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転生したら魔王が勇者になりました。  作者: よく分からん生命体
第三章 白の死神 第一幕 相棒との出会い
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71話:疑念

 久しぶりに疲れた。


 ああいう雰囲気の中で過ごしたのは半年ぶりだ。


「ロロ、居るか?」

「なんでしょうか。」

「パーティーを組む必要ができた。一週間後に迎えに行くから準備しておいてくれ。」

「承りました。」


 さて、ロロには連絡できた。

 この一週間、シャカのことをどうしようかな。


 結局無理やりパーティーを組まされた。


 ロロ以外のやつとパーティーを組むなんてことした事ないし勝手が分からない。


 まぁ、朝からギルドにいればシャカには会えるだろう。


 今日は疲れた。もう寝る……。


―――――


 閉じた目に日差しが差し込んできて、体が勝手に目を覚ました。


 朝日はいつも鬱陶しいほどに眩しい。


 六時か……今日はよく眠れた方だな。


 ”コンコン”


 ノック?こんな朝早くから誰だ?


「おはようアルタロム!」

「シャカか。おはよう、なんで俺の宿を知ってるの?」

「ギルドの姉ちゃんに聞いた」


 ねぇ、プライバシーってどこだっけ。


「なぁ、昨日ちゃんと寝たか?」

「うん、昨日はよく眠れたよ。」

「そっか。

 ……じゃあギルドに向かおうぜ?朝飯食って受ける依頼決めちゃおう。」


 なにか思うところがあるのかな、作っているみたいに笑顔が固いような気がする。


 まぁ、そこまで気にする程の事でもないだろうな。


 ”カラン カラン”


 やっぱり朝早いとギルドには人が少ない。

 依頼を探すなら混雑しないこの時間が一番だ。


 もしかして、この子もそれを知っていてこんな朝早くに行動し始めたのか?


「何食う?」


 いきなり席に座って、子供みたいに涎を垂らしながら聞いてきている。


 うん、何も考えてない。この顔は確信してそう言い切れる。


「なぁシャカ、これから混んでくるだろうから先に依頼を決めておかないか?」

「確かに、そうしようか。」


 この地域周辺の依頼は討伐系が大半を占めている。


 最近になって魔獣がさらに活発になったと聞くが、多分白(ブラン)の仕業だ。


 露骨すぎて逆に気が付かなかった。


「なぁ、アルタロムは難易度の高い依頼でも受けられるよな?」

「まぁ、A級のものなら多分問題は無いけど。」

「じゃあ決まり、これ出してくるな!」


 制止も聞かずに飛んで行きやがった!

 一体どんな依頼を申請してきたのやら、さすがに概要は知っておきたいよな。


「なんで受けられねぇの?」

「パーティーの方の中にB級の方がいるからです。ランクが二つ以上の依頼は受けられないんですよ!」


 なんか揉めてんだけど、二つ上って……まさか。


「あのさ、その依頼ってランクは?」

「え?S級だけど?」


 こいつ俺の話を聞いていたのか?


「あの、A級までなら受けられるって言ったよね。」

「でも兄ちゃんならS級でも問題ねぇだろ?」


 いや、確かに問題ないけれど……。


「ギルドの規則なんだよ。自分のランクより二つ以上上のランクの依頼は受けられないって。冒険者なら知ってるだろ?」

「知らない。」


 マジかこの子。


 どうやってそこまで登り詰めたんだよじゃあ。仮にもS級でしょ君。


「オイラは最初の依頼以降ずっとS級だし、そんなの知らないよ。」

「おい今なんて言った?」


 はて、一体何をすればそんな馬鹿げたことが起こるのかな?


「さすがにそれは嘘だろ?」

「本当。」


 受付嬢さん!確認よろしく!


「……本当ですね。初挑戦依頼はE級の薬草採取ですが、薬草と共にスノードラゴンの死骸をギルドに売却されています。」

「何言ってんの?」


 意味がわかんない。なんで薬草採取に出たらスノードラゴン持って帰ってくることになるの?


「いやぁ、まさか急に地面が崩れるとは思わないよなぁ。

 その中からあんなのが出てくんだから、びっくりどころじゃねぇよ。」


 あぁ、寝ていたドラゴンが目を覚まして地上に出てきたって言いたいわけね。


「うん、どこまで盛った?」

「何が?」

「いや、ドラゴン倒すなんて普通に考えてできないんだよ。」


 どうせドラゴンの死骸をみつけてそれを報告したとかそういう……


「お前だってドラゴン倒しただろ?」

「俺はレッサーを……待て、なんでそんなこと知ってる?」

「あー……」


 下手な嘘はつかないで欲しい。こんな所でエリュシオンのスピーチを聞いた奴がいるわけが無い。


「エリュシオンの記事を見て兄ちゃんのことかと思ったんだが……違ったか?」

「記事?」


 なんだそれは、記事なんて魔大陸に来るのか?


 いや、そんなものなかったような気が……


「ほら。」


 うわぁ、デカデカと魔王襲来とか書いてあるわぁ……。


 誰だよあんな混乱してる状況で写真なんか撮ったやつ。


「こんな記事どこで買ったんだよ。」

「前のギルドでだよ。

 中央大陸にあったからな、こういう記事は流れてくんだ。」


 辻褄が合った。

 嘘をついている雰囲気も……ないかな?


 信じる根拠もないが、言及できるほどの要素もないか。


「さすがにそんなの俺じゃないよ。」

「でもさっきレッサーって。」

「”レッサー”ドレイクのことだね。」


 口を滑らしたのを忘れてた。


 まぁ、ドレイクならレッサーでなくても倒せるけれど。


「とにかくS級の依頼はダメ。高ランク帯ならA級の依頼を探すよ。」

「兄ちゃんが早くA級になってくれよ。」


 俺だって早くなりたい。


 目立ちたがり屋の白(ブラン)がいるならタルタロスだ。

 だが、タルタロスに潜るにはA級以上のランクが必要らしい。


 だから早く……。


 この子には悪いが、この一週間は俺がA級に上がるのに利用させてもらおう。


「これなんかどうだ?」

「それなら受諾できます。」

「じゃあよろしく!」


 どんな依頼だ?


 マイティグリズリーの群れの討伐……


 なんつー依頼受けてくれてんの?


 この子と組んでいたら、利用する前に俺が倒れそうだ。

読んでいただきありがとうございました。


もしよろしければ、評価とブックマークをよろしくお願いします。


あと、正直なものでいいので感想をいただければ幸いです。

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