お雪
これは選択肢の答えです。百三十三話をまだ読んでいない方はそちらを読んでください。
オレの出した結論……それはお雪を選ぶことだった。
お雪を助けたい……それだけじゃない。心からお雪を……。
「タクマ、何をしておる。早く、お雪の所にいってやらんかい!」
「そ、そうだな」
何処か照れ臭い……オレともあるべき者が、一人の女性に愛を告げるなんてことなど想像できただろうか。
「お雪……オレは、オレはお前が好きだ」
消えかけたお雪の魂に触れると、漂い続けていた妖気が再び定着した。
「タ、タクマ。本当に私でいいの?」
「当たり前だ。お前はオレの……最高のパートナーだ」
「うふ……嬉しい」
その言葉を聞き終えると、オレは静かにお雪を抱き締め唇を重ねた。
その冷たいお雪の体は温もりを感じるようになり、オレの体内に宿っていた三種の神器は、あるべき所に帰っていった。
「三種の神器……帰っていったね。鬼骨王と戦うにはあれがないと……」
「お雪、心配するな。もうあんなものなくても問題ない。それに鬼骨王の奴も前ほど悪い奴にも見えないしな」
「それもそうね。たとえ鬼骨王が攻めて来ても、タクマが居れば安心だし……」
「そういうことだ。さぁ、黄泉に戻ろう」
壮絶な戦いを繰り広げだ亜空間――オレ達はそこから黄泉に戻った。
甘寧や義経達はオレとお雪のことを心から祝福し、それぞれの故郷へと帰っていった。
何も変わらない平凡な日々……まるで何もなかったかのように、黄泉は妖怪達で賑わった。
あれからというもの、鬼骨王も静かに生活を送っている。いや、魔族との交流を申し出て、魔界と黄泉が手を組む形になってはいる。
しかし、そんな平和な世界など直ぐにでも飽きるのがオレの悪い癖。
「じゃあ、お雪よ、行ってくる!」
「手加減しなきゃダメよ」
「手加減? そんな器用なことがオレに出来るとでも?」
「それもそうね」
鬼骨王と開催したバトル大会――オレはDDを握り締め、妖怪墓地へと急いだ。
「さて、久し振りに暴れてやるか」
そう、呟きながら。
長い間読んで頂き、ありがとうございました。
これにて、この物語は完結となります。もし、よろしければ、もうひとつのエンディングも読んでください。




