これから
『おはようございまーす』
あ!
タカさんの声。タカさんと須崎さんもう来たんだ
杏は今の自分を見てみる
うわーこれは今まで寝てましたって感じ
こんなしわくちゃな洋服流石に恥ずかしいかも
でも着替えなんて…
あ!
寝室のドアの横に見覚えのある紙袋があった
あれは歌織さんから貰った洋服!
この前忘れていったんだった
朝霧さんまだ取っておいてくれたんだ
杏は早速服を取り出して着替えると
そぉっと寝室から顔を出した
『よお!久しぶりだな!』
ちょうどドアの向かい側に座っていたタカさんと
すぐに目があってしまった
『杏さんお久しぶりです』
タカさんも須崎さんも2ヶ月前と変わらない
『あ…お久しぶりです』
『あれ?その服姉さんのブランドですよね?』
『あ、はい!この前お世話になった時にここでいただいたんです』
『あぁ。あの時の。杏さんの雰囲気に合ってますね』
『本当ですか!?なんか服が素敵すぎてちょっと着るのが恥ずかしい気が…』
『そんな事ないですよ。とてもよく似合ってます』
わぁ!嬉しい!
杏が喜びに浸っていると
『こっちにきて早く座れ』
と朝霧さんの不機嫌な声がした
ん!?
なんで不機嫌なの!?
せっかくいい気分だったのに
『早く来い』
朝霧さんの急かす声に仕方なくみんなの座る
ソファーに近づく
誰も座っていない1人がけのソファーに座った
『須崎』
『はい。
杏さんにひとつ言っておかないといけない事があります。』
『は、はい。』
須崎さんの真剣な顔に少し緊張しながら返事を返す
『昨日、朝霧 龍が自分の車に女性を、しかも助手席に乗せていたという情報が流れました。前の一件で少々顔が知れていたこともあり、その女性が杏さんだという事も知られてしまったようなんです。』
『…はぁ。あの、それが?それってそんなに知られてはいけない事なんですか?』
『そうですね。
若は今まで極度の女性嫌いだというのが通説でした。
自分の車に女性を乗せるなんて今までではありえない事でした。それなのに女性が、しかも助手席に乗っていたとなると、その人は必然的に若の大切な人である。という認識になったのでしょう。』
『と、いう事は?』
『若の弱点狙ってるやつに狙われるかも知れないって事だな!!』
な!なんで!?
タカさんの言い方軽い!!
『そんな!知ってたら朝霧さんの車なんて乗らなかったのに!』
『なんてとは失礼なやつだな。
そもそもお前が窓開けてぼーっとしてたからこんな事になったんだろうが。』
え…
あ、あの時…
目があった朝霧さんがびっくりしてる顔がちょっと面白いなぁなんて思ってたあの時か…
自分で自分の首を絞めるなんて…
はぁ
杏はうなだれた
『まぁまぁそんなに落ち込まないでください。
若の近くにいれば多少の制限は付きますが
今まで通りの生活を送る事が出来ると思いますよ』
『…あの、なんで朝霧さんの側にいるというのが前提なんですか』
『え?』『は?』
『え、だってお前若と付き合ってんだろ?』
びっくりして
杏は思いっきり首を横に振る
3人の視線が朝霧に集中した
『だから覚悟しろって言っただろ?』
朝霧がニッと笑って言った
か、覚悟って追いかけられる覚悟って事?!
〜〜〜っ!!
私は無関係だー!!




