表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

漆の章 決着、そして…

アプトム『…おい…手を貸せ…』


(もみじ)「え…?」

(あや)「ど、どうしました…?」


アプトムのいきなりの発言に、面食らった様子で反応したのは椛と文である。


アプトム『トドメは晶に譲るにしても、ギュオーに借りの一つくらいは返しておかんと、な…』

文「そ、その有様で何を言って…!?」

椛「そうですよ、今下手に動いたら死んじゃいま…!?」

アプトム『…オレは、お前らが考えてるような存在ではなくてな…とりあえず、お前らはオレの身体を支えてくれればいい…急げ、ギュオーに時間を与える訳にはいかん!』

文&椛「「っ…!」」


ゼクトール『霊夢、魔理沙、アリス…すまんが頼みがある…』

霊夢(れいむ)「ゼクトール…?」

アリス「なにを…する気なの?」

ゼクトール『すまんが身体を支えてくれ、このザマではバランスが取れん…』

魔理沙(まりさ)「な…バカ言うな、大人しくしてろよ!?」

ゼクトール『…いや、ガイバーに助太刀するためにも、せめて一撃…ギュオーにくれてやらんとならんのでな。頼む…手を貸してくれ』

アリス「あ、あのねぇ…!?」

アリスは何かを言いかけたが、それを制したのは霊夢である。

霊夢「…無理は、しないわね?」

ゼクトール『…ああ、今できるのは頭のビーム砲で一撃くれてやるだけだが、それで充分な援護になるはずだ…』

霊夢「…分かった…」(ゼクトールの背後に回る)

魔理沙「お…おい、霊夢!?」

霊夢「こうなったらやるだけでしょ。二人とも、手伝ってよ…重いのよ」

アリス「……あぁもう、少し待ちなさい!!」

魔理沙「わ…分かった!!」


〜上空〜

ギガンティックに鉄拳(グラビティナックル)を直撃され、頭部の【ゾアクリスタル】にヒビが入った事による衝撃は、ギュオーの脳だけではなく【強殖装甲(ユニット)】の中枢たる【制御装置(コントロールメタル)】にも凄まじい負荷を与え…一時的に【強殖装甲(ユニット)】が機能不全を起こしてしまっていた。

ギュオー『う…ぐ…おぉぉぉ…!?』


頭を抱えて悶絶するギュオーに対し、距離を取ったギガンティックは…その胸部装甲を展開、必殺の【胸部粒子砲(ギガスマッシャー)】を発射すべくエネルギーを集中する…!

ギガンティック(く、間に合うか…!?)


エネルギーをチャージしつつ、ギガンティックは内心僅かに焦りを覚えていた…。このままでは、僅かにギュオーの回復の方が速い、そうなればヤツは反撃をして…いや、全力で逃走を図るだろう。

そうなれば…この勝手が分からない幻想郷を逃げ回るギュオーを捕捉し直すのは、どうしても凄まじく困難となるはずだ。

そして…ただ逃げ回るだけでは済まない、確実にギュオーはこの地に甚大な被害をもたらす…それは確信として、ギガンティック…いや、晶の脳内で警報を発していた。


ギガンティック(ギュオーが【強殖装甲】に慣れてしまったら、間違いなく最悪だ…だからこそ、ここで確実に仕留めなくては!)

内心の焦りを抑えつつ、ギガンティックはチャージの完了を待つ…と、ギガンティックの【頭部三次元レーダー】が稼働…複数の情報を伝えてくる。


”後方に複数の高エネルギー反応有り”

”射線は正面の存在に向いている”


…との情報から、ギガンティックは全てを察した。

ギガンティック(よし…なら、俺はやることを、この一撃を命中させる…それだけに集中するんだ!!)


…そして、どうにか鉄拳(グラビティナックル)のダメージから回復したギュオーだったが、その刹那…凄まじい威力を秘めた光線が己めがけて迫る事を察知、慌ててバリアを展開、光線を弾く!


ギュオー『チっ…くたばり損ないが、どこまでも鬱陶しい真似をしおって…ぐおっ!?』


ところが、この光線〜ゼクトールが放った粒子ビーム〜は半ば囮であった!続けて放たれたアプトムが放った熱線は、バリアを展開したがために動きを止めた形のギュオーのバリアを貫通、少なからぬダメージを与える事に成功した!


椛「や…やりましたね、当たりましたよ!?」

文「初弾の…ゼクトールさんでしたか、上手く止める形になったからこそ、ですが…かなり効いてますね!」

アプトム『……』


魔理沙「ちぇ…当たりはあっちか…」

アリス「何を悔しがってるのよ…十二分でしょ、この結果なら」

霊夢「そうね…けど、あっちもあっちで凄いことになってるみたいだけど…」

ゼクトール『…大丈夫だ、この勝負…俺達の勝ちだ!』


霊夢•魔理沙•アリス「「「え…?」」」


アプトム『いけ…晶、ここでケリをつけろ!!』

文•椛「「…!」」


そして…


ギガンティック『うおぉぉぉ…!!』

ギガンティックの雄叫びと共に…その胸に輝く二つの太陽の如き光球から、凄まじい力を秘めた超高熱、大出力の粒子ビーム…【胸部粒子砲(ギガスマッシャー)】が解き放たれた!!


ギュオー『…な…し、しまった…!?』

回避すら間に合わず、咄嗟に展開したバリアすら意味を為さない…猛烈かつ凄まじい威力を秘めた強大な閃光の中に飲まれ、ギュオーは溶け…そして消えて逝く!

ギュオー『…お…オレは死なん、【超存在(オーバーロード)】であるオレが、こんなことで死んでたまるものかァァァ!?!?』


胸部粒子砲(ギガスマッシャー)】の圧倒的な光に飲まれ、溶け崩れて逝くギュオーの無念の咆哮は、誰の耳にも届くことなく…砕け散った【ゾアクリスタル】と【制御装置(コントロールメタル)】ともども、ギュオーの肉体の総ては原子の塵になり…跡形もなく消え失せた。


霊夢「…凄い…!」

魔理沙「な……!」

アリス「なんて凄まじい『力』なの…」

文「あ…あんな存在が、いていいんですか…本当に…」

椛「……(放心状態)」


ゼクトール『…アレがガイバーⅠ、だと言うのか…改めて見ても、信じられん…全てが桁外れすぎる…』

アプトム(…間違いなく、ギュオーは完全にくたばったようだな。反応が何処にもない…あんな悪党の末路としては、上等なものだが…)

ギガンティック『…ひとまず、決着はついた…な。村上さん、小田桐主任、速水さん…やりましたよ…みんな…!』


霊夢やアプトム、その近くに着地した【巨人殖装(ギガンティック)】…それぞれが結末を見届けていると、彼ら彼女らの近くで『何か』が開くような気配が生じ…大きめの袋を抱えた銀髪のメイドが忽然とそこに現れていた。

彼女は【紅魔館(こうまかん)】のメイド長、『十六夜咲夜(いざよいさくや)』その人である。


咲夜(さくや)「…皆様、お疲れ様です。そして…アプトム様、ガイバー…いえ、深町晶(ふかまちしょう)様、重ねてご協力、感謝致します(一礼)…。」

霊夢「あら咲夜…何か用?」

咲夜「霊夢…用があるのは、貴女にではないわ。そちらの二人…深町様とアプトム様に対して、よ」

アリス「…?」


咲夜は自身が抱えた袋を示しながら言葉を発する…。


咲夜「お嬢様と紫様、そしてパチュリー様から預かって来たのよ…回復の霊薬を、ね。そちらの…確か、『ゼクトール』様…でしたか、貴方の分もありますので、遠慮なくお使いくださいませ」


魔理沙「へぇ、珍しく大盤振る舞いだな…今度また借りに行くかな…?」

咲夜「それなら、私のナイフで歓迎してあげるわよ…魔理沙」

ゼクトール『……』


ギガンティック『アプトム、大丈夫か…?』

アプトム(再生中)『問題はない…少し、完全再生が遅くなるだけの話だ。しかし…まずは一つ、片付いたな』

ギガンティック『ああ(頷く)…この調子で、色々と進めば有難いけど…』

アプトム『あまり欲張るな…こういう時に欲張ると、大概ロクな事にはならん。後は…ん?』


文「(二人の間に割り込む)さ〜てさて、お二人には色々と聞きたいことが山積みでしてねぇ…私の新聞のネタになっていただきますよ〜!」


ギガンティック(唖然)『…は、はい…?』

アプトム(唖然)『…なんだ、一体…』

文「あ…改めて自己紹介をば。私は射命丸文…新聞記者をしております。あなた方とこの異変の詳細を新聞にして、今後の対策も兼ねて広めておこうと思いましてね、そういう訳でして…!」

椛「あ、文さん…いくらなんでもいきなり過ぎませんか、それ…?」


??「はしゃぎ過ぎだよ、文…あんたには、こっちからも聞きたい事があるからねえ…記事書きは後にしな」

??「しかし、派手にやったもんだねぇ…私らも混ざりたかったんだけど、遅かったか」

文&椛「「え…(硬直)!?」」


霊夢「す…萃香に勇儀じゃないの、それに…その有様は一体…?」


勇儀「これかい…?さっき、あんたたちの前にギュオーとかいう奴にちょっかいかけたら…このザマさ」

萃香「で、やられっぱなしは癪に障るから仕返しに来たんだけど…一足遅かったみたいだね。で…そこの大きいのが、さっきの強烈な【力】の主かい?」


霊夢たちに声をかけてきたのは勇儀と萃香の二人〜衣装はボロボロで、勇儀に至っては血塗れである〜だが、アプトムは平然とした様子と口調で文と椛に声をかける。


アプトム『(文と椛に)…お前らの知り合いか?見たところ【獣化兵(ゾアノイド)】ではないようだが』

椛「…あ、その…む、昔の上司、みたいな方々です…はい(戦慄)…」

文「え…あ、その〜…じ、事態は解決しましたから、その〜…ご報告は後ほどさせていただきたく(恐怖)…?」


ギガンティック『つ…角が生えてる…まさか、(おに)?』

勇儀「へぇ…鬼を見たのは初めてかい?とんでもない【力】の持ち主なのに…変わってるねぇ」

萃香「(目を見開く)まさか…あんた、そんなナリしてて人間かい?変化の術にしても凄いもんだねぇ…」

勇儀「(アプトムを見ながら)…で、そっちのも人間の臭いは一応するけどもさ、さっきのギュオーよりも薄いねぇ…あんたら、揃って本当に何者なんだい?」


ギガンティック&アプトム『(黙って顔を見合わせる)…』

咲夜「お二人もいらしたのですか…。(小声)なるほど『霊薬を多く持って行け』とは、この事を指していたのね…流石はお嬢様…」

咲夜「(改めて声をかける)必要なら、霊薬はお分けしますが…いかが致しますか?」

勇儀「気遣いは受け取っておくよ…だが、必要ないかな」

萃香「…けど、この二人…一応聞くけど、どうやってここへ?それに…なんか剣呑な気配してんだけど、さっきからさ…」


萃香の言葉がきっかけ…という訳では無いのだが、魔理沙とアリスから霊薬を浴びせられていたゼクトールと、咲夜と椛から霊薬を浴びせられていたアプトム…双方、戦闘形態(バトルスタイル)では普通の飲食が不可能なための措置である…が、タイミングを合わせたように立ち上がると、静かに言葉を発したのだ。


アプトム『…ゼクトール、分かっているな?』

ゼクトール『当然だ…あの時果たせなかった、仲間たちと俺の左足の復讐を果たさせてもらう。ガイバーⅠ、貴様との決着はその後だ』

ギガンティック『……』


霊夢「な…ち、ちょっと…!?」

魔理沙「ま、待てよ…なんでだよ!?」

文「ま…待ってください!?」

椛「な…なんで、なんでいきなりそんな…!?」


アリス「……」

咲夜(…復讐、ですか。深町様とアプトム様、そして…あのゼクトール様との間には、一体どんな因縁があるというの…)

萃香「…ふぅん…」

勇儀「さぁて、どうなるやらねぇ…」


ゼクトールから一部の事情を聞かされていたアリスと、晶とアプトムの召喚時に事情の一部を聞いていた咲夜、そして…何らかの気配を察した萃香と勇儀は黙って見ているが…他の面々は驚愕と混乱のあまり、双方の間に割って入ろうとする、が…。


アプトム&ゼクトール『『手を出すな!!』』

一同「「…っ!?」」

ゼクトール『これは…俺と奴の問題だ、お前らには関係ない!』

アプトム『そういうことだ…離れていろ。巻き込まれて怪我…いや、最悪死んだとしても責任なぞ取れんぞ!』

二人は同時に吠え、そして…ゼクトールが腕から【高周波ソード】を、アプトムが【高周波ランサー】を展開、互いに間合いを詰めて斬りかかる!!


二人『うぉぉぉ……!!』


そして…激戦が始まった…。


魔理沙「お、おい…なんで止めないんだよ!?」

文「さ、さすがに道理も何もないですよ、こんなの…!?」

椛「なんで、どうして止めないんですか!?」

魔理沙と文、椛は傍観しているギガンティックに食ってかかるが、それを止めたのは霊夢とアリスである。

アリス「ちょっと落ち着きなさいな…」

霊夢「落ち着きなさい、あんた達…。【がいばー】さん…確か、さっき言ってたわよね、ゼクトールは敵だった、って…どういうこと?」


ギガンティック『(頷く)あぁ…アプトムとゼクトールは…かつて同じ組織、ギュオーも所属していた組織【秘密結社クロノス】に属していた、そして…クロノスは今でもたくさんの人を殺してる…。そして、その中には俺の父さんも含まれてた。特にゼクトールは…父さんの死に、直接…関わってるんだ』

全員「…!?」


ギガンティック…晶の話を簡単にまとめると、アプトムとゼクトールはクロノスに所属していたが、かなり複雑な事情を経てアプトムはクロノスを離反、そして晶の仲間となった。

アプトムは仲間になる直前…クロノスを離反した直後に基地を襲撃、その際にゼクトールの仲間を殺し…そして、左足を奪ったというのだ。


ギガンティック『そのしばらく後、東京の新宿で…アプトムとゼクトールは遭遇、戦ったんだが…決着のつく前に俺が到着、ゼクトールと戦って…そして、その時にゼクトールは死んだ、と…聞いていたんだ』

椛「…ちょっと待ってください、【がいばー】さん。あなたは、その時のことを覚えていないのですか…?」


椛の質問に、晶は頷きながら答える。

ギガンティック『あぁ…俺はその時、意識が戻ってなかったからね。この【巨人殖装(ギガンティック)】の状態での無意識の防衛行動で、ゼクトールを追い詰めた結果、そうなった…って仲間たちからは聞いてる。最も…戦闘記録はきちんとあるんだけど』


アリス(…そういう事情だったのね、それなら…口出しなんて無理だわ)

霊夢(彼らの間には割り込めないわね…私たちでは)

文(下手な口出しは、無理ですね…これは。でも…)

魔理沙(でも…どうしろってんだ、こんなの…!?)

椛(でも…でも!?)

咲夜「…無礼を承知でお聞きします、深町様。あなたは…彼を、ゼクトール様を今でも殺したいですか…『お父様の復讐』を、果たすため…」

全員「な…!?」


咲夜の冷徹とも言える質問に…晶はしばらく黙っていたが、静かに口を開く。

ギガンティック『いや…ゼクトールを殺しても、父さんはもう戻ってこないし、そんなのは父さんも望んじゃいないはず。それに…俺は、俺やアプトム、ゼクトールのような人間を、もうこれ以上は増やしたくない…だから、クロノスと戦ってるんだ。そのことはアプトムも理解して協力してくれてる。だからこそ…』


勇儀「…綺麗事、と言えばそれまでさね。だけど…そう口にして、なおかつ行動しようとしてるあんたは、大した奴だよ…気に入った」

萃香「久しぶりに、霊夢たち以外でこんな骨のある人間を見たよ…いいよ、あんたに協力してやる。あの2人…止めたいんだろ?」

ギガンティック『え…』

勇儀「(微笑みながら)私らも、見た目通りの歳じゃないからねぇ…長く生きてるぶん、割と見ればわかるつもりさ。けど…」

萃香「さて…どうするかねぇ。ホントにとんでもない事になってるけど(思案)…」

その言葉と共に、勇儀と萃香…つられて全員が視線を向けた先で起きているのは…先刻の激闘に匹敵する、凄まじい戦闘の光景である…!


アプトムとゼクトール…2体の【超戦闘生物(ハイパーバトルクリーチャー)】の激突は、その速度や攻撃の一つ一つに秘められた威力…全てが壮絶を極めている状況だった。

互いに距離を詰めて斬り結んだかと思えば、距離を空けて飛び道具の撃ち合い…外れた攻撃が地面を削り、時に炸裂する様は、苛烈な戦場そのものである…!


が…その天秤は徐々にだが、アプトムへ傾きつつあった。

ゼクトールの能力はアプトムに全て知られているが、今のアプトムの能力の全貌をゼクトールは知らない。ギュオーの腕を取り込んで強化された身体能力と取得した能力…そして、アプトムが重ねてきた凄まじいまでの戦闘経験が、二人の間に明らかな『戦力差』を生じさせてきたのだ…。

ゼクトール(く、くそ…ここまで戦力が開くだと、そんな…そんなことが…!)

ゼクトール『み…認めてたまるかぁぁぁ!!』

ゼクトールは咆哮と共に全身のビーム砲を展開、アプトムめがけて全力照射する…が!!

アプトム『……(バリアを展開、全弾弾き散らす)』


アプトム『…決着をつけてやる、ゼクトール』

ゼクトール『!?』


アプトムが静かに、決意を込めて呟き…ゼクトールが反応した刹那…アプトムの胸から必殺の冷凍攻撃【フリージング•カタストロフ】を超えた、絶対零度の究極攻撃…【アブソリュート•コキュートス】が放たれる!!

ゼクトール『そんなもの!!』

広範囲に放たれた極低温の冷凍ガスを前に…ゼクトールは全身を【赤熱化】させてこれを凌ぐ…が、アプトムの狙いはまさにそれであったのだ。

アプトム『もらった!!』

ゼクトール『な…しまった!?』


【赤熱化】と【全身放電】を使うときは、一瞬動きを止めて溜めを作らなくてはならない…その刹那を見逃さず、アプトムの叫びと共に放たれた【切断波(スラッシュウェーブ)】は…【赤熱化】のために動きを止めたゼクトールの頭部ビーム発射口と背中の翅、そして左脚を切断…バランスを崩したゼクトールはそのまま墜落する!!


「「ゼクトール…!?」」


勇儀「こりゃ…勝負あり、かねぇ」

萃香「おや…まだやる気みたいだよ、あのかぶと虫みたいな奴」

咲夜「…あの二人から、凄まじい執念を感じます…が、もはやここまででしょう。この勝負…」

ギガンティック『アプトムの、勝ちだ(静かに動き出す)…』


それなりの高度から墜落したものの、ゼクトールは今や身体の強度と耐久性は常人のそれとはまるで違う【戦闘生物(バトルクリーチャー)】である。落下のダメージは想定内にあるが…それ以前に翅と脚、頭部ビーム発射口を潰されたのが痛すぎる、と状況を察知していた。

ゼクトール『お…おのれ…!』

アプトム『……』

近くに着地したアプトムは、出力と範囲を調整した【アブソリュート•コキュートス】を放ち…ゼクトールの周囲を凍結、彼の動きを封じてしまった。


アプトム『これで…決着だ、ゼクトール』

ゼクトール『なら…さっさと殺せ。復讐すら果たせんようなザマで、俺に生きる意味など…』


アプトム『…かつて新宿で、貴様は言ったな。仲間の仇を討つ、と。今ここで、貴様を殺るのは簡単だ…が』

静かにアプトムは視線を向け、ゼクトールもつられてそちらを見、そして…驚愕した。

魔理沙、椛、アリスの三人が、アプトムに対して攻撃態勢を取っているのに気づいたからだ。


ゼクトール『な…何をしている、お前達!?この件は…』

魔理沙「黙ってろ、ゼクトール…悪いけど、その言葉は聞かないぜ(八卦炉を構える)」

椛「すいません、アプトムさん…これでおしまいにしてください、さもないと(刀を構える)…」

アリス「私たちが、あなた達の事情に口出しする権利も資格もない…それは分かるわ、けど…ゼクトールは私たちの『仲間』なの。アプトムさん…だったかしら、あなたなら、この意味は分かってくれるでしょ(人形を展開しつつ)…?」


アプトム『…そういうことだ。そして…俺の知る【ゼクトール】は、あの日…新宿で死んだ、貴様は、俺の知らん別人だ(背を向ける)』

ゼクトール『ふ…ふざけるな、貴様…このゼクトールに情けをかけるというのか!?舐めるのも大概にしろ!!』

アプトム『お前、アイツらは仲間ではない…とでもいう気か?アイツらのために、あの時と同じかそれ以上に必死に戦っていたろうが、貴様…』

『それに、今の貴様を取り込むのは俺にとって危険すぎるからな…もう、二度と会うことはなかろう。貴様は勝手に生きろ、ここで…新しい仲間と共に、な』

ゼクトール『な…ま、待て…何故だ、何故…貴様!?』


ゼクトールの絶叫に耳を貸さず、アプトムは静かに離れていく…それを出迎える形になったギガンティックは、アプトムに語りかける。

ギガンティック『これで…よかったんだな、アプトム』

アプトム『ああ…奴の能力は総て持ってるからな、今更パワーアップにはならんし、そもそも奴は俺に対するウイルスと抗体を持っている。そんなモノを取り込んでは話にならん…』

ギガンティック『そうか…なら、俺達も帰してもらおう。もう…ここに居る理由は無くなったし』

アプトム『ああ(…これで良いだろう、速水)…』


ギガンティックを格納したガイバーに答えつつ、アプトムは氷漬けにしたゼクトールと、その周りに集まって氷を砕こうと悪戦苦闘を始めた魔理沙たちを眺めていた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ