表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
99/155

第八十五話 狂い出す戦略

「人間め……今度こそ倒してやるぞ!」


 クラーケンはそう言って、縄に縛られた義経に触手を浴びせ気を失わせると、シーサーペントに向け恐怖を与えた。


「裏切り者には制裁を喰らわせねばな……」


 シーサーペントは蜷局を巻きながら、竦み上がった。クラーケンの倍はあるであろう巨体であるが、完全に萎縮してしまっている。


「シーサーペントよ、死ね――っ!」


 クラーケンは玄武池から這い上がり、陸に構えるシーサーペントに迫った。その速さは陸上生物と錯覚させる程だ。どうやら弁慶を吸収したことにより、陸上でも行動が可能になったようだ。

 やがて、その触手は薙刀に変化し、シーサーペントの強固な鱗を無惨にも引き裂いた。恐らくこれは体内に息づく弁慶の技……。シーサーペントは90のダメージを受けた。――HP160/250――

 その様子を見た真琴は、シーサーペントの傷口を撫でながら言った。


「君はボクより強い。勿論、あんな烏賊野郎よりもね。さぁ、立って!」


「私が強い?」


 クラーケンに恐怖を与えられ怯えたシーサーペントは、自分を過小評価し過ぎていた。裏切ったことへの戒めなのか、もはや以前の自信は消失していた。

 誰しも自分に自信は持てない。本来オレが言うべきことを真琴が代弁してくれた。


「さぁ、お姉ちゃん反撃だよ」


「うん。叩きのめしちゃってね」


 川姫は笑顔で真琴に答えると、DDを放り投げた。出た目は2の長い髪だ。

 真琴は髪を一つに束ね天に伸ばすと、クラーケンに向かって一直線に放った。触手に負けないくらい滑らかな動き。絡み付いた長い髪はクラーケンを締め付け75のダメージを与えた。――HP675/750――


「シーサーペントよ、見たか? これが真琴の攻撃だ。攻撃力はお前の方が上であろう?」


「わからない……」


「ならば、それを証明して見せよう!」


 オレは、DDに願いを託し手のひらから放った。出た目は6の鋭い牙だ。シーサーペントが自信を取り戻すには持ってこいの攻撃。

 躊躇いながらも、シーサーペントはクラーケンに迫った。ギロリと睨むクラーケン。


「今なら許そう。犯した罪を……」


「私は……私はこの者達についていくと決めたのだ!」


 シーサーペントの奴……吹っ切れたようだ。自ら至近距離に迫ったクラーケンの腸に、その牙は炸裂した。クラーケンは汚物を吐き出しながら、のたうち回った。クラーケンに120のダメージを与えた。――HP555/750――


「それでいい……」


「ぐはっ……」


 クラーケンは恨むような目付きでシーサーペントを下から見上げた。しかし、もう迷いはない。シーサーペントは臆することなく、それを跳ね返すかのような鋭い目付きで睨み付けた。


「どうやら、もうお前に仲間はいないようだな。水虎よ、シーサーペントの後に続け!」


「御意」


 オレは転がしたDDを回収すると、再び運命を委ねた。DDは、それに答えるかのように5の黄金の爪を示した。

 水虎はクラーケンの触手を掻き分け、その患部へと引き続き追い打ちを掛けた。臓物を回収出来なくなった腸は、ピチャピチャと音を立て大地に転がった。クラーケンに107のダメージを与えた。――HP448/750――


「はぁ、はぁ……ならば奥の手。これならどうだ?」


 突如、呻き声をあげるクラーケン。その口からは粘り気のある粘液が排出された。そして、ある程度垂れ流されると、見覚えのある男が視界に入った。


「べ、弁慶!」


「どうだ? これで手は出せまい?」


 弁慶を前面に押し出し、盾にするクラーケン。


「くっ……卑怯な……」


「……気遣いは無用だ……コイツを……コイツを倒してくれ」


 弁慶はそう言うと、事切れたかのように意識を失った。

 未だ義経も救出していないというのに、この有り様。やはりここは、村正を使うしかないようだ。


「一本だたら、村正だ」


 オレは一本だたらにそう言うと、報酬のクリスタルを差し出した。


「主よ、これだけではクリスタルが足りぬ」


「何だと?」


 この期に及んでクリスタルを要求する一本だたら。まるで沸騰するかのように頭に血が昇る。しかし、一本だたらとはそういう契約だ。


「一本だたらよ、クリスタルは後で支払う。今は一刻を争う時だ」


「やむを得ないな」


 渋々それに一本だたらが同意した時だった。クラーケンは態勢を整え、触手で全体攻撃を仕掛けてきたのだ。

 真琴、水虎、シーサーペントはそれぞれ65のダメージを受けた。――HP185/250――HP315/380――HP95/250――


「くそ……先手を取られたのであれば村正は次のターンまでつかえないか……」


 クラーケンと一体化した弁慶に攻撃する訳にもいかない。手詰まった感は否めない。


「タクマ殿……構わず弁慶に攻撃を……」


 気絶から復帰した義経が言い放つ。


「そんなことしたら、弁慶が……」


「弁慶の意思を尊重して下さい。例え、死してもタクマ殿を恨むことはないでしょう。弁慶とはそういう男です」


「気が付いたか? 貴様はまだ眠っていろ!」


「うぐぁ……」


 クラーケンは再び義経に触手を鞭のように振るい、気絶させた。


「貴様……」


「何だ……文句があるなら掛かってこい!」


 クラーケンは不気味に笑うと、弁慶を更に前に押し出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ