峰打ち
この話は選択肢の答えです。第八十六話を読んでいないなら、そちらから読んで下さい。
弁慶を傷付けずに救出するには峰打ちしかない。瞬時に判断したオレは、クラーケンの顎に峰を打った。
「どはっ……」
血ヘドと共に排出された弁慶は、放物線を描きシーサーペントの背中に横たわった。
「一丁上がりだな。シーサーペントよ、弁慶を安全な所へ」
「御意」
これで思いきり戦える……と、言いたい所だが、義経がまだ囚われの身だ。
「タクマさん、真琴でクラーケンに攻撃を仕掛けているうちに水虎で義経さんを……」
「そうだな。その作戦でいくか……」
「うん」
川姫は作戦を遂行するべく、DDを振った。その結果を見る前に、オレもDDを転がす。
川姫の振ったDDは……4。4というと……ミスだ。
「タクマさん、ごめんなさい」
仕方ない。運命には逆らえないものだ。オレが振った目は1。やむを得えずそのまま水虎には、義経が縛られているマストへと向かわせた。
「ふぬっ!」
義経を捉えている縄に、貫通パンチを繰り出す水虎。
「水虎、急げ!」
「戦闘中だぞ! ここで何をしている?」
「しまった! 遅かったか……」
背後に迫るクラーケンに足が竦む水虎。やはり、強行突破は無理だったか。
一難去ってまた一難……この窮地を救うのは、シーサーペントしかいない。
オレは気持ちを切り替え、DDを振った。




