の証明なんて言えば大げさだが、たぶんそれを求められているんだと感じた。


「今回の事をメモして、今後の計画を立てないと。同時に、数日後か。それまで、クリエイトのマスターと力の伝達を極めよう」


 口に出して言った言葉は心構えだ。

 これで、やっとチュートリアルが終わった気がする。

 今後は調べる事により理解できる。

 今度こそ本番なんだ。

 


ここまで読んでいただきありがとうございます。

やっとチュートリアル終ったの? 長くない? そう思った方、確かに長かったと感じます。

それまで分からなかった、考えもできなくてふさぎ込んでた由紀は、ずっと迷ってました。

強さもそうだし、特別な事、大きな役目を望まず、気持ちで走っていました。

ですが、その弱くても足掻きながら、誰かに手を伸ばされながら進まなければいけないと、それに気が付けるかどうかが、由紀にとっての大きなスタートラインでした。

現在、ゲームと言う現実を行き来すると言う設定なのに、ファンタジー要素が無いじゃないか? とそろそろ疑問に思う方もいるでしょう。

ですが、ここにはもう一つの仕組みがありまして。

と、ここはまた今度書きますね。


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