表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は無関係です!  作者: あやめ
無関係だと思いたい
30/37

ここは


はっ!!

っ!!


うー身体が重い…頭も…


どうやら今回は縛られたりはしていないようだが

身体がうまく動かせない



今度はどこに連れてこられたんだろう

森川さんの話からすれば

ここは森川さんのお兄さんのとこだよね



首だけ動かして左を見る

壁だった


右側には少し離れた場所に窓が、その下に棚があるが何も置いてない。随分殺風景な部屋だ。




体が鉛のように重くてもうこのまま寝ていたい

気分だけど…





うーん…よし!

気合を入れて、勢いをつけて思いっきり横に転がった




…うわっ!


加減を間違えてベッドから落ちた



イタタタタ…

うー咄嗟に手が出なくて思いっきり床に鼻をぶつけた

痛い





『何やってんの?』


っ!!


誰!?

動こうとしても身体は言うことを聞かず動かない

どうしようかと考えていたら急に体が浮き上がった


『わ!』


『ったく奨太しょうたのやつ盛り過ぎなんだよ。加減てもんを知らねぇのか。これじゃただの人形じゃねえか』

誰かが腰を片手で掴むように抱き起こしてそのまま

ベッドへ投げられた


うっ!扱い酷くない?



『よう。お前、桃の姉ちゃんなんだって?


…へぇ。確かに顔は似てんな。』


『あなたは誰ですか?』


『奨太に聞いてねぇのか?

俺は五十嵐いがらし 辰毅たつき。奨太の兄ちゃん』


五十嵐?苗字が違うけど…。森川さんのお兄さんということだろう。というか森川さんて奨太って名前だったんだね。初耳だわ。

体はまだ動かせないが頭は少しずつスッキリしてきた



もう一度ちゃんと顔を見てみる

お兄さんは森川さんに似てないんだな

森川さんは優しそうな猫目って感じで

同じ細目だけどお兄さんは冷たい印象を受ける目だ



じっと顔を見ていたら怪訝そうな顔をされた

あ、ジロジロ見過ぎた!


『私をどうする気ですか?

私は確かに桃の姉ですが、桃ではありません。

私なんかと一緒に居たって貴方の寂しさが埋まる事は

無いと思いますよ。』


『は!あんな女はこっちから願い下げだ!

俺が寂しいだと?お前に何がわかる!!』


そう言って五十嵐は杏の胸ぐらをつかんで睨み付けた


杏もその目から目をそらす事なく見つめ続けた

晒した方が負けのような気がした



………



『…流石は朝霧が惚れた女か』


そう言うと胸ぐらを掴んでいる腕がさらに引き寄せられキスされた


!!

五十嵐と口が合わさった瞬間に

ゾワゾワと悪寒が走る


杏は今持てる力を総動員して五十嵐を突き飛ばそうとした

だがその力は弱々しくとても突き飛ばせるような力では無かった


なんとか離れようと無理に暴れたせいか息が上がる

その隙をついて口付けが深くなった


その瞬間杏の嫌悪感が更に増した





グッ

『っつ!!』

五十嵐の唇に血が滲んでいる



『てめぇ…』

五十嵐は血を袖で拭いながら杏を睨み付けた

杏もじっと五十嵐から目をそらすことなく見続けた


『は!俺は人形抱くのは趣味じゃねえから今日はやらねぇ。

だが…俺は嫌がるやつをとことん追い詰めんのが好きなの。お前の反応なかなかいいわ。薬抜けんの楽しみに待っとけ?…杏ちゃん』

五十嵐は嫌な笑みを浮かべながらベッドから降り

そのまま部屋から出て行った







はーーー

杏は大きくため息をつきベッド横の壁にもたれかかった


これからどうしようか



もう疲れたな…

なんかもう、いいかな…


杏は急に全てが面倒くさく感じた

私の反応が面白いというなら反応しないように

すればいいし

別に初めてというわけでもないし




いや…

いやいや!あのゾワゾワは耐えられ無い!!

キスだけであんなに嫌だったのに

それ以上なんて無理!!

やっぱり逃げないと!






それからしばらくすると

少しだが体が言う事を聞くようになってきた

静かに立ち上がり窓の外を見てみる



ラッキー!ここ一階じゃん!


下にゴツゴツした石が敷き詰められている

ちょっと痛そうだけど大丈夫だろう


その先にはこの部屋をまるで囲むように石垣があるようだ

石垣沿いに歩けばいつか外につながる道があるかもしれない



そっと窓に近づき鍵を確かめる

鍵は……開いた!


窓は半分しか開かないようだがなんとか通れそうだ


閉じ込める気があるのかな?

こんなのすぐに逃げられるじゃない

薬で体が動かないと思ってるのかしら


まぁとりあえず私にとっては良かった



まだ本調子ではないけどお兄さんがもどって

来る前に部屋から出ないと意味がないので

杏は意を決して窓から抜け出した


ゆっくりと地面に足を下ろす

やはり石が足の裏に食い込んで痛いけど我慢して進んだ



石垣まで辿り着きどっちに進もうかと悩んでいた時

何か騒がしい音が聞こえてきた


怒鳴り声や何かが壊れるような音

誰かが喧嘩でもしているような感じだ

それがだんだんとこちらへ近づいてきているようだ


なんかよくわかんないけど隠れとこ

どこか隠れられそうな所あるかな?


杏は辺りを見渡した

先ほど出てきた部屋の横側に縁側がある

んー部屋から出てこっち見られたら一発アウトな気もするけど…


早くしなきゃ!どんどんこっちに来てる!とりあえずあの下でいいや


杏はさっと縁側の下に潜り込み息を殺して

耳をすませた



ドガン!!

『杏!!



…おい!!いねぇじゃねえか!!

どういう事だ!!』


『そんなはずは…ついさっきまでここに』


『ッチ!!

窓から逃げられてんじゃねえか!』


『そんな!まだ薬が抜けきっていないはず…』


『ああ?薬だと?

てめぇ。杏にもしもの事があったらただじゃおかねぇ

五十嵐組は2度もうちに喧嘩売ってんだ覚悟は出来てんだろうな?』


『ひっ!!』




『…須崎。自力で逃げ出したらしい。まだ近くにいるだろうから探せ。ああ。俺もすぐに行く』


『おい五十嵐。話は後だ。せいぜい首洗って待っとけ』






足音が遠ざかって行く


朝霧さんだ。

助けに来てくれたんだ。

ちょっと嬉しいけど…

またあの部屋に軟禁されるのは真っ平御免!


んーどうしたらいいの

ここから早く出たいけど今出たら確実に朝霧さん達に捕まる



どうしよう…

杏は考えた。考えてるいるはずだった。だが

薬が抜けきらないうちに無理に体を動かしたせいか

どっと疲れがきた

体は縁側のしたに入るために完全に横になっている格好

杏はふっと意識を失うように眠ってしまっていた






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ