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王子様はゴミ屋敷の引きこもり住人  作者: 加阪あおか
第四章:私がいたいと思う居場所
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再会④

キュナは王宮の中のルカルナが普段仕事をしている部屋に通された。そこでキュナは今日の出来事を説明し、港でみたフォザリアは乗り込んだ商人たちの人相をスラスラと用意された紙に描きだした。


「キュナは絵がうまかったんだな」


「はい、あの・・・あのフォザリアさんが乗り込んだ奴隷を買っていた奴は以前父親に売られそうになった時の奴隷商人に似ていたんです」


「名前とか知らないか?」

「確か・・・ブーラ商会とか言っていた気がします」


「その情報とこの似顔と行先が分かっただけで十分な情報だ。後は任せろ!必ずフォザリアを連れ戻してくるから」


ルカルナはキュナが描いた似顔絵を受け取ると、すぐに立ち上がり控えていた部下にすぐに命令をくだした。


「安心しろ、すぐに港に騎士団を向かわせた。お前は店に戻っていろ。フォザリアが留守の間店を閉めるかどうかは全員と相談して決めろ。ビゴーラにもそっちに手伝いに行ってもらえるように伝えておくから」


ルカルナはそういうと、まだ手が震えているキュナに温かい紅茶を注いで飲ませた。

そして笑顔で言った。


「あいつのことだ、きっと何くわぬ顔をして戻ってくるから、キュナは店を頼む」


「あっあの、ルーカスさんって・・もしかして」

「このことは店の連中には内緒だぞ」


「はっはい、あの、店長のことよろしくお願いいたします」

「ああ任せておけ」


その時扉が勢いよく開き、リアムスとビゴーラが入ってきた。


「殿下!出発の準備が整いました」

「そうか父上には報告したか?」

「はい!出国の船の手配も済みました」


「わかった。ビゴーラ、急で悪いがこっちの事は後回しにしてもらって構わないから店の方を手伝ってやってもらえないか」


「はい、かしこまりました。フォザリアのことよろしくお願いいたします」

「わかった」


ルカルナはそういうと、リアムスと部屋を飛び出して行った。まだ震えが止まらないキュナをビゴーラが近づきそっと優しく抱き寄せた。


「大丈夫だよ。殿下が必ず連れ戻してくれる。あの子の事だ、よほど大切な子が奴隷になっていたんだね。そのまま見て見ぬふりのできない子だからね。まったく、心配するこっちの身にもなってもらいたいもんだね」


「そうですよね・・・何だか嫉妬しちゃいます」

「本当だね」


ようやく笑顔を見せたキュナにビゴーラも笑顔で返した。


その後、ビゴーラはキュナと共に店に戻り、フォザリアは急用でしばらく戻ってこれないことを伝え、真実は伝えなかった。その代わりに、ビゴーラはその日から店で寝泊まりをし、いつもと変わらず店をフォザリアの代わりに代理店長を務めた。



その頃、のんきに船底で眠りについてしまったフォザリアを乗せた船は早々にサザンクラース国に向けて出港してしまったのだった。



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