洋服は
次の日の朝
杏は目覚めると
リビングへ向かった
『おはようございます』
『あぁ。コーヒー飲むか?』
『あ、はい。いただきます』
キッチンにいた朝霧さんは
ちょうど淹れているところだったようで
すぐに2人分のコーヒーを持ってきてくれた
今日はソファーには座らず下に座る
こっちの方が落ち着くのだ
やっぱり朝霧さんのコーヒー美味しいなぁ
ふと朝霧さんを見上げてみると
コーヒー片手にソファーに足を組んで座っていた
かっこいいなぁ
杏がぼーっと見ていると
ふと朝霧がこっちを見た
!!
杏はさっと横を向き目をキョロキョロさせた
ドキドキドキドキ…
落ち着いて〜落ち着いて〜
自分に言い聞かせながら
少しづつコーヒーを飲む杏だった
現在時刻は午前5時30分を過ぎたところだ
いつもの杏ならまだ布団の中だろう
でもさすがに昨日夕方まで寝ていたからか
早くに目が覚めたようだ
『昨日はベッドありがとうございました』
『あぁ』
『朝霧さんていつもこんなに早起きなんですか?』
…
『いや…』
『私もこんなに早いのは久しぶりです』
『そうか』
『はい』
朝霧さんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら
2人でテレビを見ている。なんだか不思議な感じ
そんな静かな時間をしばらく過ごした
ピンポーン。
インターホンがなった
朝霧さんは誰がきたか知っているようで確認もせずにすぐに玄関へ向かった
するとすぐに
『お邪魔しまーす!!』と声がした
だ、誰だろ?
女の人の声だ。
立ち上がって誰が来るのか見ていると
知らないお姉さんが入って来た
お姉さんはリビングに入るやいなや
『あ!いたいた!』
杏と目が合うとにっこり笑いながら
近づいて来た
『おはよー!あなたが杏ちゃんね。
私は慎哉の姉の歌織よ。よろしくね!』
そう言いながら杏の手をギュッと握って握手してきた
『あ。はい、よろしくお願いします。
あ、あの、すみませんが慎哉さんてどなたですか?』
『あら、知らない?須崎って』
『…須崎さん!?
須崎さんのお姉さんなんですか!?』
須崎さんと全然似てない!それに須崎さんの方が
年上に見える。
『あの須崎さん』
『あ、歌織って呼んで?』
『えと、歌織さん?
歌織さんがお姉さんなんですよね?
須崎さんが弟って感じがしないです!』
『あら、それって私が若く見えるって事かしら?
それとも慎哉が老けて見えるのかしら ふふっ
これでも私達8つ離れてるのよ』
!?
え?いくつなんだろう須崎さんて。
思ってたより若いのかな?
それとも…
『そんな事より!杏ちゃんにお洋服持ってきたのよ!
ほらほら龍ちゃん早く持ってきて!』
り、龍ちゃん…
『歌織さん。ちゃんは勘弁してくれ』
『なによー!杏ちゃんの前だからってカッコつけちゃって』
朝霧さんは玄関の方から大きめの紙袋を3つ持ってきた
そこから歌織さんは次々に服を取り出していき
一通り出し終わると
『どうかしら?』と杏を振り返った
『凄い!素敵な服ばっかりです!可愛いくておしゃれなのに可愛い過ぎない感じが!
あ、これ可愛い!こっちも素敵!わー!…』
『ふふふ
そんなに喜んで貰えるなんて!
よし!全部杏ちゃんにあげちゃう!』
え?
『いえいえ!そんな!』
『私ねこう見えてもデザイナーやってるのよ。
だから試作品やらなんやらで服って結構余っちゃうのよね。でもだからって捨てるには思い入れがあったりするから…だから杏ちゃんに着てもらえたら嬉しいわ!』
『え!これ歌織さんが全部デザインした服なんですか?』
『まぁね!こんなに素直に褒めてもらって服たちも喜んでるわ!是非杏ちゃんに着てほしいな』
そこまで言われるともう断ることなんて出来なかった
それにこんなに素敵な服が貰えるなんて!!
『歌織さんありがとうございます!!』
杏は嬉しさのあまり歌織に抱きついた
『いえいえ!こんなに喜んで貰えるなんて私も嬉しいわ』
『あ、そうそうちょっとこっちに来てね!』
そう言って杏を寝室の方へ連れて行く
『龍ちゃんは入って来ちゃダメよ!』
そう言って寝室の扉を閉めた
『あと、下着なんだけど
サイズがわかんなかったからいろいろ持って来たの
どれが合うかしら?』
その後下着もいくつか貰って
可愛いパジャマまで頂いた
寝室から2人が出ると
朝霧さんはソファーでタバコを吸っていた
杏は歌織から貰った服を着させて貰っていた
今は部屋にいる事がほとんどなので
ラフな格好だが歌織のデザインした服は
どれも可愛いく部屋着のまま外に出てもおかしくないデザインだった
『龍ちゃんどう?杏ちゃんに似合うかしら?』
『あぁ』
朝霧は横目でチラリとだけ見て答えた
『もう!
あぁじゃなくて!
女の子はちゃんと言葉で褒めてあげなくちゃ駄目よ!』
歌織はソファーに近づくと朝霧の頭をぐちゃぐちゃに撫でる
『おい!やめろって』
『あ!私そろそろ行かなくちゃ!
それじゃ杏ちゃん!またね!
あ、これ私の連絡先よ!何かあったらいつでも連絡してきていいからね!』
『あ、歌織さん!…』
行っちゃった…
歌織は言う事だけ言うと慌てた様子で
出て行ってしまった
今度ちゃんとお礼しないとな




