第百三十一話 限界突破
オレ達を弄んだ悪の元凶……月読命――今まで黄泉も魔界も踊らされていたということだ。
「鬼骨王よ! 準備はいいな? 徹底的にやるぞ!」
「言われるまでもない。貴様こそ足手まといになるなよ」
「ふん……行くぞ!」
タクマ LV75 ランク計測不能 特性 炎、水、雷軽減 聖属性
HP15000 MP150
攻撃力1200
素早さ255
スキル『聖なる鉄槌』(30)『闇の衣』(20)『デスブレイカー乱舞』(20)
「私も戦うからね」
「お雪……頼んだぞ! バトルフォース展開!」
恐らく正真正銘最後のバトルフォース展開。そして、お雪に対する初めてのバトルフォース展開。これでお雪の秘めたる力も明らかになる。
お雪 LV65 ランクSS 特性 水、吹雪吸収 炎に弱い
HP8500 MP300
攻撃力900
素早さ250
1 通常攻撃
2 3 吹雪の舞(50)
4 氷の抱擁(50)
5 治癒(70)
6 鉄壁(40)
――お雪……(雪女)黄泉に生息する妖怪の中でも優れた回復術と水、氷属性の技をを持つ。しかし、その能力を嫌った鬼骨王に封印されてしまっていた――
「お雪……ここまでお前が凄い妖怪だったとはな」
「タクマ。お喋りは月読命を倒してからよ」
「そうだな」
戦闘の準備が整ったオレ達の横で、鬼骨王が雄叫びをあげる。
「ぐぉぉぉぉ!」
さっきまでとは比べ物にならない妖気――味方であることが頼もしく思える程だ。
鬼骨王 LV75 ランク計測不能 特性 稀に反撃
HP14000 MP200
攻撃力1000
素早さ120
スキル『冥界の鉄槌』(30)『地獄の灯火』(20)
お雪にしても鬼骨王にしても、素晴らしい力だ。これなら月読命だろうと問題ではないだろう。
「じいさん、奴の月読命のステータスを頼む!」
「お前達は大馬鹿者じゃ。どうなってもワシは知らんぞ!」
「ぐだぐだ言ってないで早くしてくれ!」
「わかっとるわい!」
月読命 LV99 ランク計測不能 特性 自己修復
HP10000 MP999
攻撃力2000
素早さ計測不能
スキル『神の手』『二刀流』
「何だ……神って言っても大したことないだな」
「ふぉふぉふぉ。小僧……言葉を慎め! これから地獄すら温いと思える世界を見せてやる! 行くぞ!」
月読命の揺れる髪が、オレの横を通り過ぎる。このオレでさえ、肉眼で捉えるのがやっとだ。
「決めた! 最初は鬼骨王! 貴様から料理してやるぞ」
あまりに高速の為、残像すら見える大剣。それは意図も簡単に鬼骨王の右腕を捉え、切断していた。
「うぐぁぁ!」
「何と脆い……」
ボトリと落ちた鬼骨王の右腕を、月読命は蹴り飛ばした。鬼骨王は2000のダメージを受けた。――HP12000/14000――
「鬼骨王――っ!」
「心配するな、ダグーマ。これぐらい再生可能だ。ふぬぅ!」
鬼骨王は切断された右腕を睨み付けると、新たな右腕が現れた。
「化け物か?」
「ダグーマ。貴様に言われたくない。さぁ、反撃だ!」
「ふん!」
体力は大したないが、あの攻撃力は脅威だ。迂闊に近付けば、このオレも鬼骨王の二の舞になりかねない。
「隙があればいいのだが……」
隙――このオレを越えた素早さに対向出来る唯一の手段。
「アレしかない……デスブレイカー乱舞!」
オレは月読命を一撃で捉えるつもりで、持てる力をデスブレイカーに全てを注ぐ。
「来るか?」
「吠え面かくなよ!」
聖属性を纏ったデスブレイカーの剣先を、月読命の心臓に向ける。
増幅された力は幾重にも広がり、限界を越えた“破壊”が月読命へと食らい付いた。
「喰らえ!」
閃光……デスブレイカーは、月と届いてもおかしくないくらいの光を放ちながら、月読命の心臓へと突き刺さった。自分でも怖いくらいの破壊力――。周りに何も物質が存在しないからわからないが、あれば全てが吹き飛ぶ程だ。
「はぁ……はぁ……もう、立ち上がれまい」
月読命に3000のダメージを与えた。――HP7000/10000――MP20消費130/150――
月読命はスクッと頬に付いた埃を祓うと、不気味に口角を上げた。
「残念な奴め……見るがいい神の力を」
「何?」
確かに引き裂かれた細胞が一点に集まり、傷付いた月読命を癒していく。月読命は3000ポイント回復した。――HP10000/10000――
「くだらん……貴様らの力はその程度か? だとしたら、暇潰しにもならない。ふぉふぉふぉ」
亜空間に、月読命の高らかな笑い声だけがこだました。




