酒呑童子
「たわけ者! ワシの話をちゃんと聞いておったのか?」
「聞いていたよ。だから、酒呑童子と答えたんだよ」
薄々違うなと気付いてはいたが、引っ込みのつかなくなったオレは考えを押し通した。
「やれやれ……もう一度言うぞ。鏡は酒呑童子じゃなく…………」
妖怪大翁がその言葉を発した瞬間、背中にとてつもない妖気を感じた。この妖気はとは一度遭遇している……。いや、以前遭遇した時より明らかにパワーアップしてやがる。
オレが恐る恐る振り向くと、そいつは唾液を滴ながら口角あげこう言った。
「久しぶりだな……。我輩の名を呼ぶ声がするんで来てみれば、いつぞやのテイマー。我輩は嬉しいぞ! パワーアップした我輩の力を試せるんだからな……」
「酒呑童子……」
「おぉ、名前を覚えてくれてたとは。さて、今日はお前一人のようだが?」
「そんなこと、お前には関係ないだろう」
「ほう、強気だな? ならば、相手になろう」
「望むところだ!」
オレは真琴を具現化し、バトルフォースを展開した。しかし、パワーアップを遂げた酒呑童子は、桁外れの攻撃力でオレ一人の手ではどうにもならなかった。
「く、くそ……これ程、力をつけたとは……」
「油断したようだな、テイマーよ。我輩は常に上を目指し、日々進化を遂げている。お前のような、奴には負ける訳がない」
「舐めるな……」
オレは力を振り絞り、酒呑童子の足にしがみついた。
「ん? 命だけは助けてやろうという我輩の優しさがわからんのか?」
「お前の優しさなど、誰が受け取るかよ!」
「ならば、ここに屍をさらせ!」
「ぐはっ……」
酒呑童子の手刀は、オレの心臓を貫いた。黄泉の景色が、ぼんやりと薄れていく……。
オレは自分のプライドと引き替えに、命を失った。後悔しても遅い……。これが、オレの運命なのだから。
BAD END
残念ながらこちらはBADENDです。もう一度選択肢を選び直して下さい。




