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屍が蠢くこの世界で俺は生き抜く  作者: セロ
蠢く屍のいる世界
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幼馴染とゾンビ

このペースで毎日投稿できたらいいのですが、明日からはそうもいかなくなるかもしれません。

「実?実じゃないか!生きてたんだな!」


 僕は思わず大声を出してしまった。周囲を見渡すがゾンビの姿はないようだ。


「……誠?誠なの……?」


「正真正銘藤堂誠だよ!ってその傘はどうしたの?」


 ふと実が持っていた傘に目がいく。傘は随分と赤く染まっていた。


「……ああ、これ?あいつらを倒す為の武器だよ……これで5人くらいは倒してきたかな……」


「ご、五人も!?それも一人で?だとしたら凄いな!」


 ゾンビを倒したということを聞いて興奮してしまった。


 だがその興奮もすぐに冷めた。なぜなら実はすごく疲弊していることに気づいたからだ。


 とりあえず家に入れよう。細かい話はそこで聞いた方が良さげだしな。


「うちはまだ無事だから上がるといいよ。さあどうぞどうぞ」


「……いいの?お邪魔します……」


 しかし、話し相手がいるとなると精神的にだいぶ楽だな……


 でも今は休ませてあげた方がいいかな。


「疲れてるなら横になった方がいいよ。ソファがあるから使って」


 ……ん?返事がないな、もしかしてもう寝ちゃったりとか?


 仕方ないな、毛布でもかけといてあげ……?


 な、なんだ?なんか実の肌、青白くなってないか?もしかして熱でも出たのか?


「おいおい、大丈夫?なんかすごく辛そうに見えるけど……」


 一応確認するべく、額にさわってみた。


 その額は熱を出したレベルでは無くとても熱かった。


「おいおいおい!すごい熱じゃないか!すぐに冷える物を……」


「いや……これは熱じゃ無いと思う……」


 その言葉を聞いた瞬間、俺は嫌な予感を感じた。


 まさかとは思うが……実は既に……


「実はここに来る少し前に……噛まれたの……多分それで……」


 嫌な予感は当たってしまった。実は既に死んでもおかしく無い状態だったのだ。


「う、嘘だろ!?そんな……信じられないよ!」


「ごめんね……もうすぐ私が私じゃなくなってしまう……その前に伝えておきたい事があるの……」


「な、なんだ!?なんでもいいから言ってくれ!」


「ずっと前から……好きだったよ……さようなら……」


 その伝えたい事を聞いて俺は思わず涙が出てしまった。


 もう、彼女の呼吸は止まっていた。


「俺も、お前の事が……好きだったんだよ……!」


 こうして俺は目の前で大事な幼馴染を失ってしまった。








 あれから一時間程過ぎただろうか?


 俺は実の亡骸を目の前にして座り込んでいた。


 唐突過ぎた。あまりにも唐突過ぎて現実を受け止めきれていない。


 だが彼女の分まで俺は生きなければならない。


 そう考えると力が湧いてきた。


「実……お前の分まで俺が頑張るからな……!」


 そう言うと俺は立ち上がり昼食を取りに行こうとした。


 その時、実の亡骸が動いた気がしたのだ。


 まるで俺の意志に答えるように。


 そういえば食料も減ってきている。近いうちにコンビニに行かなければならないな。


 そうしてカップラーメンを一つ取り出し三分で完成させ居間に戻った。


 だがそこで信じられない、いや信じたく無い光景があった。



 実が立って向こうを向いていたのだ。それはまるでまだ生きていたかのようなものだった。


「……実……?生きていたのか……?」


 思わずカップラーメンを近くの台に置き、そう言ってしまった。


 俺の言葉が出た時、実はこちらに振り向いた。


 その目に光は宿っていなかった。


「やっぱりか……信じたくは無かったが……」


 そう、実も奴らのお仲間入りを果たしてしまったのだ。



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