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転生したら魔王が勇者になりました。  作者: よく分からん生命体
第三章 白の死神 第一幕 相棒との出会い
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70話:パーティー

 赤髪の子もギルドカードを提出してきて、改めて俺の隣の席に座ってきた。


「改めて、本当にありがとうね。」

「いいってことだよ兄ちゃん!

 お礼に奢ってもらえるんだからお互い様!」


 勢いがあって話していて気持ちのいい子だな。


「それじゃあ、注文した物が来るまでに自己紹介でも済ませちゃおうか。」

「お互い名前も知らないと不便だもんなぁ、ってことでオイラは ”シャカ” って言うんだ!」

「シャカ、俺はアルタロム。好きなように呼んでくれ。」


 シャカねぇ、華奢な体格に反してゴツイ名前だった。なんて言うのはさすがに失礼か。


「なぁ?アルタロムの兄ちゃんはなんでこんな辺鄙(へんぴ)なところに来たんだ?」

「人探しかな、そういう君は?」

「オイラも似たようなもんだったんだけど、ここに来るまでに見つけてさ。

 しばらくは気ままに冒険者を続けるつもりなんだぁ。」


 人探し……、子供がそんなことをするってことは相手は親か兄弟か?

 いや、それならどっちにしろついて行くか。


「急に失礼かもしれないけど、君っていくつなんだ?」

「え、あぁ、人間からしたらこの見た目だと幼く見えるよな。

 えっと、年は確か二十……かな?」

「二、二十!?」


 この見た目で俺より歳上なのかよ……。


「種族が長命なもんでね、大人の姿になるまで時間がかかるんだよ。

 これでもオイラは早熟な方なんだぞ?」

「そう……なんだ。」


 明らかに姿が人間だったから人間の基準で考えてしまった。


 そうだよな、ここは魔大陸。魔人やら獣人がウヨウヨとしている魔境だった。


「そんな兄ちゃんはいくつなんだ?」

「……十七。」

「十七!いい歳だなぁ、ちゃんと食ってるか?飯食って体鍛えてデカくなれよ!」


 小中学生にしか見えない子に背中を叩かれているだけなのにすごく痛い。


「お待たせしました〜。」

「お!来た来た!」


 多……よくこんな量を一回で運んで来られるよな、さすがはギルドの受付のお姉さん。


「こんなに頼んで、俺は一杯奢ると言っただけだぞ?」

「こいつらは別にいいよ?

 酒を飲むのにつまみがないと味気ないでしょ。ほら、兄ちゃんも食いな。」


 と言われても、肉に魚に卵とこんなに食べたら胃もたれするわ……。


「じゃあ、俺は魚を貰うね……。」

「遠慮しなくていいんだぞ?」

「うん、遠慮じゃないね。」


 せめて油の少なそうな魚にしよう。

 転生してから胃もたれを気にせず食べていたが、まさかこんなところで気にすることになろうとは。


「美味いな、こんな魚初めて食べたかも。」

「だろ?もっと食べるか?」

「……貰っていいのか?」


 美味すぎて一口食ったら食欲が湧いてきた。


 そういえば、最近はずっと一人で飯食ってたな。

 気にしてなかったけど、腹が減ってる……。


「どんどん食え!酒も飲め飲め!」

「ちょ、注ぎすぎ!溢れるから!」


 豪快な食い方するなこの子。


「ほらお前らも飲め!今日はオイラの奢りだ!」

「お、気前がいいじゃねぇか!よっしゃ!みんな飲むぞ!!」


 お礼で俺が奢るって言ったのに。


 こんな食事は、試験の後に皆で食べた時以来か。


 それにしても、まだ日も暮れきってない時間なのにどんちゃん騒ぎしよって。


 見ろ、受付嬢のお姉さんたちがすごい目をし始めたよ。


「ん?離れんなよ兄ちゃん!こっち来い!」

「うわ、危ないだろ。」


「あぁ?さっきのやつか!細ぇ体してんだから食え食え!」

「んぐ!?

 ちょ、無理やり押し込むな!!」


 強引だなこいつら!


 ……あんまり辛気臭くしていると雰囲気を壊してしまいそうだったが、こうも強引だとそんな顔にすらなれなさそうだ。


―――――


「ギルドの更新をしていた冒険者様、更新が終わりましたので冒険者カードを取りに来てください。」


「んぁ……?」


 やばい寝てた!

 どれぐらい時間が経った……?


 って、何?ここで殺人事件でも起きたかってくらい人がいっぱいぶっ倒れてんだけど。


「あるたろむぅ!おきたかぁ?」

「一体何があったんだ?

 あ、理解したから大丈夫だわ。」


 シャカの酔っ払った様子に酒樽一つ持ってたらわかる。


 ぶっ倒れているこいつら、みんな俺が寝ている間に酒合戦してシャカに負けたんだ。


「よばれたからぁ、いくぞぉ!」

「はいはい、まずは水を飲んでからな。」


 さすがにこんな酒臭い状態で連れていく訳にもいかないな。



「お待ちしておりました。アルタロム様ですね。」

「はい。」

「しゃかちゃんでーす!」


 何とか支えて連れてきたけど、ダメだこいつ。


「この酔っ払いのことは気にせずにお話ください。」

「あ、はい。えっと、ギルドの更新は完了いたしました。

 ただ、両名とも現在はお一人で活動なされていますよね。」


 あ、このパターンは面倒くさいやつだ。


「お二人共、パーティーを組んでいないとこのギルドでは依頼を受けることができません。

 もし、二週間以上依頼を受けない場合は初期ランクからやり直していただくことになります。」

「え、まえのぎるどじゃそんなことなかったよ?」


 シャカはこのルールのことを知らない?

 ギルドを幾つか渡っていれば知っていてもおかしくないが。


 もしかすると今までこの子は一つのギルドに留まっていたのか?


「あのな、ギルドには個々にルールが決められているんだよ。

 ここの場合は基本的に依頼のランクが高いから二名以上のパーティーを組む必要がある。ってことでいいんですよね?」

「はい。」


 このルールは他のところでもあった。

 というか、魔大陸の冒険者ギルドでは珍しくはない。


 シャカは相当平和なところから来たのか。

 動きには目を見張るが、ランクはそう高くなさそうだな。



「じゃあ、おれパーティーいない!」

「それならあいつらにパーティーを組んでもらえばいい。

 あいつらなら入れてくれるだろ。」


 シャカの戦闘能力を知っていて、さっきまで仲良く飲んでいたんだ。

 その上、冒険者では珍しい女の子がパーティーにいるならそれだけで噂になる。

 頼み込めば嫌な顔せずに了承してくれると思う。


「あるたろむは?」

「俺は離れたところにパーティーメンバーがいる。連絡すれば一週間以内にはここに着くよ。」


 アーサーに見付かって不貞腐れて屋敷に追い返されたロロを冒険者登録させておいてよかった。


「……じゃあ、その一週間はアルタロムが組んでよ。」

「はぁ?」


 さすがにそれは嫌というか、無理。


「……なら、俺よりもランクが高ければ組むよ。」

「アルタロムのランクって何なの?」

「えっと……B級ですね。」


 あと少しでA級だけどね!


「じゃあ決まり!しばらくよろしくな!」

「……え?」

「俺S級だから!」


 何を言っているんだこの子。

 え、受付嬢さん?


「はい。この方はS級冒険者でございます。」

「……は?」

「あと少しでランクアップだな……。よし!手伝ってやろう!」


 ということで、俺はどうやら現地で出会った少女にランクアップを手伝ってもらうことになるようです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


先が気になったらブックマークの方をよろしくお願いします!

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