どっちが寝るのか
『わ、私そろそろ寝ます!!』
杏はくるっと向きを変えて歩き出した
そのまま寝室へと入ろうとした、が
よく考えたらここは
朝霧さんの家だ
ただでさえ泊まらせてもらうのに
ベッドを占領するとはなんたる事!!
杏はまたくるっと向きを変えると
朝霧さんはキッチンにいたので
キッチンの入り口まで行って声をかける
『朝霧さんはベッドで寝て下さい!
私はソファーを貸して頂ければ大丈夫です!』
朝霧はいきまいて杏が言うのを横目で見ると
水の入ったコップをすっと差し出した
『え、あ、ありがとうございます』
ちょっと喉が渇いていたので嬉しかった杏は
受け取ってすぐに飲みだした
杏が素直にコップを受け取り水を飲んでいるのを満足そうに眺めると
『気にすんな。お前が使え』
そう言ってそのままソファーにいって横になった
あ!
慌ててコップを流しに置いて杏は追いかけ
ソファーの横に立つ
『でも、やっぱり悪いです!
私どこでも寝られますし、朝霧さんの方が体が
大きいんですからソファーじゃ狭そうですよ。
だから私がソファーで寝ます』
…
朝霧は目を瞑ったまま動こうとしない
『朝霧さん聞いてますか?ねぇ、ちょっと!』
『うっせぇな…』
!!
『え?わ!ちょ!』
朝霧は急に起き上がり
杏を横抱きするとそのまま歩きだした
わわわわわ!
近い!!
驚きで固まったままの杏をベッドにそっと寝かせると
『さっさと寝ろ』
そう言って寝室から出て行ってしまった
…
はぁー。びっくりした!
もう。まぁいっか!
お言葉に甘えて今日はベッドで寝かせてもらおっと!
杏はベッドの中に潜り込むと目を閉じる
やっぱりいい匂いがする
朝霧さんの匂いかな?
なんだかとってもほっとするな…
昼間散々寝たのにも関わらず杏はすぐに
寝息をたてだしたのだった




