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私は無関係です!  作者: あやめ
無関係だと思いたい
29/37

こうなる

………うっ頭痛い…


完全に飲み過ぎたー


うー寒いーなんかかけるもの…


………え???

何かかけるものを探ろうと手を出そうとしたが

背中の後ろ側にある腕が動かない


し、縛られてる!!



な、なんで!?





えーとえーと

杏はパニックになりながらも考えた

飲み会の会場から出た記憶がない

ということは

新年会の会場で酔い潰れたの?

でもなんで縛られてるの!?



一旦深呼吸をして周りを見渡す


どこかの部屋のベッドの上のようだ

服は着てる

部屋に見覚えはないがおそらく

ホテルではない

誰かの家やマンションなどだろう



窓から月明かりが差し込んでいる

もう深夜なのかもしれない


近くに鞄などは見当たらなかった



なんでこんな事に…

いったい誰が?


朝霧さん達を騙すような事をしたから

バチが当たったのかな…


明日の朝までに帰らなければ

流石に心配してくれるだろうか

ただの同居人だなんて言ってた人に何を期待してるんだろ…自分都合良すぎでしょ。はぁ



とても静かだ

その静けさで少しずつ落ち着きを取り戻していった



だいぶ落ち着いてくると

足は縛られていない事に気付いたので

部屋からの脱出を試みる事にした


体をひねりながら起き上がりベッドから降りる

そのままドアノブを後ろ手に回してみた

するとすんなりドアが開いた


良かった鍵はかかってなかった!



くるっと反転して肩で少しずつドアを押しながら開けてみると長めの廊下に出た



そのまま忍び足ですこーしづつ歩いて行くとすんなりと玄関までは来れた




よし!と喜んだのもつかの間、靴はどこにも見当たらなかった

うーん。でも今はしょうがない!靴下は履いてるから大丈夫大丈夫!

自分を励ましながらドアへ近づく

鍵は上と下に2つ

下は少し背伸びをすれば届いた



ゆっっっくりと音を立てないようにそーっと…




………開いた!



あとは上だ

どうしようかな


鍵を見上げて考え込んでいたので後ろに人が近づいてきている事に気がつかなかった



『もう起きたの?結構早かったな。

でもごめんね逃すことは出来ないんだ』


っ!!

こ、この声は…

ゆっくりと後ろを振り返り声の主を確かめる


やっぱり…

『森川さん…どうして?

ここはどこですか?なんで私腕を縛られてるんですか?』


『ここは俺の家。腕はまぁ逃げられないように?

靴も隠しといたから大丈夫かなー?と思ったんだけど

白川さんて結構アクティブなんだね?』


『アクティブって…

こんな状況誰でも逃げ出そうとすると思いますが』

『そうかな?こういうの初めてやったから

わかんないな。そういうもんか』


なんだか拍子抜けするようないつもの爽やかスマイルで言われてなんだか緊張感が抜けてくる




『森川さん。なんで私ここにいるんですか?』

『俺が連れてきた』

『そういう事ではなくて。目的です。』


『あーちょっと長くなるからまぁ中に入って

暖まろ?ここは寒いでしょ』


そう言って口調は丁寧だが強引に背中を押して

杏を歩かせて

リビングのソファーまで連れて行った




『はい、どうぞ。あったまるよ。』

森川は杏の前に珈琲を置いた


『…あの、手が』

『ああ!そっか!ごめんごめん!』

そう言って杏の腕を縛っていたロープを解いた


なんなんだろ?なんか怒る気力を吸い取られるような


杏は森川が淹れてくれた珈琲を飲みながら

少し落ち着きを取り戻していた



『そんなに見つめないでよ。白川さん』

『見つめてないです。そろそろ話してもらえませんか?』


『そうだなぁ。何から話そう。

そうそう!

まさかあの朝霧 龍の囲い人が白川さんだとは驚いたな!

今まで全然気がつかなかったよ。凄く大事にされてるんだね。なのに同居人だなんて言われちゃって

なんか笑える はは!』


『朝霧さんの知り合いですか?』

『いや、向こうは俺なんて知らないだろうね。

実際に会ったことはないし』

『じゃあなんで…』

『んーまぁ簡単に言うと俺の親父も朝霧と同じ職種なのね。

だから朝霧の事は知ってたし、少しならそっちの世界の出来事も耳に入ってくるって事』

『え…じゃあ森川さんも?』

『いやいや、俺は最初から向いてないってわかってたから。早々に家を出て表面上は縁を切ってる感じ?

実際はやっぱりそうそう縁なんて切れるもんじゃないけどね…』

少し苦しげな表情をして森川は言った


『それで、なんで私はここに連れてこられたんですか?』

『うん。

白川さんには悪いんだけど、いろいろ俺にも事情があってね、ちょっと人に頼まれてそこまで白川さんを連れて行くのが俺の役目』

『はい?誰にですか?』



『はぁ。隠したってそのうちバレるだろうしな…




まあ、その…俺の兄貴んとこ。』


『お兄さん…ですか?』


『そう。

ちょっと前に白川さんの妹さんの方揉めてたでしょ?

それうちの兄貴となんだよ。

なんか桃だっけ?を取った取らないっていい大人が

言い合いしてんの、笑っちゃうよね。

で、結局負けた兄貴がちょっとぶっ飛んじゃってさ、変わりでもいいから見つけて来いと無理難題を周りにふっかけてるんだけど、白川さんなら大丈夫じゃない?』


『何が大丈夫なんですか』

『だって姉妹でしょ?似てるでしょ。きっと兄貴も気にいると思う。』

『何を勝手に!それに

また朝霧さんの所と揉める事になるんじゃないですか!?』


『それは大丈夫。桃って人は愛し合ってる人がいたから問題だったけど、白川さんは朝霧の事何とも思ってないんでしょ?

同居人が変わるだけ、ね?』


『そんな勝手に!私の意志は無視ですか!?』

『一応これでも確認してからと思って今までいろいろ調べてたんだよ?

もしも白川さんが愛してる人がもういるならこの話はなかった事にしようと思ってたんだ。

相手は俺でも良かったんだけど、白川さん全然相手にしてくれないし。まぁそれは置いといて。

まあ、そう言う事だから

そろそろ時間だから連れてくね』


『嫌ですよ!私は付いてなんて行きませんから』

『あ、大丈夫大丈夫!俺が連れてくから』

『そんな事させません!』

だん!とテーブルに手をついて立ち上がった瞬間

杏はひどい立ちくらみがしてすぐに座り込んでしまった


なに?なんか身体がすごく重い…

なんとか身体を起こそうとしながら森川を見る


『白川さんて無防備すぎない?2回も同じ手に引っかかるなんて。まぁそんな所も可愛いかったけど。

次に起きた時にはもう俺はいないと思うけど、まぁ元気で!言う事聞いてれば酷いことはされないと思うよ。それじゃあね。おやすみ。あん…』


最後の方はもう何を言っているか聞き取れなかった

そのまま意識は途切れ、杏はすやすやと眠り出した


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