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王子様はゴミ屋敷の引きこもり住人  作者: 加阪あおか
第三章:大切なもの
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気になる視線

実はルカルナとフォザリアがバルコニーで二人でダンスをしていた時、ある人物もまた二人の様子を眺めていた。フォザリアはルカルナとダンスを踊っている時、どこからか見られているような視線を感じたのだ。


「どうかしたのか?」


ダンスの最中周りをチラチラ伺うようにしながら踊るフォザリアにルカルナが小声で言った。


「何だかみられているような気がするんだけど」

「リアムスじゃないのか、一応何かあった時の為に影から見張っているからな」

「それは私も気付いていたわ。そうじゃなくて…」


なんだろうロンダと舞踏会の会場に入った瞬間から何か見られている感じがずっとしていたのだ。見られている視線は他の女性陣とはどこか違う感じがしたのだ。

フォザリアはダンスを踊りながらどうも気になる視線を捜し続けたが、見つけることができなかった。


そう…最後のダンスをルカルナと踊る為にバルコニーでダンスを踊っている様子をリアムスが立っている反対側の場所にいたのはサルデーニャの親友だというサルジュがいたのだ。


リアムスはそのことに気が付いていたが、サルジュが口に手をあてて黙っているように指示したため、何もせずに見守っていた。仮にも隣国の王妃であるサルジュが何かするとは思えなかったからだ。サルジュもまた二人のダンスの邪魔をするわけでもなくただフォザリアをじっと見ているだけのように見えた。


実はルカルナもフォザリアをずっと目で追っている人物がサルジュであると気づいていた。しかしどうしてなのかは本人に問いかけることはせず、フォザリアとのダンスを優先していた。


「気にするな、ダンスの邪魔をする奴はいないはずだ」

「そうね、ダンスの途中に割り込む人はいないわよね」


フォザリアはそう言った後、気にするのを止めダンスを楽しむことにした。その様子をじっと見ていたサルジュに舞踏会に参加していたサザンクラース国の隣国の王女のビルラが話しかけてきた。


「あらこんな所にいらしたんですのサルジュ様」

「・・・」


返答しないサルジュに対してお構いなしにビルラは話を始めた。


「あら、ルカルナ様ったらこんな所であんな賤しい女とダンスをしていたのね。そうそうお聞きになりまして?」


「あらどなたかとお間違えになっているのではなくて、噂話なら他でなさったら」



「あら嫌ですわ。仮面を付けていらしてもわかりますわ。気品がおありですもの。あのような賤しい身分の女と違ってね」


「賤しい身分?誰のことを言っているのですか?今夜は仮面舞踏会、仮面の下が誰かなんて詮索はしないルールのはずですわよね」


サルジュが指摘すると、少しひるんだかのような態度を見せたが口元がゆがみ、お構いなくまた耳元に話かけてきた。


「あら、お言葉を返すようですけれど、それは身分が高いものばかりという前提の話なのではありませんこと?仮面舞踏会だからってトルマーバルト王家の舞踏会で王族の方がたに同行して我がもの顔で参加しているなんて、国の名誉にもかかわるんじゃないかしら」


「あなたが心配することではないのではなくて、あなたはこの国の人間ではないのですもの」

「そっそれはそうですけれど」


ビルラ王女は返答に困ってしまったように見えたがどこかに行くわけでもなく何かしゃべりたいことがあるのかサルジュの側を離れようとせず、かまわずまた喋り出した。


「でっですけれど、あの者に近づくのはおやめになった方がよろしくてよ。先ほどから熱心にルカルナ様と踊っているあの者を見ているようにお見受けしたものですから、お近づきになろうと思っていらっしゃるおつもりならご忠告して差し上げようかと思いまして来ましたのよ。先ほど入手しました噂をお耳にお入れした方がよろしいかと思いましてね」


「あら何かしら?」


サルジュがそういうと、その女性は得意げに話し始めました。


「あの者はフォザリアの店とかいう店をこの都に出していて、周りには身分のある家柄と触れまわっているみたいですけれど、本当はただの平民らしいですわ。よりにもよって王家主催の舞踏会にまで入り込んでトルマーバルトの王家の皆さまと同席しているなんて生意気だとおおもいになりませんこと。サルデーニャ様にうまく取り入っているようですけれど、実はこの城の掃除婦だったみたいですのよ。しかも孤児だそうですわ。どこの誰かもわからない賤しい身分の者が王家主催のパーティーに堂々と出席しているなんて、この国も警備は大丈夫なのかしら」


サルジュは得意げになってペラペラしゃべっているビルら王女に向かって言った。


「あら、生まれがどうであれ、今はこの国で立派にお店を経営しているのでしょう。彼女の店の商品はどれも素敵だったわよ。自分の生まれた身分しか自慢のない連中よりは遥かに素敵だと思うわよ。それに今日は仮面舞踏会、貴族しか出席してはいけない決まりなんてなかったのではなくて、あそこにいる男性もこの国の豪商のブブド様かと思いますけれど、彼も確か貴族ではなかったのではないかしら?あそこの方も有名な音楽家ですけれど、貴族ではないのに堂々といろんな方とお話しをしているわね。あちらの方たちにもご忠告して差し上げれたどうかしら」


サルジュがそういうと、ビルラは真赤になりながらサルジュの元から離れて行った。


「まったくどんなに豪華なドレスを着ていても心の醜さは隠せないわね」


一人になったサルジュは手に持っていたグラスのワインを一気に飲み干し、そっとその場を離れた。


「調べてみる必要があるわね、あの背中のあざといい、あの顔・・・昼間は気が付かなかったけれどあの顔は・・・」


サルジュは独り言をつぶやきながら、バルコニーから離れ舞踏会を後にしたのだった。

その次の日サルジュは早々に国に戻って行った。フォザリア雑貨店に大量の注文を残して


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